第112話 つかの間の
セバス様が帰られた後、テレジア達は集まってまた話し合いを始めた。レイは午後のポーションの仕込みがあるためその場を離れる。ポーションの仕込みを終えると、レイは手持無沙汰になってしまった。休息をとってもいいのだが南の街へのポーションの支給が止まっているという話を思い出したので鍛冶屋に行って蒸留器の増産ができないかを相談に行くことにした。
鍛冶屋に着くと受付には誰もおらず、鉄を叩く音だけが聞こえてくる。これは無理そうだと判断したレイが帰ろうとした時テッシンさんが奥から現れた。
「坊主じゃねぇか。久しぶりだな」
「お久しぶりです。テッシンさん」
「相手をしてやりてぇとこだが今は時間がねぇ。北の街から来た奴らの武器がボロボロだったんで修理に工房がフル稼働中なんだ。すまねぇな」
説明を求めてもいないのにテッシンさんは説明してくれた。
「分かりました。時間をおいてまたお邪魔させていただきます」
用事もなくなったので家に帰る。するとテレジア達が待ってましたと言わんばかりに集まり始めた。
「レイ様。相談に乗っていただきたいのですが」
そこでレイは待ったをかけた。
「相談するのは構わないけど少しはみんなで決定することをしないとギルドの運営なんてやっていけないよ」
するとみんなはしょんぼりとし始めたがテレジアは前向きだった。
「そうですね。もう一度みんなと話し合って相談したいことを絞り込もうと思います」
本格的にやることのなくなったレイは仮眠をとることにした。起きると夕方。カルアたちも帰ってきていて夕食の準備をしていた。レイも食事の準備を手伝おうと思ったがカルアから報告があるというので聞くことにする。
「南では増幅茸を十分な量確保できました。おそらく増産するとなっても数日は大丈夫な量です。問題点としては魔物の廃棄をスライムに任せているためかスライムの数がかなり増えてきています。スライムが増えることでなにか悪影響があるということは聞いたことはありませんが、気になったものですから一応報告をと思いまして」
「分かった。僕からギルドマスターにも報告をあげておくよ。それで明日だけど、次は魔石(小)の数が心元なくなってきていてね。危険だけどウルフやオークの狩りをお願いしたいんだ。もちろん、安全第一でだよ」
「分かりました。人数も減ったことですし、慎重に行動します」
話も終わる頃には夕食の準備も終わっており、みんなで夕食を食べた。
レイは夕食後に回復ポーションの検品をし、能力でポーションを生成してから治療院へ向かう。するとセレスさんが入り口で待っていた。
「レイ様、急で申し訳ありませんが、効果の高い回復ポーションはお持ちでしょうか?」
「はい。今日も持参していますがどうかしましたか?」
「実はオークに骨を折られ骨が皮膚から飛び出してしまう患者さんが急増していまして、消毒ポーションと効果の高い回復ポーションの在庫が切れてしまいました」
「分かりました。まずは中に入りましょう。すぐにお渡しします」
これは戦闘の方法を詳しく聞いてみないといけないと感じたレイだった。
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