27.加害妄想
その患者は真っ白なモニターを見ながら、そこから思い浮かぶことを声に出すよう指示されていた。
「私は、今ナイフを持っています」
「ほう。それは、どんなナイフですか?」
白衣を着た医師らしき男性は、静かに患者に尋ねた。
「ペティナイフでしょうか、いえ……もっと長いやつかもしれません」
「なるほど。では、実際にそれがあると思って、試しに振ってみてください」
患者は椅子から立ち上がり、うおおおりゃーっー! と大声を上げながら、握った両手を振り回した。
「成功です。やはり、具現化能力でしたか」
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