161.抜け駆け

「なぁ、この服可愛くね?」


 そう言って悠斗が見せてきた携帯の画面に映っていたのは、白いフリルスカート。パーティードレスと呼ばれるものだろうか。


「……架空の?」


「ん?」


「架空の、女の子に着せるための服?」


 暗に俺は、悠斗の別の可能性を閉ざそうとしていた。そう、あって欲しくなかったのかもしれない。


「なわけ。彼女へのプレゼント」


 いっそのこと「いや、俺が着るやつ」なんておどけたように言ってくれれば、まだ楽になれたのになと俺は思いながら、軽く唇を噛んだ。

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