第39話

連日30度を超えている。そんな中、俺とアン子はアルバイトに連日精を出していた。


すみれは相変わらず冷えた屋敷で、カモミールティーを飲みながら観光図鑑を読んでいる。


そして時々ホットヨガで汗をながしている日々だった。


学校もそろそろ夏休みまでのカウントダウンが始まっていた。バイトもあって、授業中は半分寝ていた。


睡眠時間も確実に削られている。暑くて眠れない日もあった。


すみれからメッセージだ。


(こんどいつ3人で会える?)


アン子に聞かないと分からないので今は決められない。あとで返事するとだけメッセージしていた。


もうすぐ夏休みだ。アン子もぐったりしていた。俺の夏休みの勉強はラストに頑張る系、アン子はコツコツやる系、すみれは先に済ませる系だった。


放課後、アン子と相談して3人で会える日を吟味していた。


「この日とこの日があいてるのん」


「じゃあこっちにしようか」


日にちを決めてすみれにメッセージする。


「楽しみなんなー」


「おう、それだけのためにバイトしているわけだからな。1日、時間が過ぎるのが早すぎるぜ」


「アン子はバイト問題無しか?」


「問題無しなん!」


なによりだ。3人でファミレスに会う段取りを決めたので、バイトにも力が入る。


ネカフェは一定の客が来ているみたいなだったが、ブザーバックスの方は暑さのせいで大混雑だった。


俺は必死に次々とメニューをこなしていく。


今日は疲れた…さすがに店長から冷たい缶コーヒーをもらう。


「いいよ響介君。この具合で頼むわよ」


「はい、がんばります!」


今夜は3人で会う日だった。早速所定のコンビニで待ち合わせる。入ると2人はすでに席に着いている。


アン子だけパフェを食べていた。すみれは冷たいダイエットコークだ。


「おす」


「待ってたのん!」


俺はドリンクバーだけ頼んで涼しい店内に気持ちを良くしていた。


「やっともうすぐ夏休みね、パラオが近づいたってわけよ」


すみれは自信ありげにそう言った。


スケジュール決まったか?


「ええ。海で泳ぐ、ダイビング、花火、フルーツの詰め合わせ。その他サプライズも用意して、よりどりみどりよ!今回は3泊4日!もちろん護衛をつけるけど1人増やして3名。パスポートを取られる心配は無し!」


「おお花火!いいねえ。それって見る系?自分でやる系?」


「やる系よ」


「正直海でおよぐだけでテンションマックスだけどな!」


「ダイビングもいいわよ~。まあアン子は無理でしょうからパラソルにでもいなさい」


アン子はションボリした。


「大丈夫、海が透明だから、シュノーケリングだけでもすごいから!」


アン子は嬉しくて、久々に謎ダンスをしている。


「何それ、うけるんだけど!」


「夕方に着くから、1日目はディナークルーズに行くわよ」


「船で食事か?すごいな」


「あとはひたすら泳ぐだけ!最後の日に花火をしてパラオを後にするわけよ」


「いいねー」


「みんな問題ない?やりたい事があるなら聞くわよ。」


「異議なし!」


「のん!」


「もうすぐ夏休みねぇ~。早く終わんないかしら」


「先生の言葉なんて半分聞いてないぜ」


「わかる!」


しばらくして、3人はファミレスを後にした。すみれは車に乗り、アン子と俺は自転車で帰路についた。


楽しみだなぁ…。

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