151.異端審問

「面白いアニメの切り抜き動画送っといたから」

「ありがとー、助かる」


 ……なんて会話を俺としたことがうっかり聞かれてしまったものだから、「あの見た目でオタクとはねぇ」という声を背にして俺は早歩きでその場を立ち去った。


 だから、嫌なんだ。そうやって、すぐに俺たちを毛嫌いする。オタクと一般人を隔てる壁は何だ? 興味関心の有無か? 熱量か?


「同じ人間だろ」と独り言ながらに言いかける。いかん、また「主語が大きい」などと言われて叩かれるところだった。

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