第20話 人生の転機?

会議が行き詰まり、しばらく経つ。


「うーん。とりあえず今日はこれで終わりましょう。いつまでもここにいることがバレたら、私たちも危ないですし。


今日は解散ということで、各々で考えてまた明日、話し合いましょう」


サルバドールが会議の進行具合を見て、締めにかかる。


「そうだな。俺も地下の警備をしなくちゃなんねぇし」


「そうですね。そろそろマリアも戻ってくるかもしれないですしね」


「じゃあ、今日のところは解散ってことで」


全員が解散を受け入れる。


そしてみんなが帰っていく。


私はふと疑問に思い、マックに問いかける。


「あの、マックさん?」


「は、はい。なんですか?」


「え。あの。マックさんはどこに隠れるのかな~って」


「あ、そういうことね。いや~ここに来る途中、二階に良さげな食料庫があったからそこに隠れることにするよ」


「そうなんですね。急に呼び止めちゃってごめんなさい」


「いや~全然全然」


そしてみんなが一斉に帰っていった。


「ふぅ~」


深めのため息をつく。今日だけでいろんなことが起きた。疑問に思うことも含めて。


まず、朝にマリアが来なかった。


これだけだと、普通だが数ヶ月ここに閉じ込められていて、来なかったのは今日の一回だけだ。


そして、マックが急に入ってきた。


最初は名前も知らず、不審者が来たと思ったが、閉じ込められている身なのでそこまで恐怖に感じなかった。


話を聞くと警備隊長に会いたいらしく、その理由は片思いだった女性を警備隊長が殺していたこと。


しかしそれは勘違いで結局二人は元の中に戻った。


そして、警備隊長。


私たちの作戦の中でなんとか避けなければいけない人物がまさかの仲間になった。


これは相当な予想外だった。


マックの勘違いにサルバドールが気付いてくれたおかげだ。


脱出を手伝ってくれた時から本当にサルバドールさんには感謝しかない。


そしてマルクのこと。


これは私が少し精神が荒ぶってしまっていた。


しかしながら、これだけの月日が経っているのに、助けに来る気配を微塵も感じさせないのは少しショックだった。


正直ここに閉じ込められてからの最初は昔のようにマルクが助けてくれると思っていた。


しかし、現実は違った。ここで出会った新たな人生の登場人物。その人たちに助けてもらっている。


嫌気は全くない。なのになんだろう。このモヤモヤは。


私はマルクが好きだ。


それは分かっているのに、マルクが私に振り向いていない現実から目を背けるためにマルクのことが好きじゃないと、脳が騙してくる。


本当にいろんなことがあった。


希望の分疲れも溜まった。おそらく精神面がほとんどだろう。


「そろそろ寝ようかな」


私はゆっくりと眠りについた。

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