応援コメント

第三膳『シチューと苦手料理』」への応援コメント

  • こんばんわ。
    ♪一帆です。どのシチューもおいしそうです。


    椎茸しいたけ、榎茸えのきだけ、王茸しめじ、平茸ひらたけ、木耳きくらげ、銀耳しろきくらげ……。いろんな食感。それぞれのうま味。茸好きにはたまらない蒸煮肉シチュー。森の中に住んでいるからこそ、食べられる春の味覚!! 



     ―― うん。おいしい。


    続きはこちらで。
    『妖術士見習いは愛を学びたい』
    https://kakuyomu.jp/works/16816927862494687766

  • こんばんは。
    🍁空草 うつを です。

    ◆◆◆

     俺は牛乳の後味が嫌だっだ。
     いつまでも口に残る甘ったるいような独特の匂いと風味だけでなく、体に良いからと給食に必ずついてくる無理矢理感も牛乳嫌いに拍車をかけた。
     牛乳を飲めば背が伸びるだの親にしつこく言われて正直うんざりした。牛乳飲まなくても、それなりに身長は大きくなったし。

     だが、料理人を目指すにあたって牛乳を使う料理を作ることも増えてくるだろうと思って。夢のために一番身近なシチューを使って、試行錯誤を繰り返した。
     牛乳の甘ったるい後味をあっさりとしたものにできないものかと。

     たどり着いたのは、魚介を白ワインで煮込んだスープとホワイトソースを合わせるというもの。
     使う白ワインはキリッと引き締まった辛口のシャルドネ。魚介の風味を損なわずにお互いの味を引き立ててくれるし、牛乳の後味も緩和してくれる。
     そして極め付けは、味のアクセントにもなるペッパーミルで挽いたホワイトペッパー。
     甘ったるくない大人のシチュー、俺自身もこれで克服できたようなものだし、牛乳嫌いの人達に好評だった。

     だから自信があった。弥生ちゃんもきっと、このシチューなら食べられる。

     弥生ちゃんは銀色のスプーンの先についた白いシチューと、俺の顔とに交互に視線を送ってくる。
     覚悟を決めたのか、大きく深呼吸をして「いきます」と宣言した。
     恐る恐る、スプーンの先を口に近づけていく。
     まるで猫のように舌をちろっと出して、シチューを舐めた。

     フリーズして数秒。弥生ちゃんは、スプーンを置いてしまった。罰が悪そうに俯いて、深々と頭を下げてしまった。

    ◆◆◆

    続きは連載中の『嗚呼、愛しの絶滅種!』にて公開しています。

  • 遅くなりましたー! 早速、美味しいところだけ貼らせていただきます。

    🍻

     そして今日、相変わらずの破れ堂で、テンは恐る恐るホワイトシチューにスプーンの先を浸していた。
     スプーンの先にちょっとだけシチューを掬い、クンクンと匂いを嗅いでシュンと耳を伏せる。

    「熱いミルク、飲んだことない……こわい……」

     これは盲点だった。ミルクだから馴染みのある味だろうと思い込んでいたのだが、幼き頃にテンが味わった母狐のミルクは、たしかに生ぬるい温度だっただろう。その味を知っているからこそ、「熱いミルク」に警戒してしまうのかもしれなかった。

    「そうか。無理しなくていいよ。冷めてから食べたっていい。どっちも美味しいからね」

     ローズマリーと白ワインで香り付けして焼いた鳥もも肉、大ぶりのじゃがいもとにんじん、玉ねぎの他に、ホワイトマッシュルームとエリンギも加える。小麦粉を振り入れてバターで炒め合わせ、少量の水とローリエで蒸し煮。火が通ったら牛乳を加えてさっと煮込む。仕上げにたっぷりの生クリームを。
     ありきたりの材料で作ったごくシンプルなホワイトシチューだけれど、ハーブのおかげで苦手なミルク臭が軽減され、なおかつ野菜の旨味が引き立っている。我ながら会心の出来だった。
     だからこそ正直、熱々の状態で食べて欲しかった。だが、それは料理人のエゴだ。食べる方にだって、事情はあるのだ。


    「ごめんなさい……」
     そう呟いて、テンはしょんぼりと項垂れた。
     そんな顔されると俄然、申し訳なさがこみ上げてくるじゃないか……

    「謝ることないんだよ、テン。ほら、こっちを先に食べようか。まだほかほかだよ」

     紙ナプキンとアルミホイルで包んだバゲットは、まだ充分に温かい。切り込みに挟んだガーリックバター、がいい具合にとろけて染み込んでいる。
     付け合わせにと用意した、帆立とブロッコリー、コーンのバター醤油炒めのタッパーも開けた。もちろん、焼いた油揚げも添えてある。

    🍻
    全文はこちらで ↓ お願いします!
    回答『シチューと苦手料理』
    https://kakuyomu.jp/works/16816452220246177194/episodes/16816927862811583016

  • おはようございます♬
    先ほど投下しました。よろしくお願いします〜。

    🐹黒須友香

    突然だが、バトルである。

     といっても戦闘行為ではなく、さながら親が子を𠮟りつけているような場面なのだが。

    「なんやワレェ……ワイの料理が食えんのかぁ?」

     訂正。さながら「その筋」のモンが脅しをかけているようである。

     小さなローテーブルの上には、ほかほかと湯気を上げているホワイトシチューの皿。
     皿を挟んで睨み合うは、ひとりの金髪ヤンキー青年と、一匹のちっさいおっさんハムスター。

    🐹↓続きはこちら!
    https://kakuyomu.jp/works/16816927862423037971

  • こんにちは📞
    新キャラ登場です。こんなことしちゃって、回収できるかどうかは最後までわかりません。。
    皆さんに倣って、「つづきはコチラ」で行きたいと思います。

    📞 📞 📞
    この男、思慮の足りぬ子をあやすような言葉づかいは相変わらずよ喃。ぢゃが吾の見た目が童女である故むりからぬこと。おおめにみてやってよかろ。

    どこをどう勘違いしたのだか吾をツレなどと見なしておる節があるが、よくぞ思い上がれたものよの。なんと人とは浅はかなモノであるかな。まあ百年と生きられぬ身なればむりもあるまい。

    吾をツレという割には、うわ気ごころもあるようぢゃ。吾の居ぬ間にほかの者をこの舎に招じ入れたとはわかっておる。ではあるがいちいち咎めはすまい。
    おおかた打ち捨てられた犬猫のようにふるえる子供を放っておけなかったのであろ。そのこころ根、愛でたき哉。
    やはりこの男が福をさずけるに値するモノと観じた見立ては外れてはおらなんだようぢゃ。

    📞つづきはコチラ📞
    https://kakuyomu.jp/works/16816927862534372546

  • 💐☆涼月☆です

     よろしくお願いいたします。前半も改稿しております。後半部分をチラ見せ(笑)

    💐 💐 💐

     突然、目の前の光景に既視感を感じた。
     
     そういえば。前にもこんなことがあった。
     心の奥底に封印していた記憶が顔を出す。

     ……桜子。

     続きは
      ↓
    https://kakuyomu.jp/works/16816927862602812315/episodes/16816927862759776394

  • 春川晴人🌞です。よろしくお願いします。

    🌞 🌞 🌞

    「ごめん、やっぱりダメだ」

    彼は降参とばかりにスプーンを置いてしまった。きょうのために、にんじんもペースト状にしてバレないように作ったのだけれど、牛乳が苦手ということまでは考えていなかった。

    そう、前回のカレーの時は、牛乳使っていたのに食べてくれていたからだ。

    が、ちょっと待った。牛乳と生クリームは少量なら食べられるのだとしたら、問題はやっぱり?

    「においがダメなのかな?」

    彼は涙目になって頷いた。うん、わかった。じゃあなんとかしてみよう。

    レッツ・クッキング!!

    「玉ねぎは食べられるのかな?」

    うんと頷く。すでに玉ねぎ嫌いを前提として、玉ねぎもペースト状にして溶けこませてはいた。

    玉ねぎオッケー。次!!

    「牛肉と豚肉と鶏肉、どれが一番好き? あと、にんにく食べられる?」

    もうこうなったら意地になってくる。彼は、鶏肉と答えてからにんにく大丈夫だと教えてくれた。

    よし、牛乳のにおい消し作戦、スタート!!

    まずは別の鍋で大量にみじん切りした玉ねぎを飴色になるまで炒める。そこからスライスしたにんにくをわりと多目に炒める。いい色になった頃合いで鶏肉を炒める。すでにはがしていた鳥の皮の部分も炒めて、こうばしさをアピール。まぁ、これでビールでもありかもしれないけど。

    塩胡椒で味を整え、シチューの鍋にゆっくり投入。今回も、おいしくなーれ!! の魔法をかけた。

    「あれ? なんか牛乳のにおいがあまりしなくなった?」

    気がついたら彼が後ろにいた。

    「ちょっと味見してみる?」

    スプーンで一口分すくって、彼の口は運ぶ。その時、フーフーと息をかけ、冷ましてあげることも忘れない。

    「どうかな? 少しは食べられるようになったかな?」

    彼は目を輝かせておいしーっ!! と叫んだ。

    なにしろカレーの具材って余るのよ。そこにきてやっぱりシチューなのよ。

    彼が食べられそうなことを確認して、お皿に盛って渡すと、ここからまた味変のために、冷凍庫からエビを取り出す。そして今回は特別に!! カニ缶開けちゃうよっ!!

    そうしてエビとカニ缶もにんにくで炒めて、なかなか食の進まない彼のシチュー皿に投入。

    「うわっ。なんだかさっきよりもおいしくなった!!」

    そうでしょうよ、カニ缶使ったんだから。でも、彼のこの笑顔は買えない。

    「じゃ、食べようか?」

    あたしも席に座って、若干高級感にあふれるシチューを口にした。

    これは、完食の予感。

    おしまい

  • 🐤小烏 つむぎです。
    なかなか飯テロまでいけなくて、みなさんすごいです!

    今回も前半にも加筆しています。
    前半から読んでいただけると嬉しいです。↓

    ****************

    「旦那様。今日の『メニュー』は『白いシチュー』だよ!懐かしいだろう。」
    と彼女は私の座る椅子の脇に立って、胸を張り腰に手を当てた。

      日本の婦人はいや日本人は皆、キモノの襟元をゆったりと着ているので、そうやって胸を張ると、その、角度によると、目の置き所に困る時がある。本国イギリスの婦人方の襟元の詰まった服を見慣れている身としては、日本人のおおらかさは時として戸惑うことがある。

    https://kakuyomu.jp/works/16816927862577875744/episodes/16816927862742799986

  • ☆☆☆ 愛宕 ☆☆☆

     目の前にシチューが出された。
     シチューは苦手なんだよなぁ。子供の頃に食べたシチューに、美味しかった思い出が無いんだよ。友達はみんな「大好き」みたいなこと言ってたけど、俺には良さが全く分からなかった。
     しかし、今の俺は体が子供になっている。この体で関川くんの作ったシチューを食べたら、もしかしたらシチューの概念が変わるかもしれない。実は美味かった、なんてことになったらどうしよう?

     ところで俺は、ずっとこのままなのだろうか?

     誰かに刺されたわけでもなく、トラックに轢かれたわけでもない。目が覚めたら、何故か見知らぬ子供の体と同化していたのだ。こんな状況になって、いったい誰が得をするというのだ?
     無断欠勤をしている勤め先のことも気になる。俺の代わりを誰かがやってくれているとは思えない。とはいえ、ここがどこなのかも正確には分かっていない。分かっているのは、ここが日本の何処かだということくらいだ。

    「やっぱり食べれないかな? 昨日のモツ煮で良ければ残ってるから、そっちに変えてあげようか?」

     おっと、考え事をしていたら勘違いをされてしまった。モツ煮の方が好きだけど、今日はシチューにシーチュー(集中)いたします。
     とはいえ、苦手なものを口に入れるのは、どうしても躊躇してしまうものだ。一口分のシチューが盛られたスプーンの上には、程良いサイズの人参と大きめに刻まれた玉葱が乗っている。俺は目を閉じて、一気にパクッと放り込んだ。

     口にスプーンを入れたまま、俺は固まってしまった。
     そうきたか! これはいい。いいぞ!
     チーズの塩味が牛乳をかき消している。飲み込む直前でニンニクが口の中にガツンと広がるから、次も躊躇無く食べたくなってしまう。シチューのようで、シチューにあらず。これは、シュクメルリ(ジョージアという国の郷土料理)だ。

     関川くんの曇っていた表情が晴れやかになった。俺は最大の笑顔を作って、このシュクメルリが美味いことを無言で伝えた。
     ニンニクとチーズが主張してても、人参独特の土っぽい匂いや、ジャガイモのホクホクとした食感は死んでいない。この絶妙な味と匂いのバランスは、彼にしか引き出せない技と言えよう。

     俺は今、自然豊かなジョージアを旅している。
     北にロシア、東にアジア、西にヨーロッパ、南に中東という位置にあり、様々な地方の特性を含んだ料理が多いこの国は、日本人の口に合うものも多い。特にシュクメルリは、身も心も疲れた時に食べたいエナジーフードだ。これなら俺だって何杯でも食える。

     ――ごちそうさまでした。

     今日も言葉には出さず、両手を合わせてお辞儀した。
     どうなることかと思っていたが、予想以上のシチューを食べさせてもらったよ。関川くんの作るものなら、なんだって苦手な食材を克服できそうだ――。


  • 編集済

     🎐風鈴
     諸注意です! 
     えっと、この話、吹っ切れてます!w
     また、シャレのつもりで書いてますが、それも吹っ切れてますw
     苦手な方は、棄権してください!w
     

     ***
    「うん、美味しいよ、これ!」
    「そ、そうか!良かった!」

     しかし、よく見ると食べるのが遅い。
     っていうか、スプーンで掬うのが遅い。

    「おまえ、スプーンの使い方がヘタクソなのか?」
    「えっ、違うよ!だって、このシチューに浮かんでる青いの、パセリでしょ?」
    「正解だ!よくわかったな!」
    「いや、そんなのふつう、わかるでしょ?」

    「で、パセリがどうした?」
    「ぼくちん、苦手なんだよね、パセリ!」
    「なんだって!早く言えよ!じゃあ、それこっちに返せ。で、これ、パセリ無しな!」
    「ありがとう!なんか、ごめんなさい」

    「良いって事よ!オレもパセリ苦手だしさぁ」
    「えっ!!ズルイじゃん!自分だけパセリ無しって!」
    「いや、一応、これを散らすと見た目が綺麗じゃん。ちょっとオシャレだし!」

    「なんだよそれ!ぼくちんは、他にも、セロリでしょ、グリーンピースでしょ、ゴーヤでしょ、パクチーでしょ、まあ、そう言ったちょっとクセのあるのがダメなんだ」
    「おまえ、オレと似てるな。しかし、パクチーってのは最近の流行らしいが、オレは食べたことが無いんだよね」

    「パクチーってさあ、パクッと食べたら、鼻ちー(鼻血)が出たって事でパクチーって言うんだって!ぼくちんの、かーのじょ(彼女)が言ってた」
     ―――――こいつの彼女、いや、かーのじょ、上級者だ!シャレの上手い、オシャレな子かもしれん!

    「おまえ、なんで連れて来なかったんだ、その彼女、いや、かーのじょ!」
    「えっ??一緒に食べに来ても良いの?」
    「もちろんもっこりくんだ!」

     *
     こうして、数日後、彼女を伴い、ぼくちんがやって来た。

    「はいよ!本日はビーフシチューだ、このヤロメ!」
    「ラッキ~マウス~!良かったね、ぼくち~ん!」
    「うん、かーのじょ、ホント、今日はミッキーだね!」

     ――――かーのじょ、いきなりのラッキーマウスをかまして来よった!やりおるな!しかし、ぼくちん、ミッキーだねって、ちょっとヘタクソか!

    「おほん!ビーフシチューと掛けて!」
    「「ビーフシチューと掛けて?」」
    「本マグロの特上ニギリと解く!」
    「「そのココロは?」」

     ――――さあ、食らいやがれ!オレの会心のなぞかけだ!!

    「どちらも、トロットロ!…………」
    「「………………」」

     ――――外したっ?くっ!!この程度では、ニヤリともしねーのか?!

    「さ、さあ、食べてみて、良く煮込んであるから、トロットロだよ!」
    「わあ、美味しい!!」
    「ホント、美味しいね!!」

     ――――ああ、これは良い肉を使ってるし、煮込むこと半日!もう、噛まなくて良いからな、その肉は!しかし、今日はそこじゃねー!

    「ビーフシチューって何でそう言うのか、知ってるかい?」
    「なんで、なんで~~?」
     ――――おっ、食いついて来たな、かーのじょ!

    「それはな」
    「あの~~、美味しくて愛おしくて、ぎゅーとぎゅーとしちゃってからのチュー((*´з`))とか、モ~モ~、やだー、しあわせのチュー((*´з`))とか、まさかそんなのじゃないですよね~~」

     ――――バカやろー、コノヤロー!!それだよ、それ!

    「え、えっと、そだな、も、もちろんだ、えっと、お、美味しくて、うっしっしのチュー((*´з`))?」

    「……チューと半端、かな?ね?」
    「ね?でも、これ、ホントに美味しいよね!」

     ――――チューと半端、頂きました!!

    「はふーー!!美味しかったです~~!お腹がいっぱい、ムネおっぱい!」
    「ホント、ご馳走サマ乃介!」
    「……ああ、よろしゅうお上がりやすだけん!」

    「「ありがとうございました!また来ます!」」

    「モー、エエわ!!」

     チン(沈)!!

     *
     撃沈しましたw
     彼等は、何者なんでしょうか?
     いや、続きとか無いハズw

     了

  • 💎玖珂李奈

    全文はこちら
    『午前0時の食卓』
    https://kakuyomu.jp/works/16816927862450734712
    今回のエピソードはこちら
    (また長くなっちゃいましたごめんなさいぃぃぃ༼;´༎ຶ ۝ ༎ຶ༽)
    https://kakuyomu.jp/works/16816927862450734712/episodes/16816927862798978501

    なお、近況ノートに、今回のエピソードで出てきた「元カノのSNS」「それを読んで浮気相手が送ったLINE」を載せてみました。(ただのネタで本文の世界とは別物なので、見なくていいですよー)


    主人公:烈(れつ)
    ごはんを食べる少女:紅子(べにこ)
    主人公の元カノ:美奈(みな)


    【一部抜粋】

     紅子がシチューを口にする姿を凝視する。こんな風に見られていると食べにくいかもしれないけれど。
     すう、とシチューが彼女の口の中へ入っていく。
     白い喉が微かに動く。
     すると彼女はきょとんとした表情でスプーンを見つめた。

    「あらっ、牛乳のにおいはするのですけれども、においがしない、です」

  • 第一膳で登場した粗野な口調の方が再び……
    🍏🍏🍏

    ホワイトペッパーのほのかな辛みと、白い皿から立ち上るナツメグの甘い香気はミルクによく合っている。恐らく溶かし込まれたチーズが濃厚さに磨きをかけていて、コレはコレで美味い。
     が、私にはどこか物足りない。
     ああ、と六科が何処からともなく取り出した小さな竹筒を、テーブルの上にコンと置いた。青竹に彫り込まれた竜の文様が見事である。
    「なんだ、コレ。密書が入っているとか? ま、まさか……秘伝のレシピ!!」

    🍏🍏🍏

    いつもよりちょっと長めになっちゃったので、こちらには短めに。
    (どんな論理?)

  • クッ!
    一歩で遅れてしまったか!
    回答です。

    🍷🍷🍷

     タマはそれから慎重に、おっかなびっくり、スプーンの先をシチューにひたした……

     わたしは苦手料理を克服した若かりし頃の修行時代を思い出す。


    🍷🍷🍷


    「あらあら? もう果てたのかしら、関川くん?」

     わたしは師匠・逢生蒼(あおいあおい)に激しくシゴかれ、精も根も尽き果てていた。

     青息吐息で床に膝をつく。

    「も、もうこれ以上、できません」

    「ふぅん? 始めはイキりたった荒々しい雄だったのに、この程度でフニャフニャでヤワな役立たずになってしまったようね? この白濁液も薄くて美味しくないわ」


     逢生蒼(あおいあおい)は口元をハンカチで拭い、粗末なモノを見るような冷たさで鼻で笑うと部屋を後にしていった。

     わたしは羞恥心に身を震わせ、ひとり静かに嗚咽を漏らした。

     白濁液、わたしが丹精込めて作ったシチューを小馬鹿にされてしまうなんて!

     この夜、悔しさのあまり一睡もできずに枕を濡らした。

    🍷🍷🍷

    🍷出っぱなし

    続きはこちらです。

    『飯テロリスト関川様、ネコ耳を拾う』

    https://kakuyomu.jp/works/16816927862486888667/episodes/16816927862787751698


  • 編集済

    彼はそのまま白いご飯とクリームスープを口に運ぶ。

    「これは……クリームがご飯に合いますね」
    「そうでしょう」

     この一見すると、物静かな青年はひょんなことから知り合った大黒様の化身である。彼のご利益にあやかって料理店を始めて儲かりたいと考えているわたしは何とか家に居ついてもらおうと、先日から何度か食事をご馳走していた。

     今日の彼は緩めのカーゴパンツに白いコットンシャツを着て、その上に民族衣装風のカーディガンというエスニックな若者ファッションのような出で立ちだ。

     そして目の前の食卓に並んでいるのは、今度こそは気に入ってもらおうと私が腕によりをかけて作ったホワイトシチューである。

     市販のルーには頼らずミルクをたっぷり使い、ジャガイモと人参、玉ねぎに加えしめじと一緒にコンソメブイヨンでしっかり煮込んである。
      前回は牛肉を使って失敗したので、今回は鶏のもも肉を一口大に切って調理した。更に隠し味として卵黄とゴーダチーズ、ブラックペッパーを入れてあるのだ。

     わたし自身もシチューを口に入れる。
     とろりとしたクリームが具材に絡みつき、ジャガイモやニンジンを噛みしめれば柔らかく口の中でほどけていく。
     またチーズや卵黄でまろやかになっているのが鶏肉に実に合う。それでいて黒コショウが味をさらに引き立てる。

     今度こそは満足してもらえるだろう、と彼の様子を窺うと満足そうに目を細めて腹をなでていた。
    「これは本当に美味しかった。実に満足です」
    「そうでしょう。ところで、お願いがありまして。……あなたのお力でわたしを料理人として成功させてほしいのですが……」

     彼はわたしの言葉に快く頷いてくれる。
     
    「わかりました。私は台所の神様でもありますから……ふんっ!」

     目の前の青年が何かを念じるように目を閉じて力を込めるような声を上げると光が走り、わたしに何か力が宿ったような気がする。

    「おお。何だか感覚が冴えわたって優れたような感じが……?」
    「これであなたは料理の分量を絶対に間違えたりしません。火加減、味付けについても一度作ったものなら必ず再現できます」
    「あれ? 商売が上手くいくとか、料理の腕が上がるとかそういうのではなくて?」
    「は? だって料理が成功するようになりたいのでしょう? これであなたは作ろうとした料理が失敗することは今後ありませんよ?」

     それは大事なことかもしれないが、そもそも料理を客に出す前提として分量は仕込みの段階で間違えないようにしているのでほぼ失敗することは今までもなかったのだが。

    「それじゃあ、用は済んだようなのでこれで」
    「ああっ! 待って!」

     わたしはまたも目的を果たすことができなかったようだ。


    ❄️ ❄️ ❄️

    ❄️雪世明良です。よろしくお願いします。

  • 🌸悠木柚です。友達募集中!(子供かw)

     ・
     ・
     ・
    「いただきます」

    それから彼女は慎重に、スプーンの先をシチューにひたした……


     ◇


    拙い、この遅い動作は想定外だ。ああ、もう、ほら、銀のスプーンが黒く変色し始めた。

    「こ、これってまさか……」

    気付かれたか!

    依頼を受けて三ヶ月。そろそろ気を許してくれた頃だと思って仕掛けたが、時期尚早だったようだ。これまで仕事に失敗したことのない俺だが、その伝説も今日で終わる。

    「着色料使ってるの? しかも黒。これじゃホワイトシチューが台無しよ」

     彼女が思いのほかアホだった!

    「しかもこの色味、ウィルトンのアイシングブラックでしょ。炭末色素 10.0%、グリセリン 25%、寒天 0.5%、クエン酸 0.1%、クエン酸三ナトリウム0.1%、ソルビン酸カリウム 0.1%の。どうせなら国産の食用色素で、植物炭末色素 100%のものを使って欲しかったわ」

    アホだけどインテリだった!

    「ごめん、次からは気を付けるよ」

    次なんて無いけどな。

    「そうするべきね。ところでアナタ、どれくらい私のことを愛してるのか10文字以内で言ってごらんなさい」

    高飛車だけど、ことあるごとに自分への好意を確かめずにはいられない性格。自信満々に見えて実は誰よりも心配性。そんなところ、嫌いじゃなかったぜ。

    「狂おしいほどに」

    そして、殺したいほどに。



     fin