殺人事件
東雲綺狂
第1話 犯行の動機は、、、
殺人事件が起きた。
立入禁止のテープを跨ぎ現場となったアパートの一室に入る。
被害者は食卓の前で倒れていた。
鑑識の話によると被害者は長い鈍器のようなもので頭を殴打されたらしい。頭の損傷が激しいことから、被害者に対し強い怨恨があったことが分かっている。
しかし事件現場では部屋の鍵がどこもかかっていた。さらに近所にあるコンビニのカメラにも不審な人物は写っていなかった。密室事件だ。
数日後、犯人は被害者の部屋のレンジの上で逮捕された。
犯行動機を聞かれたフランスパンはこう答えたらしい。
「あいつだけは許せねかった。あいつは俺の弟のことを、食べやすく切り刻み、オーブンでこんがりと焼き上げ、挙句の果てにはたっぷりとバターまで塗りやがった。あいつは悪魔だよ。殺すのを楽しんでいた。鼻歌交じりで俺の弟を殺したんだ。何もしなければ次は俺だった。だから殺した。俺がしたのは正当防衛だ。俺は悪くない、俺は悪くない。」
殺人事件 東雲綺狂 @sakotaya
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