200字程度の供養倉庫

押田桧凪

1.非科学の父

 ピカッ。激しく降っている雨を諌めるように、ひとすじの閃光が空を駆ける。のちの、爆音。くぐもった低音が辺りに轟く。


「おとうさん、みて! 音が、遅れてきこえるよ」


「何を言ってるんだ。いいから、早く窓を閉めなさい!」


「なんでぇ? 雷なんて珍しいのに」


「あぁ、なんてこった……。ゼウスがお怒りだ! 今すぐ、家財道具をまとめなさいっ、ほらお母さんも早く!」

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