金木犀(金木犀の夜)

「突っ張り棒はどこですか。」


1日の会話が100円ショップの店員さんとのこの会話しかなかった日のことを思い出した。


朝から起きて、会社に行き、会社の人と話す。それも業務のことだけではない。今日の電車で面白かったこと、昨日のご飯のこと、休日の過ごし方まで。職場とは思えないほど笑うこともある。


家に帰ってから、どうしようもない寂しさを感じることも勉強をしなければという焦りのおかげか、なくなった。


もやっとした思いはご飯を食べるか、寝るかすればすっかり薄れる。夜、寝付けないこともない。執拗に返信を待つ自分も消えた。


これが独り者のあるべき姿なのだろうか。


期待も落ち込みもない。

でも、物語を書こうという思いもどこか遠くにいってしまった。


とても満たされているのに、少し寂しい。

これは金木犀の匂いが懐かしいことを思い出させるだけじゃないのかもしれない。


では今日の1曲。

きのこ帝国で『金木犀の夜』


試験が終わったらまた何かが変わるのでしょうか。満たされることのない自分が相変わらず不安です。

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