午前0時の食卓

玖珂李奈

第一膳 出会いとお茶漬け(1)

💎はじめに💎


本作は、関川 二尋さんの『ハーフ&ハーフ2 ~飯テロ編~』に参加させていただいているお話です。


『ハーフ&ハーフ2 ~飯テロ編~』

https://kakuyomu.jp/works/16816927862435116127


『ハーフ&ハーフ2』は、物語の前半を関川さんが書かれ、後半を参加者がそれぞれ物語を作り、コメント欄に書いていく、という作品です。


本作の各話(1)、および最終話の文章は、関川さんの書かれた文章の一部を変更したり、加筆させていただいたものです。

 


💎本編ここから💎



 まったくもってどうかしている。

 見ず知らずの相手に話しかけた挙句、家にまで連れてきてしまった。

 わたしは狭いキッチンで今さらながら頭を抱えていた。


 これはもう、しょうがないと思うしかない。

 捨てられた犬とか猫を、見なかったことになどできないではないか。

 少なくともそういう真似は、わたしにはできないし、できなかったのだから。


 彼女はさっきから、恥ずかしそうに俯いたままずっとお腹を鳴らしている。

 となれば、作るしかない。


 これでも元はプロの料理人だ。美味しいものを食べさせてやりたいという気持ちだけは、今も熾火のように残っている。


 とはいえ。

 なにしろ食材と呼べるものが殆どない。その上すぐ出来るものという条件まであるのだ。


「アレルギーとかない? 苦手なものとか?」


 返事はないけど、少し首を横に振ったのは分かった。

 であれば、あれで決定だ。


「ちょっと待っていてね。今、お茶漬け作るから」

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