6.名付け親

「名付け親って血縁関係、いわゆる生物学的な親じゃなくても名付け親でいいんですよね」


 静かに、けれどどこか同意を求めるように男はそう呟いた。


「なっ、なに急に? いや、まあそれはそうだけど」


 ベンチの隣に座っていた初対面の女性は、しどろもどろしながら答える。


「そっかぁ。じゃあ……ユニコーンって何か名前ダサいから、モノコーンに改名したいなぁ」


「そっちの方がダサいです」


 え、そう? 俺的にはいいと思うんだけどなーと男は驚いた表情を浮かべた。


 それにユニコーンは所有者がいた訳ではないと思います。女性はそう言おうとしたが、言うのをやめた。

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