160.目覚めと乱れ

 「萌え」という言葉──言ってしまえば、男としての喜びを知らなかったから、教えてあげることにした。勿論、純粋なあいつには今後の人生において必要なかったかもしれない。けれど、俺をそうさせるには十分すぎるほどの才覚が、あいつにはあった。……って評価するのは何となく恥ずかしいな。男に惚れてしまったのは確かに俺だが、とだけは言っておこうか。

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