9.偏見プロファイリング

 食堂での二人の会話はこうだった。


「あの子はきっと、カレー派だな。ハヤシの口じゃないと思う」


「いや、俺はハヤシだと思う。見てみろ、あの笑った時の口の大きさ。カレーをパクッと平らげるには小さいし、パンをちぎってシチューを食べるには大きすぎる。きっと、ハヤシの口だよ」


「そうかい。でも、まだそうとは決まっちゃいねぇよ。付け合わせに何を選ぶかで勝負は決まる」


「おっ、おい。あれは……、福神漬け!」


「これきたな、カレーだよ絶対」


「いや、俺はらっきょう派だから……」


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