2.三万円

 小学校の時、眼鏡を壊された友達が、その壊した子の親に三万円を請求したんだよね。で、これの何が面白いかって、それがもともと三千円の眼鏡だったわけ。でも、ハッタリをかまして損害賠償として三万円をせしめた訳なんだけど、この三万円っていうのが「高い値段のメガネも存在するから、まぁそれぐらいするよね」っていう条件を呑ませるギリギリのラインだと思わない? そんな高度なこと、よくやってのけたな、って、当時その友達のことを俺は尊敬したもんさ。


 あー、今その友達なにやってるかって?

 

 「当たり屋」だってよ。

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