110.ロボット NG集2

【TAKE1】


「すいません、とはぐれてしまって……」


「では、胸元のバーコードをかざしてください」


ピッ


「識別番号DA-2739、開発担当者は樫木博士ですね。エリアB27で博士は待機しています」


「ありがとうございます」


「ちゃんとお礼が言えて偉いですね ☺︎」



【TAKE2】


 研究所内にはすでに可燃性ガスが充満しきっている。ダストシュートから脱出するにしても、ひと一人分のスペースしか確保できない。せめてDA-2739だけ逃がすことができれば……。博士はそう考えていた。


「博士、ひとつだけ助かる方法があるよ」


 ロボットは博士をしっかりと持ち上げ、ダストシュートへと運ぼうとする。


「おい、何の真似だ。自分を犠牲にするなんてやり方、俺はないぞ」

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