第2話 妹に恋心を入れ替えられた、義姉の思い。
俺を弄ぶ、美優が考えた、許嫁当番制などというふざけた行いを阻止するために恋歌さんと話し合い、止めてもらうことにしたのだ。
そして、俺の部屋に入って話をしようとしたら、
「悟吏!会いたかったぞ!」彼女が思いっきり抱き付いてきたのだ。
「恋歌さん、止めてください。その好きという気持ちは恋歌さんの思いでは無いんです。目を覚ましてください。」
俺は冷静に考えて欲しいと話したつもりだったが、
「幼かったあの時から、ずっと好きだった。なのに、なぜ!お前は私ではなく妹の美優の許嫁なんだ!」
(好きだという感情に支配されたみたいだ。ヤバいよね。話を聞いてくれないし、たぶん、その感情は妹のですって言っても信用してくれなさそう。)
「美優から聞きましたか?恋人を当番制にする話を?」
あのおふざけ制度について問いかけると、
「ああ、ようやく私にチャンスがやって来たのだ、明日はよろしく頼む。」
(はい?何を言っているの?恋歌さん。)
「恋歌さん!美優の悪ふざけを許すつもりですか?姉なら止めてください。」
「お前を弄ぶ、美優みたいな、女にお前は絶対渡さん!必ず、私を選べ、分かったな?」彼女は俺を手に入れるためにやる気満々だった。
ダメだよ。美優が悪いことをしている…でも、反対に好意の気持ちが正義感を煽って、彼女は冷静な判断が出来なくなっている。彼女は提案を受け入れて悪人の美優から、俺を救いだそうとしてくれている。
「でも、恋歌さんは優しいね。何だかんだで俺の心配をしてくれている。ありがとう、その気持ちは嬉しいです。」
俺は美優や純に無かった、恋歌に深い愛情を感じていた。
「分かっただろ!美優や純がどれだけお前の事を軽視しているかを。」
美優たちの悪ふざけな行いに怒りを見せていた。
「でも、恋歌さん。今は気持ちを抑えましょう。美優に弄ばれていますよ?」
俺は気持ちをちゃんと持って行動して行きましょうと彼女に話した。
「じゃあ、約束しろ!お前は私のモノになれ。じゃないと今から私は実力行使する。どうする?悟吏。」(実力行使とは?)
「それはお約束出来ません。あなたの気持ちが偽りだから、恋歌さんは美優に恋愛感情を入れ替えられただけ、俺の事は好きじゃ無いんですから…。」
俺は考え直すように言ったのだが、
「嫌だ!こんなに誰かを好きになれるなんて、この幸福感は最高だからな。もう、この気持ちは美優には絶対に返さない。毎日、お前の事を考えているだけで私は幸せなんだ。」
俺はストレートな告白に心を打たれてしまった。
俺はこの人を好きになれば幸せになれる。そう感じ始めた時に、
「お姉ちゃ~ん。私の許嫁に何をしているの?」
当然の事ながら快楽を求める、美優の邪魔が入る。
美優の登場に俺に抱き付いていた、恋歌は、
「今はまだ、試合開始じゃないな。勝負はフェアプレーで行こう。」
俺の拘束を解いて、そのあと美優に向かい、
「ふん!どちらにしても明日で勝負は決まるぞ!不誠実な人間に私が負けるわけ無い…この勝負、私の勝ちだ、美優。」
そう話すと、俺たちに帰るといい、そのまま家を出ていった。
美優は微笑みながら、
「勝負は明日からだと言うのに、フライングをした姉には、調整(罰)が必要だな。」ろくな事を考えていていない美優に向かって俺は、
「美優、意識の改変には協力しないよ?人を弄ぶのは止めてくれ。」
姉の気持ちを踏みにじる美優に対して俺が話すと、
「フェアプレーを心掛けるのなら、元に戻してスタートするから、信じて協力して?悟くん?」
その問いかけに。元に戻してくれるなら、喜んでと…。話すと、
俺の手を取り、意識改変の消去を念じているみたいだったすると、
「来たよ来たよ、……悟くん!大好き。」
人が変わったかのように俺に甘えてきた。
それからはずっと、美優は俺の事を好きだといい続けていた。
(本来の美優ってこんな女の子だったかな?でも、これで恋歌さんは元に戻ったんだよな?確認しよう。)
俺は恋歌さんに電話をした。
「なんだ!私はお前のために無駄な時間を使いたくない。用が無ければ、切るぞ。」(いつものキレる恋歌さんに戻っている。)
恋歌さんが元に戻ってくれていたので、俺はひと安心していた。
この時の俺は気付かなかった。美優が元に戻したのでは無く、日替わりの許嫁たちに自分の恋愛感情がおかしくなるよう、その感情をシェアしていた事に…。
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