第04話 食料調達

「食料はそれなりの量が見つかったからこの辺で戻るか」


「そっすね。道中モンスターいなくて良かったっすね」


「まーな。そんな遠くまで行ったわけじゃないけど、見た限りでは動物の巣とかはなさそうだったな」


「しっかし、見事に果物ばっかっすね」


「鑑定によると一応食えるらしいし、とりあえず今日はこれで我慢するしかないな」


「そうですねぇ。ま、ゼロからさまよってハラペコが回避できただけでも儲けものっすね」


「そうかもな」


「食べ物はとりあえず見つかって、水は先輩汁があるから良いとして、あと生活に必要なのはスマホっすかね」


「いきなり生活レベル上げたなオイ、火とかじゃねーのか文明に毒されすぎだろ」


「水が出せるんだから火とかも出せるんじゃないっすか?」


「お前は農民を何だと思ってるんだよ」


「農民は焼き畑農業とか野焼きとかするじゃないっすか」


「そんな都合の良いスキルがあるわけ……あったわ。なんかまた農民レベルが上がってスキルが生えてるんだが……」


「これで暖もとれますね。じゃあ、あと足りないのはスマホとエアコンとゲーム機っすね」


「増やすな増やすな文明の利器を。この森の中のどこに売ってんだよそんなもんが」


「じゃあ決まりっすね先輩、当面の目標はこの森を探索しながら街を探してみましょう。」


「そうだな。棍棒持って殴りかかってくる奴以外の友好的な相手を探そうぜ」


「この森にもそんな存在が居れば良いですけどね……」


「モンスターの跋扈するようなファンタジー世界だったら、エルフくらい居るかもな。とにかく早めに文明と接触して衣食住を充実させたいところだ」


「スマホやゲームはそれまでお預けっすね」


「そもそもスマホが手元にあったとして電波がないだろ。ゲームは……いまがゲームみたいな世界だと割り切って楽しむしかないな」


「おおーポジティブっすね先輩」


「そうでも考えなきゃやってられねーだろ。無人島で遭難してるようなもんだしよ。モンスターも襲ってくるしもしかしたらゲームじゃなくてホラー映画だったりしてな」


「うっ……そう聞くとちょっと不安になってきました。まぁモンスターは私が粉砕出来るんでホラー展開は無いと思いましょう」


「まーな。そこんとこは頼りにしてるわ。よろしくな」


「あいあい。先輩も水が出せますからね。人間は水だけあれば一週間は生きれますからね。私もちゃんと先輩を頼りにしてるっすよ」


「水だけで一週間ってそりゃほぼカリカリに飢えてるやつだろうが」


「げっ。そうなんすか?じゃあ食料は出来るだけ優先的に探しましょう」


「そうだな。あと人と接触出来たらうまい物食えるかもしれねーから、そっちも並行してな」


「うまいものっすか。まぁここの果物それなりに美味しいですけど、きっとそのうちトンカツとかラーメンとか食べたくなってくるっすね先輩」


「腹減るから無いものの話はよせって。あとは外国特有のうまい物とかあると良いな。ここがイギリスみたいな場所じゃない事を祈ってるぜ」


「イギリスの食文化に対する酷い風評被害っす」


「まぁそんなわけで、目下の課題は食料と探索だな。おっ、ちゃんと戻れた戻れた」


「農具小屋の場所っすね。壊れたりしてなくて良かったっす」


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