16.生き残り

「これで、最後だな。ようやく捕まえたぞ、ラストクラッパー」


 ひぃと、か弱い音をあげて男はその場にうずくまった。始業式のきょう、体育館で最後に拍手をした男は、降参したようにぽつりと声を零した。


「ほんの、出来心だったんです。なんというか、スリル……みたいなものを味わいたくて」


「スリル? そんなにスリルが味わいたいか?」


 そう言って生徒指導の先生は、大きな手を広げ、生徒の耳元でめいっぱい叩いた。

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