剣の果実
剣というのは些か、果実のように見える。
生まれる時、果実をその鋳されたところへと注ぎ入れ、真っ赤に燃えるその熟す寸前の鉄の塊を穿チて。
たたかれたその体から迸るように果汁を撒き散らしながら閃光の如く層を充てがっては伸ばしを繰り返す。
第二の実りは交えた時に起こる。
音は煌々として散らす波源の水面。
芒の大地の上で半月を反射しながら弾け合う。
錆び、朽ちるものまた一興。
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