24.シミュレーション
小学校の時。「2192年ごっこしようよ」と友達から言われ、その遊びはすぐに始まった。
俺は悠斗に腕をつかまれる。
「こいつが、純正の人間か。生き血を採取してやる」
「はなしてよ!」
俺はその手を振りほどこうと必死で抵抗する。
「立場をわきまえろ。国際指定絶滅危惧種No.237 『にんげん』の生き残りが」
まって……? 2192年って、そんなことになってんの? と俺は混乱しながら、説明を聞く。
「にんげんとAIのハーフが生まれてから早100年。やっと俺たちが覇権を握る時代がやってくる……」
(人間が絶滅するってことは……)
「ニホンオオカミって、今いたりする?」
「ニホン? あー、数十年前につぶれた国か」
──2192年、俺には国籍がなかった。
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