ある女の子の33のつぶやき

1、海に行きたい

夕ご飯を食べながら眺めていた夕方のニュース番組の情報コーナーで

ちらっと映った海の家で販売しているらしいイカ焼きがものすごく美味しそうで

食べたいなってつぶやいたら

「じゃあ明日行こう」ってお姉ちゃんがものすごく簡単にサムズアップした


違うよイカ焼きが食べたいだけだよ


「あ、でもやっぱり海に行くのは明後日? 水着買わなきゃ! いや、午前中に買い物に行って、午後に出かければいいのか! 明日でオールオッケー!!」


水着なんかいらないよイカ焼きが食べたいだけだってば


「イカ焼きは海の家にあって、イカ焼きを食べるために海に行きたい。海に行くなら水着が必要。イカ焼きイコール海イコール水着。オーケー?」


イカ焼きのため。うう、そうなのか。イカ焼きのため……


…………でもでも水着はやっぱりいや 露出はやだ


「馬鹿だなあ、ラッシュガードだってこれ、案外ぴたっとしてんだよ? わかったわかった、それならこっちのダボっとTシャツ。ね?」


お姉ちゃんが見つけ出してくれたのはキレイな青色のTシャツ

落ち感がありつつ透け感はない生地で丸い体のラインを覆ってくれる

ものすごい安心感

下に着る水着も膝丈のワンピースタイプを選んでもらってほっとした

これならぶっとい太ももが隠れる


「あたしがあんたに嫌な思いさせるわけないっしょ」


お姉ちゃんマジ神


お腹を空かせて向かった海水浴場で食べたイカ焼きはものすごく美味しかった

サザエの出汁の塩ラーメンも磯のかおりが口の中いっぱいに広がってものすごく美味しかった

汗をだらだらかきながら頬張ったTシャツと同じ青色のかき氷も


頭にキーンときて くうううっとうつむいた瞬間目に入った

ぽっこりおなかのシルエットは

見なかったことにした

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