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「もしリセットボタンがあったとしたら、押す?」
ある日、ぼんやりと部屋の中で二人で寝っ転がって日向ごっこをしているときソラは言った。
「リセットボタンあるの?」と僕が言うと「ない。もしあったらっていう架空のお話」とソラは言った。
僕は迷った。
すぐに押さないと言えなかった。
僕はそれくらい自分のことが嫌いだったし、すぐに押すと言えないくらいには自分のことが好きだった。
黙ったままでいると、顔を動かしてソラが僕のことを見た。
「押さないって言ってよ。すぐにさ」とソラは言った。
僕は無言。
ソラは真面目な顔で僕を見ている。
そんなソラの顔はまるで僕の知らないどこか遠いところにいる一人の名前も知らない初めて出会う女の子のようだった。
「私の目を見て」とソラは言った。
でも僕はソラの綺麗な水色の紋章の入った瞳をじっと見つめることができなかった。
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