153.舌の肥えた読者にしか分からない飯テロ

 玄武岩の風化した赤土──ブラジル高原南部のテラローシャからできた泥団子。蜂蜜ペーストの芳醇な香りが口に入れた瞬間に広がる。表面のザラザラした食感は、天日干しされた塩の結晶を砕いて、上にまぶすことで生まれる。じんわりと中から染み出るジンジャーティーをシロップで割って煮詰めたソースは、その味を確かなものにする。


 隣に添えられたミシシッピアカミミガメの前足は醤油を付けずにそのままお召し上がりください。お口直しにどうぞ。

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