親友と学校一の美少女をくっつけるため後輩美少女と偽装カップルってまじ?

雨依

第1話


「手伝ってください。」

「は?」


俺はとある日、あまり関係がない後輩に呼び出された。


「……何を?一応聞いてやる。」

「あなたのお友達の竪山さんと、私の友達の村山鏡花ちゃんが両思いっていうことは知っていますか?」


竪山春樹は、昔っからの付き合いで、親友と言っても差し支えないほど仲がいいと自負しているくらいの関係の友人だ。

……そして、村山鏡花は、一年生にして、学校一の美少女と呼ばれている少女で、竪山の所属する部活動の、サッカー部のマネージャーをしていると聞いたことがある。

そして、村山は、竪山の想い人なのだ。


「へぇ……てことは、村山も?」

「はい。鏡花ちゃんはたしかに竪山さんのことが好きだと言っていました。」

「じゃあ、両思いなんだし、そのうち付き合うんじゃね?」


俺は真っ当なことを言ったと思う。すると、こいつは女心わかってねーなーと言いたそうな目で、


「鏡花ちゃんは超奥手なんです。多分このままでは告白どころか、仲を深めることすら厳しいでしょう。」

「でも両思いなんだろ?」

「ふん!わかってないですね。今はいわば両片思いって奴です。どっちも片想いだって思い込んでるんですから。」


若干ドヤりながら、そんなこともわかんないの?と言いたげな顔でそう答える。

確かに、見た目よりも竪山もかなり奥手な方だな。正しくは告白すると迷惑だろうと勘違いしてできてないだけだが。


「そう言うことなら別いいけど。」

「え!?まじですか?もっと説得に時間かかると思ってました」

「なんでだよ……しかも、こんな話があるってことは、もちろん俺にもプラスがあんだろ?」


そう言うと、待ってましたと言わんばかりに


「勘が鋭いですね!プラスは……私と友達になれます!連絡先もゲットですよ!」

「ごめん断りたくなってきた。」

「なんで!?」


うっぜぇ……こいつまじか。

こいつは、佐藤千由里。村山の影には若干隠れているが、とてつもない美少女だ。ただ、村山と違い、出るとこが出てなかったり、背が低かったりするところで好みが分かれているらしい。

確かに、こいつの連絡先が手に入るならと、簡単に協力してくれる奴はいるだろう。

……って、そんなことはどうでもいい。俺は別にいらない。こいつが好きなわけでもないし。でも、


「あいつ、めっちゃ恋してたんだよなぁ」


親友の初恋を応援してやりたい気持ちは人一倍あるだろう。


俺はしばらく考えて、


「よし。その提案、呑んでやるよ。」

「さっすが先輩ですね。お話がわかっていらっしゃる。」


ニヤニヤと悪代官のような気持ちの悪い笑みを浮かべた佐藤は、馬鹿なことを言い出した。


「じゃあ、これからカップルですね!よろしくお願いします!」

「は?」

「いやー!はじめての彼氏さんになれて、嬉しいですかぁ?私のファースト彼氏ですよ!」


ドヤっとイラつく顔をしてみせる佐藤。


「説明しろ」

「いいじゃないですか」

「しろ」

「はい……」


何がどうなってんだよ。


「いや、ですね。まず、私と貴方が付き合っている設定で行きます。で、それぞれが誘ったみたいな感じで自然に二人を合わせて楽しみ……いやお手伝いをしたりできるでしょ?」


それとカレカノって関連性あるか?


「もうわかってないなぁ。女の子は、カップルを見たら多少なりとも欲しいなぁって思うもんなの!」

「へー……にしても、お前はいいのか?」


別に気にしませんよ。と答える佐藤は 


「別にいいですよ!私、先輩のこと嫌いじゃないですから!」


と、妙にモジモジしながら答えるのだった。

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親友と学校一の美少女をくっつけるため後輩美少女と偽装カップルってまじ? 雨依 @Amei_udonsoba

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