136.くゆる想い
好きな人の匂い──正確には、その柔軟剤の匂いを嗅ぐだけでこんなにも心が乱れてしまうのが自分でも恥ずかしい。というか、息苦しい。別れたあとになって、それと同じ柔軟剤を使っている人とすれ違っただけで変に和んでしまうのはなんでだろう。好きな人はそう簡単ににおいを振り撒く人じゃないから。そんな簡単にかがせてくれるような人じゃないから。ぎゅっと抱きしめた時だけに感じる、私だけが知っているはずの、だけどもう誰かに奪われてしまったあの香りが恋しくて。
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