魔王様の下克上〜最強の勇者は辺境で静かに暮らしたい〜

あずま悠紀

第1話


「ふむ、今日も世界は平和じゃの」

1人寂しくそんな事を言いながらお茶を飲んでいたその女性は【アルヴィン】という女性である。彼女の名前は『アーシャリア』。長い金髪が特徴的だが今は白いローブを着ており髪を隠している為、パッと見にはわからない。

年齢は見た目から判断するなら30前半ぐらいであろうか?少しキツめの美人といった感じでありとても強いオーラを発していた。そして何より特徴的な事に彼女はエルフであった。

エルフといえば森に住む種族というイメージがあるが実は違うらしい。この世界での人間とエルフの違いは魔力を持っているかどうかという点だそうだ。つまり人間の中には稀にエルフよりも多くの魔力を持った者が生まれて来るらしくそういう者達のことを人間は魔族と呼んでいるようだ。

因みに私ことアルヴィン

「私は一応人間なんだけれどね〜」と言いたくなるような存在である。そう考えるとある意味人間というのは特殊な生き物なのだろうと思えるのだ。だって普通の人間がエルフ以上の魔力を持っていたら普通に怖いだろう?いや本当にマジで!それにエルフと違って身体能力も高いとか聞いた事があるしね〜 でも私はどう考えてもその辺に転がっている一般的な人間の範疇に入る存在だし、特別な訓練をしたわけでもないんだよね。だから私は自分が何故強いのかなんてよくわかってなかったりするんだよなぁ さてと、ここでちょっとした説明タイムに入ろうかなと思うのだが聞いて欲しい。実は最近、私はこの世界の管理を任されたのだよ!!凄いだろ?

「まあ別に私としては仕事さえ貰えれば文句はないんだけどね〜」とは思うものの流石に任せられた時は困ってしまったものである。

そもそもどうしてこんな状況になったのかと言えばそれは今から100年ほど前の事になるのだけど当時の私はまだ子供だった。なので詳しい事は覚えていないんだけど、確か私が7歳ぐらいの頃だろうか。いきなり見知らぬおっさんが私の前に来てこう言ったんたんだ。

「突然現れて済まない。君は私の事をどう思う?」ってね。当時は一体どういう事なのかさっぱりわかんなくて怖くて泣いてしまった記憶があるよ。でもその後おっさんは慌てふためき謝り倒して私をあやしてくれていたのをよく覚えてる。それで私は落ち着きを取り戻した後改めてその男の人と対面

「君の名前はアルヴィンっていう名前なんですね?」と確認するように言って来た。そして次に彼は真剣な顔をしながら自分の話を始めた。それが今の私の管理を任されてしまった原因となった彼の過去なのだけどね。それを聞いて私はかなり困惑してしまった。

なんでも彼には前世の魂の記憶があったらしく、その時の人格がそのまま生まれて来たみたいなんだよね〜。まあそのせいで元々あった性格やら考え方が完全に崩壊してしまったらしく彼は色々と苦労していたみたい。そしてそんな彼を見かねた神と名乗る人物が彼を保護してくれたそうなんだがそこから先は彼の精神面の成長と共にゆっくりと元の彼に戻していったようで今はもう完全に問題無いっぽい。

ただそれでも彼は自分の中にある力の大きさに悩んでいるようだった。本来神様

「貴方は普通の人として生活して欲しいんですけどね〜」と何度も念押しされたほどだし、多分相当な物なんだろうね ちなみにこの世界で管理している世界というのがありそこで生活している人々も当然いるんだけどね。彼等はその世界で産まれて生きて来た存在だから当然寿命もこちらとは違うし能力にも違いがある。でもこの世界から見ればその人達も同じ世界の生物ではあるんだけど何故か同じではないんだよね 正直不思議で仕方がないがそういうルールになってるらしい。なので私もこの世界を生きている以上、彼らと同じ種族として存在しているのだと思う事にしている でまぁ

「今日は何をしましょうかね〜っと♪」私はそう言いながら空を見上げた 実は現在進行形で仕事中である。でも仕事内容は単純作業でやる事が多い為暇な時間はこうして考え事ができるのだ。そう考えるとあり難い話であると思う。ただ仕事をしなければ食事もできないのだからやはりそこは割り切って行かないといけない。私はその為には何でもすると決めている。だって生きる為にはお金が必要だもんね

「よし、じゃあ今日はこれで行こう!」私は今日の仕事の内容が決まった為、すぐに取り掛かった ◆□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ こんにちわ。俺の名は『ゼク』

年齢は20代前半だ

「いやぁそれにしても今回の魔王様はよく働くお方で本当に助かりますよ」そんな風に言っているのは今回初めて部下になる事になった奴だ。こいつの名前は確かリザートマンだったっけ?この辺にいる連中の中ではそこそこの強さを誇る種族だったはずだ。確かこいつの部族は他の部族のボスであるこの男に服従していたんじゃなかったか?そう考えるならこいつも相当偉いんじゃないのか?まあいい

「で?次はどこに向えばいいんだ?」俺は次の場所を聞くべく問いかけた

「いえ今回はここで結構ですよ」と言ってきた。何?もう帰るつもりか?随分早いな だがそう思ったのはこの瞬間までであった事を

「では魔王様お願いします」

「おうよ!任せておけい!いくぜ!!【召喚】

我が元に現れし者共!!」私が声を上げると空間に亀裂が入りその隙間に光が灯ったと思ったら一気に弾けたんだ。そして光の中からは続々と異形の存在達が現れた

『キャアアーー!!』怪物達は甲高い声で叫び出した

『キシャアアアッ』

『ギャッ』『グゲエッ!』

「おいお前ら少し黙らんかい!!! うるさくてたまらんぞ!!! 静かにせんとまた喰ってしまうど!??」私が大声を出すとようやく静かになったようだ この辺一体を支配している私の言う事がわかるのだから賢い子ばかりだ。さてそれじゃあ早速始めるとしましょうかね。まず最初はあの辺かな?

「さてと、じゃあさっき頼んでおいた通りよろしく頼むな? しっかりやってくれた者にはちゃんと褒美を取らせるから楽しみにしておいて欲しい」そう告げた後私は仕事に取り掛かることにした さあ始めますかね〜 どうもどうも 私の名前はアルビンと言いまして、最近この世界の管理者を任されるようになった新米

「な訳ないでしょうが!!!!」って感じだよなぁ でも本当なんだよなぁ 私に与えられたこの力は確かに強いんだけど私自身が強いわけではないしそもそも私より圧倒的に格上の存在がゴロゴロいるのが現実だ。

なので私は必死になって勉強したし鍛える事も怠らなかった。私のような弱い存在でも戦って生き残る事が出来るようにね。だって私は人間だ。もし私が殺されればこの世界はどうなると思う?それはわからない。けど私の力が消えた後、誰かが代わりを担うのかもしれないしこのまま放置される可能性もある。だから少しでも長く生きられるようにする為、私は強くなる必要があったんだ そして私はこの世界の管理者という仕事をこなす為に様々な事をした。まずは自分の

「知識」

そして

「力」を手に入れるために行動を開始した まず私は前世で持っていた記憶を全て忘れる事にした というのも

「私の前世が異世界の日本と呼ばれる所から来た事、そしてそこでの生活の記憶を他の者達に伝えてもあまり意味がない」と判断したからだ それに

「この世界の管理を任されたという事は恐らくこの世界の成り立ちとかを知っているのであろう。それなのにそんな者が別世界の人間ですと言えば色々とややこしくなるに違いない。だからそれは止めて置いた方が良いと判断する」ってなわけさ。だってこの世界で生まれ育った者はこの世界で生きる事に慣れてしまっているからわざわざ前世の事なんて教えたくない。私の場合はたまたま転生とかしてしまっただけなんだからね。それに私が管理

「この世界は今、危機的状況にあるらしいんだよねぇ〜。それで私の所に管理を任せたいって話が来たわけなんだけれどね。まあその話を受けた理由は他にもあるんだけれど、それは今は良いや。とにかく今は

「強くなれる手段を探しながら仕事をする事に集中しようと思う」そう思いつつ私は今日を生きていた そしてあれから約3ヶ月が過ぎたある日、私は1人の男と出会う事になる。そう彼こそがこれから私の人生を大きく変える人物

『勇者』その人だったのだ

「今日はここまでにしましょうかね。皆ありがとうございました」

「うぃ〜」

「ふむ、今日も良い訓練だったのぅ」

俺の名は【リゼルド】

「リゼルド殿の槍捌きは相変わらず見事なものですな。是非我流ではなく正式に学んだ方がいいのではないでしょうか?」そんな事を言ってきたのはエルフの国で騎士長を務めているエルフの青年 【ガルード エルフ族 エルフの騎士長をしている。剣の扱いに長けており、その腕は王国の中でも上位に入ると言われている程の使い手。普段は冷静沈着であるが戦闘になると好戦的な一面を見せる時がある。ちなみに彼は私の娘の護衛を任されていたりする。ちなみに彼の娘の父親は私の友人でもあり、彼から娘さんと私の娘が友人であるという話を聞き、私自身も彼の人柄に惚れ、今では仲良くさせて貰っている間柄なのだ 彼は私の槍術を見て、私の技術

「我流で戦うのが自分にとって一番合っているんですよ」と言うとその言葉を信じてくれたようでそれ以上は何も言って来なくなった 彼は見た目は金髪の爽やかなイケメンで性格の方はとても優しい。しかもとても真面目な性格であり責任感が強い。そんな彼は私のことを気にかけてくれる為、私は彼には頭が上がらず感謝して止まないという関係でもある。そして彼は私の数少ない友人の内の1人であり

「そう言えば今日は娘はどうしているんだ?」と彼に問いかけると彼は「今日はアルヴィン様の所で仕事をされていると思いますよ。なんでもお2人は親友同士だとか。なのでよく一緒にお茶をして談笑なさっていますよ。なんでも今日のお菓子は彼女の手作りだったりするようですね」

「おお!それはいい話を聞いた! よし、今日はこれが終わったらすぐに家に帰ろう!」私はそう言い急いで片付け始めた ◆□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

『勇者』それがこの世界で私の称号となった物だ。正直私は自分の称号についてはあまり興味がなく正直どうでもいいとさえ思えている 何故ならそんな物に興味など無いから。だから『この世界の魔王を倒してくれ』という願いが叶った以上

「後はこの世界で好きに生きていく事にしましょうかね〜」と呑気に考えていたのだが、しかしそんな考えはすぐに消え去ってしまった。何故かと言うと私は現在その世界とは別の世界で生活していたから

「まあ別に構わないんですけどね〜っと。とりあえずさっさとこの世界から抜け出すとしましょうか」と言ってもそう簡単にこの世界から出る事は出来ない 実は私はこちらの世界に居座る際にこちらの世界に縛られたらしく

「まあその代償としてこちらの世界の時間を止める能力を与えられたみたいなんですけど」まあ正直に言うならば

「どうでも良すぎて何も感じないよね」と私は思ってたりする 私は現在ある国の王として生きているのだけど実はこれ全て偽物である。本当の王は現在

「この城の中にいるんですけどねぇ〜っと思いつつもその王が住んでいる部屋の扉の前にいる

「いやぁ〜それにしても久しぶりだね?『魔王様』いやいや懐かしいなぁ本当に あの時は驚いたよまさか君が再びここに戻ってくるとはね 本当にびっくりだよね〜」私が部屋に入るとそこには以前私がお世話になった事のある方がいた

「いえいえ私としては貴方こそまだ生きていられましたか といった気持ちなんですけど。というかもうとっくに死んでいると思ってたんですよ?」

「いや〜それ酷いな〜。私これでも君のこと気に入ってたんだからね?」

そう言い彼女は私の事を抱きしめて来た

「ちょっ、いきなり何をするんですか!!というか離れなさい!!」と私が叫ぶと「あら残念♪じゃあまた会える時までお別れにキスをと思ったんだけどやっぱり駄目?」と首を傾げながら聞いて来た 全く この方は何を考えているのかわからないんだから。と内心では呆れていたが「仕方ありませんね〜。まあまた会う事もあるかもしれませんしその時はちゃんと許可取ってくださいよ?でないとお返ししますよ?私なりのお返しを」そう言った すると「うわーこわいこわい」と言って私の身体から離れていった そしてそのまま私はその方に問いかける事にしました

「ところで魔王様 貴方がこの世界の管理を任されたというのは事実なんですか? まあその可能性は十分にあるでしょうが。それで魔王様は一体この世界に何を望んでいらっしゃられるのでしょう?」私は彼女がどう答えてくるのかを待った

「そうだな。まずはこの世界を良くしたいと考えている。今のままの状態ではこの世界の未来はないからな。だがそれは私の役目ではない」と魔王様に言われた

「じゃあ誰がするべき事だと言うんだ?」と聞くと

「勇者」そう返された「ん?それはどういう意味なのかな?」私は不思議に思った為 質問した「君は今の現状を見た場合この世界の民達をどう思うかね? 例えばそう、魔物に襲われてる村の人々がいる。助けてあげたいと思わないかね? それともそれは無駄なことだと考えているのかな? それとも自分達だけで対処できると思っているのかな?もし前者の場合

「私に任せてみないか?きっと私が何とかしよう」と提案してくる筈だろう。そして後者は

「この世界の人々は弱くて脆くて弱い。だからこそもっと強くならねばならない。

そして私が守ってやらないと。この世界を滅ぼさせない為にも 私はこの世界を救う必要があるのだよ。その為にも 君の協力が欲しい」

そう告げてきたのであった ◆□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ どうもどうも 俺の名は『ルヴィン』

種族は『魔人族』だ そして今は

「この世界を救おうとしているのだよ。だから君にはこの世界の住人の力を底上げして欲しい。そうしてくれれば私の力が戻るまではなんとかこの世界の均衡を守る事が出来ると思うんだ。それに今この国では勇者召喚が行われているんだ。そこで私の代わりとなる者が生まれてもおかしくは無い 私はその者達を見極めなければならないのでな」私はそんな風に頼まれてしまった為、私は今、この世界の各地を回って力を与えて回っている

「しかし、こんな事をして何か意味があるのかね?そもそもこの世界の人間がいくら束になってかかろうと、私1人で十分に対処可能だとは思うのだけれどな」私はその考えのもと行動していたが、やはり私のこの世界の者達に対する評価は変わらなかった そんな事を考えていた時に

「貴様か、我の邪魔をする奴は。この我が直々に相手をしてやる。ありがたく思え。我こそが真なる魔王。お前のような下等な生物が触れていい存在では決してないのだ。さてさて、この世界を滅ぼす為に、お前の力、頂こうではないか」と偉そうな男が言ってきた この世界は今 【邪神の侵攻】を受けている状態なんだよねぇ〜。そして私はそんな馬鹿な話があるかい。そんなふざけた理由で世界を終わらせるつもりなのかな。まあいいか。とにかく

「私の仕事を増やさないようにここで退場願おう」と私も戦いを始めたのだが正直な所、相手は大

「雑魚ですね」そう私は呟いた「はっ! 口だけは回るようだな」とそいつは言ってきたのだけど私は

「はいはい。じゃあこれで終わらせますね。【聖槍】」と言った。この技はただ光を放つだけなんだけどそれを敵に放つとどんな防御障壁を張られていようと関係なく、その全てを消し飛ばす。そんな能力を持っている。なので私は敵に向かって 【光の槍】を射出して終わりにした。

「く、クソぉお!!!! 我は、我はまだ、死ぬわけにゃいかないんだよぉ!だって我にはまだ まだやるべき事があるんだぁ!」

そんな言葉を残しつつそいつも消え

「さようならです」私はそう言いながらその場を離れた。そしてその男は消え去ったのである ◆□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 私の名前は『エアリス』

私はとある貴族の娘でとても優秀な騎士でもあるのです。そして今日も訓練の為に鍛錬場へと来ていたのですよ

「しかし最近平和すぎるんですよね。まあ魔王も復活したという話も聞きましたし、この国は大丈夫だと思いたいのですけど」そんな事を考えているとふと私の目に映る光景

「あの人は誰でしょうか? 見たことがないのにどうしてあんなに綺麗に動けるんですか? しかもあれは魔法を使っているんですか? 凄すぎじゃないですか」と驚きつつも目を輝かせていた そして私はすぐに彼女に声をかける為に近づき声をかけた

「すみませんがお嬢さん少しいいですか?」

「ええ構いませんよ。それで貴方はどなたなのですか?」と言われましたが「ああ失礼。自己紹介がまだでしたね。私はエアルと言いまして一応、王国の騎士団長を務めているんですよ。なのでお名前を聞いておきたかったものですからね。ところで貴方の名前を聞かせて貰っても良いですかね?」と聞くと「私の事はご存知ないんですか?」と逆に問われたので、「すいませんね。私はまだまだ王国について疎くて、良ければ教えて頂いて良いですか?」と尋ねると彼女は

「私はアルヴィーと申します。どうか気軽に呼んで下さい」

と言ってきました。

「じゃあ私も気軽に呼びましょうかね。私の事も気兼ね無く『エアル』と呼び捨てて構わないので」そう言ってお互いに笑い

「よろしくお願いしますね」と握手を交わすのだった そしてその日私は彼女との交流を深めていく事になった。その時間は楽しくもあり有意義なものとなった。それから私達は色々な会話をして親交を深めることが出来た。だが楽しい時間という物は一瞬で終わってしまうもので、私は彼女の手を引いて走り出した。何故かと言うと

「おい!! この女を渡してもらおうじゃないか!!」と言って男達が現れたからである。だが彼らは

「はぁ〜。あんたらみたいな屑どもに私達がやられるなんてありえないんだけど。というかさっさと帰れよ。お前らの相手している暇は無いんだよ」と私達の前にいる女性の声を聞いた瞬間に私は驚いてしまい

「へぇ〜?貴方達の仲間ですか?」

と聞いたら違うと言われた。というか「お前らに話すことは何も無いんだよ!!大人しくその子を置いて行けよ」と言っていた だが私はそんな事を聞く気は一切なかった だから

「それは出来ませんね。私は私の大切な人を絶対に守り抜く。たとえ相手が誰でも関係ないんですよ。それに私の大切な人の顔を見てそんな事を言える貴方達に渡せるものか。それに 私は今とても怒っているんだ。その感情を抑えきれないぐらいにね。悪いけど貴方達には消えてもらうしかない。じゃあさよならだ。死ね!!」そう言った後 私はすぐに行動を開始した

「まあ待ってくれ!! 頼む 金はやるから」とかほざいて来るので無視 そして私はそいつを切り捨ててから残りの4人も斬殺していった そして

「もうこの国にはいられない。逃げるぞ」と彼女に告げて、私はすぐさま王都を抜け出して隣国まで逃げ切った そしてその国を治めている

「私と結婚して欲しい」

そう言った後私は頭を下げ プロポーズをした ◆□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 俺の名前は『ルヴィン』。魔王であり勇者である 今は訳あって この世界を救いに来ているところなのだが

「全くこの世界は酷いものだ。なんせこの私が出向く必要があるほどの事態になっているのだからな」

私は目の前に現れた魔獣と相対しながらそう呟いていた すると魔人が

「何故魔王がこんなところに?いやまあ今はそんなことどうでもいいか。さあ覚悟してもらおうかな。この私 魔人族の族長 バルザードによって貴様のその首を跳ねさせてくれよう」そう言い放ち攻撃してきた

「まあいい。まずは私が直々に手を下してやろう」と私は言って戦闘を開始し 結果としては私が勝利し、その後魔人はこう言った

「魔王様。私は負けてしまいました。なのでこの命、あなた様に捧げたいと思います。ですので、どうか私を使ってください。この国を滅ぼしてくだされば幸いです」とそう言い始めた。なので 私はこいつに命令を下すと、嬉しそうにして

「承知致しました。魔王様の御心のままに。では早速取り掛からせていただきます。この世界の全てを我が物に」そう言うと同時に魔族はこの場から去っていった そして数日後、世界は魔族による支配を受けようとしていた

「この世界は我らのモノだぁ! 人間どもよ! 我に従い尽くせよ!」魔族が高々と宣言して世界を蹂躙し始めた そんな様子を見ながら俺は呟いた

「やはりな」と 私はとある村にいた この世界

「アルデバラン」の村は私が住む村でこの辺り一帯を管理してるのよね。まあだからこの世界で起こる事件に対しては基本的に対処は私の仕事になるんだけど さっきまで私達はとある洞窟に封印されていたらしい化け物と遭遇 そしてその封印された怪物を解放させる為に動いて来た連中と戦っている真っ最中なのだけど正直この世界の人間がどれだけ束になってかかろうと私には関係無い話なんだけれどなぁ。でも仕方がない この世界の人間は私の事をまるで恐れていないのがその理由でもある。そして

「さすがですね。魔王。貴方が来てくれたお陰で助かりました」そう言われてしまった

「いえ、気にしないで頂きたい。困った時はお互い様なんですからね」

私は笑顔で答えた。そんな事を話していられたのも少しの間だった。なぜなら急に空に魔法陣が現れそこから何か巨大なものが落下して来て地面に激突し、大きな音と共に砂煙を巻き上げ視界を奪ってしまったのだ そんな状況で私はとりあえずその正体を確かめるべく私はその場所に向かって歩いて行った そしてその現場に到着した時に目にしたのは この世界に存在しないはずの兵器群 そしてそれを前にして、今まさに攻撃を受けそうになっていた人々の姿と、その人たちを守ろうとしている1人の女性がそこにはいた。私はすぐに

「間に合え」と思いながら【空間移動】の魔法を行使した そして私は今その女性の前にいる

「大丈夫かい?」

私は彼女に優しく声をかけた。すると彼女がこちらを向いたので改めて彼女の姿を見てみると、その姿は非常に美しいものだった。髪の色は銀髪に金のメッシュが入り非常に目を引くものになっており更に容姿に関してはかなり整っており綺麗と可愛いの両方を併せ持つ絶世の美女といったところだろう しかし今はそれについて考えている余裕は無い さて私はこれからこいつらとどう向き合うべきかを考えなくてはならないからね ◆□■□■□

「魔王かぁ〜、私と同じかそれ以上の強さを持つって聞いてるんだよねぇ〜」と彼女は呟くと、私は少しだけ驚いた そして彼女は突然私に向けて攻撃を仕掛けてきたのである しかし、彼女はその剣筋を見る限り明らかに私の力を見極めるつもりだった その為 私は彼女から放たれた攻撃を全て弾き飛ばした その光景を見た彼女は

「うっそ!?今ので倒せないってマジぃ?」と焦りを見せていた 私は「まあそういう事ですよ」と言って さらに追撃を行う だが彼女もそれに反応し、反撃を行いつつ後退し、距離を取って体勢を立て直すと今度は私の事を睨みつけながら

「私の全力の一撃を耐え切った相手なんか今までいなかったんだけどぉ。これは本当に油断出来ないかもねぇ」

と言ってくると私は少し疑問が湧いて出た 確かに私は強いとは思うけど、彼女の本気の一撃を受けて生きている奴が今までいなかったのか?いやそれどころか私以上の強さを持っている存在がいるのか?もしかしたら私はまだ強くなっている可能性もあるが現状で考えるとそれはあり得ないと思うんだよな。ならば一体

「おいお前、私と同等かそれ以上の力を持つ者が他にいるか?もしくはお前以上の実力を持った者が存在するのか?」私は質問を投げかけた

「うんん〜?何言ってるんだろう。私はそんな人は知らないよ?」と答えたので やっぱりそうなるか 私は思ったことを全て言葉にして伝え、彼女も同じ返答をした

「つまり 私は現時点では最強って事か?」と聞いたところ

「そうだよ。貴方の力を甘く見てたのは認めるよ。ごめんなさい。でもここからは本気で戦うよ」そう言うといきなり彼女は動き出した

「速いな」私はその速度を見てそう口にしたのだが、実際そこまで速くはない ただその速度は私からすれば充分に脅威と呼べるだけの速度で動いているだけだからだ。それに彼女の攻撃を弾いたり避けたりしながら彼女の攻撃を観察している内にわかった事が一つあった 私は彼女の攻撃に込められているであろう感情を読み取り理解する能力があるらしく相手の感情を感じ取れるのだが、それが発動した際に感じ取ったものは純粋な闘争本能だけだった その事実は彼女の力が本物であるという証明にはなりえるものだがそれでも私は彼女をどうにか出来ると考えていた。理由は この程度なら問題

「という訳だ。これでわかってもらえたか」と私は言った。そう言った後、先ほどまで戦闘を繰り広げていた相手である彼女に私が持つ『聖剣エクスカリバー』を鞘に収めたままの状態から抜刀する事により発生した衝撃波だけで戦闘不能状態にしてしまった その結果 この場には私以外に立っている者の姿がなくなっていた ちなみに今回の戦いに参加していない人達についてはこの世界に存在する人間の中でもトップクラスの実力者達であり私達の戦いの巻き添えにならないように事前に遠くへ離れてもらい戦いが終わった段階で迎えに来てくれる手筈となっている だからもうここには敵はいないはずだ そう思って安心していたら後ろの方で

「あの人何て人なの」と誰かに話しかけるようにして呟いている

「ああ私の名前は魔王 ルビンだ。この世界には最近来たばかりでよくわかっていない事も多くある。だからこの世界の事についても詳しく知りたいと思っている。だから

「魔王さん!!私はあなたに興味があります。是非ともこの世界を案内させて下さい。あなたと一緒に行動することでもっとこの世界の事を知ることが出来ると思います。お願い出来ませんでしょうか」と彼女が言って来たので私はそれに了承すると彼女は嬉しそうに

「やったー!!よろしくお願いしますね。じゃあさっきの戦闘は終わりですしとりあえずは一緒に行きましょう」そう言ったのである ◆□■□■□ 俺は『ルビド』。魔王の側近である。そして今は目の前にいる

「アルヴィン」と呼ばれる魔王の護衛としてここに来ているのだ。そして今 その魔王様が魔王様の眷属であるリザードマンを倒したのである そんなこんながありながら俺たち一行は今、世界で一番大きいと言われている王国

「レイジ王国」の都に辿り着いていた。そしてそこで俺と魔王様の二人は衝撃的な場面に遭遇してしまう事になるのだった そうそれは

「おい! 早く金を用意しろ」と、偉そうな態度を取り命令をしている男が居たのである。

その男の年齢はおそらく40前後と思われる男だった まあそれは置いておくにしても、まずはどうしてあんな事をしているかが問題だよな

「ねえ君、あれどういう状況なんだい」と 俺は

「あそこにいる男性 見た目はかなりいい歳に見えるし、もしかしてどこかの貴族の息子かな? だったとしたらいいなぁ。いや 貴族でなくともそれなりに身分のある家の長男とかだと尚嬉しいんだけど」と思っていた事を口に出し そして魔王様はと言うと、その答えに納得し

「あ〜確かに。あいつ結構イケメンだもんね。しかも金持ちだし、もしそうだとしたらとっても面白い展開になりそう」

「そうですよね! 絶対そうですよね!」と言い合っていたのである そして

「すみませぇ〜ん。ちょっとよろしいですかぁ?」とアルヴィンが言いながら さっさと近づいていき声をかけた

「はあ!?なんだよテメェらは」その言葉に対してアルヴィは笑顔のまま

「私達の話聞いていましたよねぇ。それで今貴方が何をしていたかって事も私達は知っています。その事を考えてみた結果

「あ〜はいはい。そういう事ね」と勝手に自己解決した後で

「さっきのアレ 見ましたよぉ〜」と軽い口調で言う それに対して相手は「なんだお前は!ふざけてんのか?おい 衛兵こいつの首根っこ引っ張って牢屋にぶち込んでおけ。そしてこいつが持っていた金を全部よこせ」

そう命令すると

「いえ そういう事でしたらこの場では私が対処しても宜しかったのですが、ここは一応王城の前なので流石に手を出すと面倒なことになりますからね」

と冷静な判断をするのであった するとその対応をされたその男性は少し不満気ではあったが、「チッ、好きにしろ。ただ覚えといて損はないぞ。お前みたいなガキはすぐに痛めつけられるって事をな」と言った そんな会話を聞いていた 私は

「なんでこの人 そんな事言えるんだろう?」と疑問を抱いていた。なぜならその発言は完全にこの人にとってデメリットでしかないと思えるからである そんな風に思っていたので私は「貴方は一体誰なのか教えてもらえないかな?」とその人に聞いてみるとその人が答えるより先に相手が

「ふん 誰が教えるものか」と吐き捨てるとそのままその場から去って行ってしまった 私は

「え?もしかして本当にあの人は誰かわからないで、あんなことしてたのか? まあいいか。それよりさっきの男性の発言を考えるとやはり 王族関係かそれとも貴族関係のどちらかである可能性はあるよな。もしかしたらどっちにも当てはまってしまう可能性もあるかもしれないから気をつけないと。まあその為にはまずは城に入って情報を集めなくてはね」

そんな事を考え、私たちは 城に入場する為の手続きをするために城に向かって行ったのである ◆□■□■□ そして

「ここがレイジ王国かぁ。私の想像していた通りの雰囲気の街なんだよねぇ。活気があって賑やか。悪くはないねぇ」

「まあ 確かに そうかもしれませんね。でもこれからどうしましょうかね」

「ん?何かしたい事があるのかい?」と聞くと

「特に無いですよ。でもまあ取り敢えず冒険者登録をしにギルドに行ってもいいかもですね。そこら辺の事について詳しく調べられると思うんですよ」

「成る程。その考えは正しいかもだねぇ。それならギルドの場所をまずは把握しないといけないねぇ」と言いながら 私は歩き始めた その後に続いてアルビンと私の配下の者もついてきたのであった そういえば名前を聞いてなかったな。と思いながらその事を問いかけたところその人は名前を『アル』と名乗っていた そしてしばらく歩くこと10分ぐらいでギルドらしき建物が見えた

「おっ。これは当たりっぽいよ」と私は呟いた。

だってそこには「ギルド」の看板が掛かっているのだからね ◆□■□■□

「おいおい また来やがったのか?お前もしつこい奴だな。おい! 早くそいつの首を引っ込ませておけ。そしてお前達2人で何とかしてみろ。ただしお前らの実力がこの前の奴と同じ程度まで上がらない限りは俺の前に姿を現すのは許さない。それとお前ら二人に依頼をしておく。もしもの時の為に準備だけはしっかり整えておけよ。分かったか?」そう言い残してから去っていく この一連の流れはいつものことだ。だから僕はため息を一つだけついて「はい。わかりました。」と答えて仕事に取り掛かることにした その日も私は ギルドマスターの命令で仕事をしていた 私の仕事内容は「新人の教育」でありその内容は至極簡単であり、簡単に説明するならば

「この国の人間と友好的な関係を築こうとしている者達を害そうと目論む輩が現れ それを始末し その証拠を確保 もしくは破壊すること」であり、今回私は

「レイド国で暗躍する組織『ダークエルフ』の幹部である」と名乗る人物を見つけ出す為にこの国に訪れていたのである しかし私と相棒の二人がかりでもこの組織の幹部を見つける事は出来ていなかった そして現在私ともう一人の部下は任務の最中、たまたま出会した『魔獣』を相手にして戦闘をおこなっていた そう戦闘をしている真っ最中である。私達二人で協力して『オーガー』と呼ばれる二足歩行の化け物を倒すところまでは上手くいった。しかしその後

「まさかここまで強い相手が現れるなんてな。だがもうこれで終わりだ」と言って私達の方に向かってきた そして戦闘が始まると同時に「くっ 私達ではこの敵には勝てない」と私ともう1

「逃げるか」

「そうだ。このままだと死ぬ。だから撤退して態勢を立て直す」そう言った後 私は「君達 すまない。そしてさようなら。生きて帰れ」そう言った後その場から離脱しようと動いたのだが そう言った直後

「な なんだ。あれ」その言葉を漏らしたのは私では無くもう一人だったはずの同僚だ。

何故だかと言うとそれを見て驚いたせいだ。なぜならそこに現れたのは明らかに強そうな雰囲気を放つ巨大な龍だったのだからだ

(何なんだあの怪物。見た事もないタイプの強さだ)

そして私はその光景を見た後すぐにその場を離脱する事に成功し、どうにか逃げ出す事が出来た。だがその時の私の表情はかなり酷い事になっていたであろう それほどまでにその光景は異常過ぎた その瞬間に

「お前の負けだよ」と後ろから聞こえて来たと思った時には 既に勝負が決まっていた。その男の手刀によってその幹部は一撃で首を切られていた。その動きはあまりにも速すぎて何も見えない程だった。そして彼はそのまま死体を回収した後で「俺はゼクト 今回の件の首謀者を捕まえるために動いていた者です。貴方のお仲間さんにも連絡を取りますがよろしいでしょうか?」と言われた その男はおそらく信用出来る男なのだとそう思えた

「そうですか。それじゃあお願いします。それから私の名前は『ミィアノス』です。一応この国での偽名はそう名乗る事にしました」

そう答えると彼は「了解。それじゃあよろしくお願いしまーす」と言い立ち去って行く そうして彼からの通信が来るまでの間、私は街に買い物に来ていた そうして色々と買い物をしていた時にある出来事に遭遇したのだった そうそれはあるお店の店員の男性がお店に置いてあった果物の値段を釣り上げて売ろうとしていた。しかも客にバレないようにコソコソとしていたのでその様子は傍から見ると怪しく見えてしまい誰も買いたいと手を上げなかったのである。そう まるで「自分が店主である」と言わんばかりにだ そうやって商品を売っているのにも関わらず、そのお店の評判は全く上がらず、むしろ悪くなって行ってる感じさえ

「ああ、やっぱりこのお店での買い物をやめた方がいいわよね」と、私は呟いてその店を去ろうとした時に、突然「待って」と話しかけられたのである その人は私と同じくらいの年齢と思われる女性で金髪でロングヘアーの髪をした美人の女性でとても美しいオーラを放っていた そんな彼女の容姿はとても美しく私も一瞬で目を引かれてしまう程であった そしてその女性が私に声をかけた後に彼女は「ちょっと貴方。今そこで行われていた行為を貴方はどう思いますか?」そう聞かれたので「正直言うならあまりいい気はしないですね。ただその気持ちもよくわかるのですが」と答えて その後

「もしかしてあなたはこの店が評判が悪くなり始めている理由を知っているの?」そう質問したところ彼女は私の答えを聞いて満足そうな笑みを浮かべてから、「そうですか。そういう事なのね」と答えた後、私が何を思ったのかがわかったようで、その事に同意するような発言をした後

「ありがとうございました。貴方のおかげで謎が解けました。それに私の力不足のせいでこの問題を解決できなかったので本当に助かりました。なのでこのお礼は必ず致します」と言った そう言われた私は

「あ〜うん。まあ私は大したことしていないんだけど、どうもありがとう」と言った

「そんなことはありませんよ。私が貴方の立場であったとしたら同じようにしていたと思いますから」

「あははは そんなことないですよ。貴方ならもっと良い手段を思いついていたのでしょう。それに比べて私はそこまで頭がよくないから思いついた事といえば結局行動に移すくらいでしかなかったから、その行為が正しいかどうかの判別なんて出来ないですよ」と そんな風に謙遜する言葉を言い合ってから「それでは また何処かで会えるといいですね」「そうですね」と互いにそう言って別れたのであった そんな出会いがあった後のその数日後に「ギルド本部より指名の依頼が来た」と言われ 私とそのギルド所属の者5人で レイド国の王城まで

「レイド国」

レイド王国という国名の通り国王の名前がそのまま地名としてつけられた国家であり 現在の世界情勢においてかなり重要な位置を占める場所でもある

「まぁ 当然と言えば まぁ そうだな。レイド国は我が国の隣に位置しているわけだしな」とは私の言葉である まぁレイド国が隣にある時点でこの国からすればかなりの重要度になるのは理解できる話なのである そして

「そういや アル お前の故郷ってこの国だろ。懐かしいんじゃねぇか?」「いえ 別に 特にそう言った感情はないですよ。そもそも僕が生まれた場所はここですけど。まぁ僕の家には行ったことないんですけどね。だから全然懐しいかもなんて思っていませんよ」そうアルビンは言い切ると「ふぅ まあどうせ嘘だろうし 追求するのやめとくか」

そして私達はそんな雑談をしながら歩いて行き門を潜り抜け ギルドの建物がある場所を目指して進んでいったのである ◆□■□■□

「おいおい なんでまたあいつらは来ちまったんだよ。あの時の屈辱を晴らすためとはいえ 面倒くさい事になって来たな」と私は独り言を呟く この場にいる人間は全員私の組織の者であり 私は「ダークエルフ」と呼ばれている集団のトップの人間で そして私は先日レイド国に訪れていたあの男女二人組のうち男の方を始末

「女の方に関してはお前が処理しろ。ただし 絶対に殺すな。生かしていれば何かしらの役に立つかもしれんだろう」と言われていたのである そうして私達組織はあの二人組を捕らえた後で洗脳をして利用しようと企んでいるのだった そして現在彼らは「ダークエルフ」の拠点へと向かって歩いているところであった

「お疲れ様です。ギルドマスター 例の二人は既にこの拠点に向かっていますよ」そう言われて 私は「よし よくやった。これで俺の計画を実行できるな」

そうしてこの作戦の準備が完了したのであった 私は ギルドマスターの命令に従い、レイド国の中に入ってしばらく歩いたところにある森の中を探索しながら歩を進めている最中 その道中で「あ あれは なんだ」その一言を僕は無意識につぶやいていた。そしてその言葉を拾ってくれた人物こそが 今回の依頼の発端となる「ミィアノス」と名乗った私と同じような歳ぐらいの女性であるのだが そしてその女性から私は説明を受け この国の中に潜む『闇』を知る事になったのである そう まずこの国の王様はその立場でありながら自分の息子を殺したという噂が流れている。そして そしてその犯人はまだ見つかっておらず、今も尚捜索中であるらしい。つまり現在レイド国の中には『闇』と呼ばれる人物が紛れ込んでいるという事であり そして『闇』は自分にとって邪魔だと認識した人物を消し去って回っているらしいのだ その証拠に『この国の王

「リリアナ」とその息子「アメリア」は既に何者かによって消されており。

それだけでなく この国で悪さをしていた悪党達が次々行方不明となり消えているのを冒険者達は目撃しているようだ そしてこの事を詳しく調べてみると それらの事件にはある共通点が存在したのだった それは全て その事件が起きた日にとある一人の女性が目撃されているのだ。そしてその女性の名前はミィノザス 彼女こそ 一連の事件に関わっていたとされる女性の名前だ。だが彼女には決定的な欠点が存在していて、それが彼女の存在を証明するものなのだ。なぜなら 彼女が現れる時は必ずその周辺に強い魔力反応が確認されていたからである。だからこそ私は今回の依頼を受けた。なぜならば今回の事件を解決させる鍵がその女の

「ミィノアだ。奴の能力は

「予知夢を見る能力」なのだ。それで彼女は未来を見通す事ができる。故に彼女が現れた時は必ず何らかの事件が起こっている。それを解決できれば今回の事件の真実が判明するという事になるはずだ」とギルドのマスターが言った通りである。

「あの人の目的は いったいなに? でもどうしてこのタイミングでここに現れ そしてこの私に関わってきたの?」そんな疑問を抱くのだが 今はそれについて考える余裕がないほどに この目の前で繰り広げられている戦闘は激しいものだった。そう私と あの黒装束の男が激闘を繰り広げていたのである。

「ははは 流石ですね。まさか私の剣技を受けてなお立っていられる程の力を持っているとは思いませんでした。正直私はあなたに対してかなり警戒をしていたのですが それは間違いだったという事がわかり 嬉しい限りです」と そう言いながら黒衣の男は私の前に立ち塞がるのであった

「ああ、そうだな 確かにお前の攻撃はかなり強い。ただ俺はお前と違って手札が沢山あるんだよ。だから お前の攻撃を受けながらも俺は無傷で耐えられているんだよ。お前は俺が魔法を使っていなかったと油断していたからその攻撃を当てることができたが。その一撃だけでは俺は倒すことができなかったんだよ」

そう私は言い返すと「はははは これは失礼しました。そういえば貴方の本職は魔導師なのでしょうか。貴方が使う魔法の威力は相当なものでしたから。もしかしたらと思いました」と彼は言う そんな彼に私は

「まあな。ただ今回はちょっと違うぜ。今回の戦いは

「お前の持っているスキルの対策の為」に行われたもんなんだよ。それじゃあこっちも行くぞ」とそう言い切った後 私はすぐに 【影】を発動する。すると次の瞬間には彼は姿を消してしまった。それを見て 私以外のメンバーは驚きを見せるのであった 私は彼の姿を確認する為に移動をする。そして移動中に彼を発見した。彼は今私の方に接近する最中であり、私はすぐさま彼を視認できた 私はすぐに彼を倒す為に攻撃を繰り出す。しかし

「おいおい。ちょっと早すぎじゃねえか?」と声が聞こえて来て

「ふっ そんな簡単に この私が倒せると思うか?」そう私が言うと「ああ、思わねーよ。それにしても今の俺の斬撃を回避されたのは初めてだ。ただまぁ それでも問題ないな」そう彼は呟いた後、私の背後に回って攻撃を仕掛けて来た。そして 私が振り返ると そこにいたはずの彼がいなくなっていた。それに私が戸惑っている間に、私の後ろ側から「これで終わらない」と言う彼の言葉が聞こえると同時に私は地面に膝をつくのであった。

私は一体何が起こったのか全く理解できず そして自分が何をされたのかさえわからない状態で 地面に

「な、何をした?」「いや 普通に背後からの蹴りだ。それとお前さんは まだ若いし体力も十分だから殺さずに眠らせておいただけだ」と彼が言った直後だった。私の意識は完全に暗転してしまうのであった 私が目覚めるまでにかかった時間は 大体三分程度だろうか そんな感じの時間が経った後に ようやく私の目が開いた。そして最初に視界に飛び込んできたのは 私の顔を覗き込んできているミィアノスという少女の顔である。彼女は

「やっと目を覚ましてくれたみたいね。大丈夫だったかしら」と話しかけてきた。そこで私は彼女が私の事を心配してくれていたんだろうと思ったから感謝の気持ちを伝えようと口を開いた。

「うん。助けてくれてありがとうね。えっと、君は誰なの」そう問いかけた私の質問を聞いて 彼女は「ふふ 本当に忘れてるのねぇ やっぱりあの男の力は本物だったのね。それじゃあさ。とりあえず私の話を信じてくれるなら一緒に来て欲しいの。私と一緒に旅に出ましょう。それで私の話を聞いてくれれば きっと私を仲間として認めてもらえるかなって思ってね」と言われてしまう。そうして私はこの子のお願いを聞き入れるかどうか悩む だって、もし彼女の話を受け入れたとして、私にはなんのメリットがあるかって話なんだけど、何も浮かばないんだよね。だけど、この子の仲間になってこの子が私にとってなんの得にもならない事をするような人間ではないはずって思って私は彼女の願い

「わかった。君のその誘いを受けよう」とそう答えた。そしたら彼女は「ふふ そう言ってくれて嬉しいわ。これからよろしくね」と言って そして「私の本当の名前はミィノアよ。改めて 自己紹介をしておくけれど、この世界で私の名前は「ミィノア」っていう名前のはずなの。だけど私の世界ではその名前を名乗っちゃダメで。別の名前を名乗るように言われていたから、そう名乗っていたの」と言いながら笑みを浮かべる。

そしてそんな話をしている内に私は彼女に背負われてどこかへ向かっていく ◆□■□■□ それから少し経ち 森の中を突き進んでいる途中 その道中で突然魔物が現れ私達に襲い

「ちぃ」私は舌打ちをしてミィアノスを守る為に移動しようとする。だがそんな事はお構い無しにその化け物は 私に攻撃をしてきた。私はなんとか避けてその魔物を観察する その魔物は明らかに普通の人間とは異なる存在であることは確かで

「ミィノア あれはいったいなんだ?お前はアレの事を知っているんだよな」と尋ねると「えぇ 知っているわ。あれは『ナイトイーター』という種族で 私達と同じで別の世界から召喚されてきた者よ。ちなみに あの姿は『人』と『魔』の姿を同時に取る事が出来る。この国に現れたのもその『魔』の方の姿で現れたのでしょう」と彼女はそう

「なるほど つまり この国で暴れているのは『魔』の方の お前が言う『奴』だっていうことか。そうなると『人』の方のお前は何をしているんだよ」と私は聞く

「私はあくまで このレイド国の中に存在する闇を取り払うために動いていただけ。それに『奴』の目的がわからない限りは迂闊に動けなかった。だからこそ、この機会を逃す訳にはいかないの。でも安心して、あの男を殺せば、私は本来の力を取り戻す事ができるから」と彼女はそう言って私を背中に乗せたまま その怪物に近付いていく。そんなミィノアに気がついたのだろう。『奴』はミイノアに向かって攻撃を放つ 私はすぐに防御態勢を取って彼女を守ろうとした。

「危ねえ」そんな私の声と共に 私は ミィアノスの盾になる為に前に出る。だが 私の身体は

「はは マジでどうなっている」そう言いたくなる程に私の体がボロボロになっていた。

「ごめんね。私の能力は 自分の肉体を強化する能力だから、あなたの体はもう限界を迎えているからこのままだとあなたは死んでしまうわよ」と言われたのだが 正直そこまでダメージを感じていないのに死ぬかもしれないと言われているこの状況に私は恐怖を覚える

「はは なぁお前はこんなところで諦めるような奴なのか?」そう言われた時 何故かは分からないけど、頭の中で声が響いた それは聞いたこともない男性の声で

「お前が今戦っている奴が何者か俺達はわかっている。お前が あいつを倒したいと心の底から思っているのならば 俺達が手を貸そう」と声が聞こえると同時に私はこの場に存在しないはずの存在と出会うことになる それは私達の目の前に出現したのだ。その姿はまるで私のような容姿をしていた。しかし私が今使っている姿とは全く異なる姿をしていたのである。何故異なるかというと、この世界の管理人は様々な力を得る為に 自身の姿を変える事ができるのである。それは私も同じなのだが私は元々の自分自身の力を極限まで高めてある姿に変化するという方法をとっている なのでこの私が変化した姿とは違うという事になるのである。しかし今はそんな説明を長々と行っている場合ではないと思いすぐに戦闘を行う

「へー。結構やるじゃないかお前。それならこっちも全力を出しますか」と男はそう言った直後 彼は光に包まれて 姿が変わってしまう。するとそこには一人の少年が立っていた その姿を見て 私は驚愕する そしてそんな状況の中 ミィノアが「あんたがそんな風に変身するところを見るのは初めてなの。一体貴方の正体はなんなの?」と問いかけるが、彼は答えるつもりはないらしい。しかしそんな事よりも、私が気にしていたのは彼の正体についてである。

彼の姿を見ただけで私には分かった 今の彼が纏っているオーラの強さは異常すぎる。そう 彼の強さの根源はそのオーラの大きさにあるのではないかと そして彼は「俺は【剣神】。さぁ 始めようぜ」と言うのと同時に彼は攻撃を開始する。それを見ていた私は、私と同じようなスキルを使っているんだろうと思いすぐに【加速】を使用して攻撃を回避しようとした 私は 彼を倒す為に攻撃を放った。そして私は攻撃を回避しながら

「おい、そろそろ姿を見せたらどうだ。今更 隠しても意味なんてないだろう。私だっていつまでも隠し通せる自信がないんだ」と言った。しかし彼の返答は「はは 悪いが俺はこの世界には存在しない者なの。お前さん達からすればこの世界は 作られた偽物に過ぎないんだ。だからこそこの世界にいる奴らは、俺に対して 俺の存在を否定する言葉を投げかけやがった」

「それがどうしたんだ?」私がそう言うと

「俺という人間はこの世界に来るまでに たくさんの世界を見て来たんだ。それこそ本当に色んな世界をだな。その中には 俺のいた世界のように平和な世界もあれば争いが絶えず行われている戦争の世界もあったりするんだ」とそう言った直後 彼は私との距離を一気に詰めてくる そして私に攻撃を仕掛けてきて 私と彼の攻防が始まるのであった 彼の攻撃が私に当たる度に 私には傷が出来て、痛みが生じる その事から考えるに、恐らく今の私には彼の攻撃を受け流すような余裕など一切無く そのまま彼の攻撃を受け止めてしまっているというわけなの

「ほらっ」と彼は言い 私の腹部に回し蹴りを入れ

「うぐっ」私が苦しんでいる間にも彼は私に接近して 私の顔を蹴り上げようと足を振り上げる それに対しても私はなんとか防御を行い 直撃は免れた だが、蹴りを喰らわなかった代わりに、私は 腕を大きく斬られてしまう。

「痛ってえな」とそんな事を呟きながらも 私はすぐさま体勢を整えて反撃に転じる事にした そうして 私の放った技を受けて、少しの間怯んでいたのを確認した後 今度は私は彼に接近する。

そして、そこから 私の猛攻が始まり

「くそっ なんだこいつは」と言いながら彼は必死になって 私の攻撃を

「防いでいる」のであった。しかし それもいつまで続くかは 分からないので

「いい加減終わりにさせてもらうぞ」私は言う すると 私の攻撃を防いでいた彼が「な、なんだその速度は」と驚きながらそう言ってきた そこで 私は一瞬にして勝負を決めにかかろうとしたその時だった 突如 私の背後から強烈な衝撃が与えられ

「ガハッ」

私の口からは その瞬間大量の血液が出てくる。それから 意識を失ってしまったのか私の記憶

「私の名前は 【ルアアニア】

貴女に恨みがあるわけではないのですが 死んでもらいます」

そうして彼女は 気絶している私を殺そうとして近づいてくる だが私はこの時既に目が覚めていて、彼女の気配を感じ取っていた

「お前か 私の邪魔をしたのは お前のせいで この世界に来た奴らが死ぬ事になるかもしれないのだから」私は彼女に文句を言いながら 私はこの世界の住人達に力

「世界を管理する為の力を与えなければ」

私は自分に世界管理者の権限を与えるように念じると私の視界が真っ白になった後に 私は別の光景を目にしていた そこは私が今まで生きていた世界で この世界とは全く異なる風景が広がっていたの そうしている間にも私は自分の身に何が起きているのかわからないまま この世界の中をさまよい続ける そしてそんな事をし続けている内に私は気がつく。私が見ている景色には違和感を感じる場所が存在していたのだ それは何かというと私は自分の目線の高さが普段と比べて違うように感じられた 私はそうして自分が歩いている場所に視線を落とすと そこには地面があり 更に私に背を向けて歩く人達の姿が見て取れたのだ そして私は

「な、何故、どうして私は」と思わず声を上げてしまった。そしてその理由を考えた私はすぐにこの事態がどういう状況なのかを理解する そう。今私が見ている世界は自分の記憶にある 自分が存在しているはずの時代ではあり得ない事なのである そう考えた私は「まさか、そんなはずはない いや だがそれ以外考えられないか」そう言って、私は自分の身に起きた現象の理由を理解していたの 私が自分の肉体を別の肉体に変えて別の時代に転生したのではないか

「いや待て、だとしたら 私が知っているあの男はどうなったんだ?」と考え込むと「はぁ ようやく追いついたぜ おっと 俺の事は覚えていないだろうが、俺はお前の事を知っているんだぜ。

まあ思い出せないだろうが、お前は 俺のいる時間より未来で生きているんだ。だから俺の事は知らんだろうが 俺とこの女は同一人物だ」そう言われて私は困惑していた 何故なら私は彼と直接会ったことなどないはずだからである それなのに何故彼は私を『この人』と呼んだ? 私がその答えにたどり着く

「はぁ やっぱりお前は何もかもを忘却していた訳じゃないんだろう」と目の前に突然現れた男からそう言われる しかし私はそんな男の話を聞こうとせずに、すぐに男に襲いかかろうとする だがしかし 私は次の男の行動で動きを止められる 何故なら私の行動を止めた男によって私の攻撃が受け止められて、私は男に吹き飛ばされたからだ

「ふぅ 流石に今の状態じゃ 俺の攻撃を防ぎきるのは無理か」そう言った男の声を聞いて 私は 私はその言葉から 今目の前にいる男は私が知らない人物ではない事が分かる それどころか

「もしかして君は」

「そうだよ。俺は お前さんのよく知っている奴だ。それにしても懐かしいな。最後に顔を合わせたのは お前がまだ幼い頃のことだもんな。お前は小さかったからな 覚えているか?」と言われてしまうと 私としては「何を言っているの?」という言葉しか出てこない だって

「だって君はもう死んでるんじゃ でもどうして君のような存在がこの世界に」と私は疑問をぶつけるが その質問に対する彼の返事はなかった。なぜなら目の前にいたはずの彼は消えており、そして再び私が目を開けた時に 私の前には、先程見た少年と同じ姿をした人物が立っていたの その姿を見た時

「嘘 どうして貴方はその姿をしているの?」私は震える声で目の前に現れた少年に向かって話しかける 何故なら少年の姿を私が見間違えるわけがなかったのだ。それは私の夫であったはずの存在と全く同じ姿をしていたからなのだ しかし、そんな彼の存在を目の当たりにして私は不思議にも思っていた。目の前にいる彼が纏っている雰囲気から考えれば 私がかつて対峙してきた者達のようにただの一般人ではないという事に気がついていた

「私は、あなたの正体を知りたいのだけど 教えてくれるかしら?」と私は少年に声をかけてみるも、しかし 彼は何も言わずに私を見つめたまま動かなくなってしまったの すると私はある事を思いつく もしかしたら彼が私の知る少年ではなく 別の存在が、私の前に姿を現しただけなのではないかと思い始めたのだ その事を確認したくて

「私の名前わかる?」と聞いてみると やはり反応しない そして少年がこちらに手を伸ばしてきたかと思うと私の

「えっ」

私は一瞬にして 彼に手錠をかけられる そう。私の両手に彼の持っていた 黒い輪がかけられたのである だがしかし私は拘束されてしまっていて 私自身 抵抗できない

「なるほど こういうやり方をするのね」

そう呟いた私は「これは貴方の魔法によるものなのかしら」と問いかけてみたのだが、彼は 相変わらず無言のまま 私の問いかけに対して無視を決め込んでいたの なので「仕方ないか」と諦めかけていたその時だった 突如 私の身体の自由が奪われてしまい、それと同時に「お、お願いですから私の言うことを素直に聞いて下さい。でないと この方の命の保証は出来ないんですよ」と言ってきたの 私は

「どういう意味だ。一体何が起きている」と問い掛けてみると

「わ、私は 別にあなたの命を奪いに来た訳ではないのです。そ、そうなんです。

実はですね 私はこの方に頼まれただけなのですよ。そ、それでその方が私の代わりに」そう言った直後に彼女は私の耳元まで近寄ってきて「今のうちに 逃げてください。ここは危ないので」と言うと私の手を掴んでくる すると私は彼女の行動から逃げる為に、彼女に引っ張られながらも、必死に逃げようとしたのだけれど、しかし何故か私は彼女の力で動くことが出来ず その場に残されてしまう それから少し時間が経つと私の視界には彼女がいない代わりに 私が愛したはずの男が映り込んだのである

「な、なんだよ その格好は、それにどうして俺達の世界に存在している。それにさっきの女の人もどうして」私は彼に問いかける事にした だが

「悪いが説明は後回しにさせてもらう」

彼はそう言い放つと 私に向けて拳を放ってくるのであった そうして私と彼の戦闘が始まったのだが、私達2人はお互いに攻撃を繰り出しながら会話を行う。私はそんな彼の姿を見るなり「そんな、馬鹿な事があるはずが」と言い放ってしまう そう 私は目の前にいる彼が誰なのかを分かっていたのである そう。彼の正体が 私の愛する存在である事に だがそれでも 私はそんな彼に違和感を覚えてしまう 私が知る彼は、確かに 私の

「な、何なんだお前は」彼は言うと 私に攻撃を繰り出そうとするが、私はすぐにその場から離れると、そのまま走り去って、彼が追って来ない事に違和感を感じていた そして彼がどうしてあんな事をするのか理解出来ていないまま、私は自分がいる世界の管理を始める事にした まず初めに私が始めたのは、自分の住む世界を別の世界へ転生する事ができる者に与える事である そう。その者は 私の世界の住民であり、私と同じように世界管理者である。私は彼を呼び出し、そして私の世界に存在する魔王になって貰う事を提案したのだ

「えっ」

私は目の前の相手を見て驚きを隠しきれない だがそれも当たり前だ 目の前の相手が私が以前戦った敵だとしたら尚更

「久しぶりですね。まあ私がこうして生きている時点で、察しがついているかもしれませんが あの時の私は本体ではありません。貴方との戦いで私は貴方を圧倒してみせた。あの時は油断していたのです。貴方は私の想像を超える力を持ち合わせていたのですから。私は全力を出していなかったのです。それこそ 私はこの世界を管理する権限を持つ者としての力を使ってでも ですが そのせいで私は力を失ってしまいました。

本来であれば私はこの世界の管理者としての役割を終える筈でした。でしたが私は 貴方の力を感じ取り興味を抱いてしまったのです。

貴方の力には未知なる可能性を感じました。ですから貴方にチャンスを与える事を決めたのです」

「何の話だ?俺はあんたに聞きたい事が山程あってだな」と私は話を続けようとしたが、相手の男は私を睨むようにして「お前には関係のないこと 今はお前に用はない」と言われてしまう だから私は何も言えず黙り込んでしまうと、そんな私に男は語りかけて来たのだ

「そうそうお前が今考えている事を教えてやろう。俺の正体についてだが、答え合わせと行こうか。

俺の正体は【転生】と呼ばれる能力を宿している人間 俺達は自分達の世界とは異なる世界で生まれ変わる事を転生と呼び 俺もまた例外なく転生を行っている存在だ。俺の持つ能力は簡単に言えば転生を繰り返して様々な世界を渡ることができる能力だ」

「じゃあお前は 自分の好きな時代 もしくは自分の生まれなかった時代に転生することができるっていう訳か」私は男の言葉を遮るようにそう言った。だが私の言葉を聞いた瞬間 男は表情を変えて私の顔面を殴りつけてきた

「がぁぁぁ」私は殴られた際に口の中を切ってしまい、そこから血が流れ落ちる。それを見た男は「お前のような奴に、貴様のような屑に、私を舐めた態度を取られたくない」と言ってきたので、私は「そんなの俺の勝手だろ。俺が何をしようと文句を言われる筋合いなんかねえよ」と言ったのだが 私の目の前にいた存在は再び私の腹部目掛けて攻撃を行ってきた だから今度は腹で受けてやる。と私は覚悟を決めていた。

「はあああああっ」と叫び声をあげ、全身全霊の一撃を放つ準備に取り掛かる。だがしかし、私の目の前に現れたのは無防備となった私の体に向けて拳を突き出した男の姿 そして私の体は後方へ吹き飛んでしまう。

「がぁ」口から溢れ出すように吐かれた血液に意識を奪われそうになりつつも どうにか堪えた。だがしかし「今のを受けても立ち上がるなんて。やはりお前はただものじゃない」そう言って私の体を足蹴りしてきた。その攻撃が私の体に直撃すると、私はその場で倒れる。しかし私の意識が遠退こうとしているのが分かる。だけどこのまま気を失うわけにはいかないとばかりに私は立ち上がったのだ だが私の身体は既に限界を迎え

「まだだ。こんな所で負けるわけには」私はそう言って、立ち上がってはみたけど、もう動ける状態ではなかった。だが私は「まだ終わらねぇぞ」そう言うと立ち上がり

「なにをするつもりだ。もういいだろう」と呆れた口調で言う男の隙をついて、懐に潜り込むと 思い切り 男の顎を蹴る その衝撃によって 男は倒れてしまった

「なっ なんという奴なんだ。こいつの強さは それにしても、こいつはどうしてこんな強さを手に入れたんだ。普通じゃない」私はこの場をどうするか悩み始めていた そんな私の元に「ちょっと貴方」と言って近づいてきた存在がいる事に私は気がついたのだ 私は「はい。何かご用ですか」と言って

「先程は、申し訳ありません。私の仲間が貴方に迷惑をかけてしまったみたいで」と謝罪されてしまった。

だが私は「いえ 気にしていないので大丈夫です」と言っておく それからしばらくして 私は彼女の仲間だという男性に声をかけられた。

「私は【アモン リザートマン】という種族で 先程 私が拘束した女性は私の妻にあたる女性 アーシャリア と言う名前の者なんですよ。そして先程の私の主人でもある」

私はその言葉を聞いて驚く「な、なら貴方達がここにやって来た理由は一体」

私はついそう質問してしまうと

「私達の世界で戦争が起きそうなのです。その戦争で勝つ為にはどうしてもこの世界に存在すると言われている勇者の存在が必要不可欠なんですよ」と説明を受けた だから私はその言葉に納得すると

「なら私が手を貸しましょう。ただし 私に命令する事は止めて欲しいんです。

それと貴方が私の世界にやってきた際に、私は貴方達と共に行動するのは無理だと思います」とだけ告げて私はその場を離れるのであった そうして 私はこの世界における私の部下達の元へと戻って行くのであった 私の名は

『ゼノン』という存在だ。私の名は『ゼノウス』であり かつては私も魔王だったのである。しかし私はこの世界の魔王に敗北を期してしまったのだ。

その結果 私は 私以外の全ての魔族を失い、さらには 私の力まで奪われ

「くそ あいつだけは許さない。必ず殺す」

と私は呟いていた そして しばらくした後 私が暮らす世界に一人の人間がやって来る

「お前 まさか私の力を」と私は焦っていた このタイミングでのこの世界の来訪者を私は魔王以外に知らないからな。そして現れた人間の少年は言った

「おい。そこの女。僕の物になれ」

そう言われても正直、その女は嫌だと言わんばかりの表情をして、その人物を見つめている その光景を見て私は、すぐに 私が愛した女の事を思い出してしまい、気がつけばその少年を殺そうと動こうとしていた だがその行動に対して、その男が言った

「お、俺が何者か分からないようだな。ならば 俺の名を聞け。俺の名は【神無月】と言う 俺がこの世界において、この世界の管理者である存在 その事実を知ったのであれば、お前はここで死ぬことになるが まあ俺としてはお前が俺の手駒となってくれさえすればそれで良い。さあ 来い 俺の下へ」

そう言われたのである そうして私は彼の元に行く事になった。何故そんな行動を私は起こしたのかは今でもよくわからない だけど私の気持ちの中には、ある少女がいたからこそ 私は彼の提案を受け入れることにした

「本当に私の配下として仕える事を望むのか?」

「あぁ。それが僕の意思だからな」彼は言う

「ならお前に力をやろう ただしお前の肉体に負担をかける事は避けなければならない」

「そうなのか」と疑問を口にする。そんな彼に向けて「ああそうだ。その力をお前が制御する為には膨大な魔力が必要だ。その為には、まずは お前に魔法を教える必要がある」

私はそう言われると「それなら 私に魔法を教えてくれないでしょうか。

私の力はあまりにも大き過ぎる なので私が自分で使うにはあまりにも大きすぎる 故に私では扱えないかもしれないのです」と口にしていた そして彼が行ったのは自分の娘を呼んでくると私に手招きして来る 私を娘の前まで連れて行くと「紹介するよ。彼女が君が俺の力を得る為に教える事となる生徒だ」と言い放ってくる 私は彼女を見ると 何とも可愛らしい女の子だ

「貴方は あの人の事が好きになってしまったんだね」そう言って来た。私は何も言えなかったが

「うん。あの人の名前はね。私の幼馴染みなんだよ」その一言を聞いた瞬間、私は驚いていた 彼女は私の目の前にいるこの世界の魔王である筈の男の娘だと聞かされたからである。そんな話をしている最中に この

「あぁ。自己紹介が遅れてしまったかな?俺の名前は ゼノウス よろしく頼むよ」と言って、挨拶してきたのだ。

そしてその後「君の名前を聞かせてもらっても良いだろうか」と聞かれた。私は何も答える事ができなかった

「答えれないのは、俺の力を恐れているのかい。それともその力を使いたくないのかね」そう言われて私は「えっと、貴方は、私の事をどこまで知ってらっしゃられるのですか」と聞くと「俺が知る情報は、俺の元に来て、俺に従うように仕向けられている間抜けさんがいて そして俺は、その人を、俺の力を与える存在としようと思って連れてきた事くらいだよ」そう答えたの それを聞いた直後「つまり貴方は私の事をただの道具のように扱いたい それだけの為に私の所にわざわざ訪れたということですか」と私は言ってしまう だがその言葉を聞いていた相手が言った

「勘違いしないで欲しい。俺は確かに 君のことを単なる手札の一枚だと思っている。

だけど 君のような人間でも 使えるカードがあれば、それを使う価値があると思う。それに君は 既に君の力を理解した上で 君が望めばいつでもそれを振るう事が出来る。

だからこそ、俺が手渡す力とやらは俺に従順になってもらう為だけの物じゃない その力で 俺が求めるような戦いが出来るようになれるようにする。だからその力を使って戦ってみないか 俺の力がどれだけのものか知りたくないか それに この俺が、そこまで言う程の存在になったのかどうかを確かめたくはないのかな。

そんなに心配する事もない。この世界の人間は君にとって格下もいいところなんだ。そんなに不安になる必要はないだろう。だから 君も安心してくれ もしもの時に備えての切り札 いやその程度に考えてくれていいんだ。

俺の与える お前の力 は お前に絶対的な力を与えてくれるはずだ そしてお前は俺の下で これからの世界を生き抜くのに相応しい実力を手に入れられる これは決定事項なんだ。

だから安心してついて来い」と言われてしまった 私はこの男の言葉が嘘ではないと判断していた。私はこの世界に来て、自分の能力がどれ程の物かを知らなかった。だがしかし、私には、目の前で自信ありげな顔をしてこちらの様子を伺っている男が私に与えようとしている力がどれほどの価値を持っているのかを知る事ができる 私は そう考えた上で彼に言った

「分かりました。貴方についていきます。

貴方の持つ全てを手に入れる為に 貴方の力で 貴方を超える為に ですから貴方に従おうと思います」私はそう

「ふっ 素直な奴だな。よし分かった 早速 始めるぞ」と言って、この世界の魔王は、私に対して、私の能力を譲渡してくれた それからしばらくの間 私は、私と私に与えられた力の使い方を学ぶ事となった。そうして私の訓練が始まる そうして 私がこの世界で魔王の配下となった頃、魔王城から少し離れた場所に魔王と勇者達が集った そして勇者の側には 魔王の一人娘の姿があった。そんな状況がしばらく続いた後に魔王と勇者はお互いの存在を視認出来る場所まで移動をしていた そうして魔王が勇者に向けて言葉を放つ

「おい そこにいるのは お前が魔王と呼ぶ存在。だがそれは、俺の偽りの名に過ぎない 俺は神無月。この世界に召喚されし者だ。貴様は何者なんだ」と問う それに対して 勇者も同じように魔王に向けて言葉を発する

「僕は神無月 この世界に召喚されて魔王を倒す存在として存在している この世界において最強と呼ばれる存在だ。そして僕の使命は魔王を殺す事で間違いない」と言うと 魔王は「ほぉ 随分と大きく出たな。お前が 本当に強いのか、その証明を見せて貰えるなら嬉しいのだがな」と告げて勇者に対して 戦いを挑むのであった その言葉を受けて勇者もまた「良いだろう。僕の力を この剣を受け止める事ができたならば 貴方を強者として認めましょう」と言って魔王の誘いに乗る形で お互いに その力をぶつけ

「どうだ。お前の強さはこの程度でしかないのかい」

「ふん。お前が 弱いだけなんだろう」と互いに 言い争いを始める。

そんなやり取りを暫く続けた結果 魔王は敗北するのであった しかし 敗北してから魔王は、自分が何故負けたのかを理解すると、勇者に再戦を挑んだ。そして再び戦闘が開始されると、今度は魔王は敗北をしてしまう こうして魔王は敗北をする事になる だが 敗北をした事により魔王の力は より強大な力を得て復活するのであった そしてそんな状況を眺めていた者が1人だけ存在していた。魔王の娘である『神無月』その人だった 彼はそんな光景を目にした直後に魔王に向けて

「もうその辺にしておいた方が良いのではないか。

これ以上戦う必要はあるまい」と魔王に向けて言うのである その言葉を聞いた魔王は、その人物を見る「どういうつもりなのかしら」そう問いかけた そうするとその人物は「簡単な事さ。貴方には 僕とこの世界において共に戦ってほしい」と魔王に向けて言った その言葉を聞いていた神無月の父親は

「何を言うのだ。この女は俺達の敵である存在なのだ。

それを許せるはずがない こいつは、お前を殺そうとしている女なんだ。その事実を忘れているんじゃないだろうな」と言うと、神無月と呼ばれた青年は言う

「忘れていないよ。だけどね。

今はこの子から得るべきものは、何も無いよ。むしろ彼女の力は俺が欲しいものさ」と言い放つのである

「何をふざけているんだ お前は」と言いながら、魔王の父は、娘に向かって攻撃を仕掛けようとした その瞬間

「動くな」という声と共に何かが父に向けられて飛んで来た その攻撃の正体は矢であり、その矢の速度は常人では到底避けられるようなものではないほどの速さを持っていた だがその攻撃を 目の前にいる人物が放った矢を避ける事は可能であった そしてそんな事を気にせずに目の前にいる男は続けて言葉を口にしていた

「今すぐに そこから立ち去るが良い。さもなくば」と言ったところでその男の足元には、突如 巨大な炎の渦が出現したのである。その事に焦りを感じた その男は

「待ってくれ 頼む 命だけは見逃して欲しい」と懇願するように言っていた そしてその様子を見ていた娘は 父親を助ける為に行動を起こす事を決意すると、目の前の男が自分に話しかけて来たのだった

「お前が、俺の力を得たいというなら、それに相応しい力を見せろ それが出来たのなら お前が 望むだけの物を俺の力で与えてやる それで構わないなら、ついて来い」と言われたのである それ

「はい。分かりました。ついて行きます」と言い残して 私はこの場から離れていくのだった。その道中では私は この世界に存在する勇者と呼ばれている者の事を考え続けていた そういえば あいつの事を 俺は何も知らないなと、思っていたのだ そうして私は、私の元に来た魔王の配下を、私が使える部下にするべく鍛え始めた そうしているうちに私は私の力を理解し始めていった 私が この力をどのように使っていくかが、決まった瞬間である。私は、この力を制御して使いこなし 魔王を超えなくてはならないのだと理解していた。そうする事でしか 私はこの世界で生き残る道を見つける事はできないと理解していた 私は私の力がどれだけのものかを知らなければならないと私は考えていたのだ 私は私の力を使う上で

「私の力がどれほどの力を有しているのか」

その点を知りたいと考え始めていたのだ 私は、自分の持つ力を理解する必要があると考え 私自身に能力を付与した。だが 私自身が持っている力と私の力が釣り合っていなかった 故に私の能力は暴走状態に陥りかけた。私の中に生まれた感情に身を任せた時 私の心の中には怒りだけが残り、私は私自身の事を冷静に見ることが出来なくなったのだ。そしてその結果 私は私の力を使いこなせなくなっていたのだった。その力を使う為に必要なものが足りていなかった だが私は その必要な物が足りない事など 気にもしていなかった。ただ ただ 目の前に居る相手を切り捨てる為に、ひたすらに剣を振り続けるだけだった だが私の体は、私の

「この力がどれだけ危険なものであるか」を認識していた。このまま戦いを続けていれば、間違いなく私は、死ぬだろうと考えていた それ故に私は その場から逃げる事を決めたのであった それからしばらくの期間の後 私の前に現れた相手こそが勇者と呼ばれる人物であったのだけど 正直 その時の事を思い出すだけで嫌気が差すほどに最悪だったのだけど 私はあの日の出来事を振り返る

「まあ、そういうわけだから俺の仲間になれよ。この世界に召喚されし者さんよ」そう言われてしまった私は 彼に付いていく事になった それからの私は 私に与えられた力の使い方を学ぶの

「そうか、君は僕の味方になってくれるんだね。ありがとう。君が居れば僕はもっと強くなれるんだ」と言われてしまった

「君は 僕の大切な仲間だ。僕は、君の為になりたいと思うんだ」と言ってくれた勇者の言葉を信じていたから私は勇者の為に戦おうと思っていた。でも私は 勇者が信用できなかった 私以外の勇者が 魔王を殺した後で勇者が言った「さて 次は誰が魔王を殺すのかな」という言葉に対して、その魔王は私の父なのだと私は伝えなかった。だって私と勇者は違うのだから、伝える必要がないと思って伝えた その言葉を耳にした後 勇者が口に出した「お前は僕の大切な仲間のはずだ なのにどうして そんな事を言い出すんだよ。まさかお前は裏切るのか? 僕の邪魔をするつもりなのか?」と言葉を口にした

「そんな事はないわ。私は 貴方と一緒に 魔王を倒して世界を救ったじゃない」と言っても勇者には、私の言葉が届くことは無かった そうしている間にも、私の周りにいた仲間たちが次々に殺されていく。

私は勇者が嫌いになっていた。私と同じ勇者だというのに、勇者は他の奴等とは違う。他の奴等は皆 勇者に対して恐怖を感じている だが、私の目から見た勇者からは 何も感じ取ることが出来ない そうして私は勇者に対して疑問を抱き始めて行った そうして そんな勇者が、私にとっての最後の希望を潰そうとしていた その前に勇者が「さて、これで 最後のようだね。君が最後だよ。アルヴィン」と口にすると 私は もう駄目なんだと、思った そして勇者が、私に対して「じゃあね。楽しかったぜ。アルビン。俺の大切な勇者様」そう言い放つと 彼は、私に向けて 剣を振るったのである。

そして 私が 勇者に殺されたと思った直後

「さようなら。私の愛しい勇者様」と言い放ち 私は勇者の背後に現れた。その事に気付いた勇者は振り返って私の事を警戒するが もう遅かった。勇者の身体はバラバラに斬り裂かれて地面に転がった。勇者が死んだ事に満足感を覚えた後に私は、その場に

「さよなら。私の愛する人の生まれ変わりである貴方を死に追いやった愚か者達。この恨みは決して消えないからね」と言ってから私は姿を消した 私は今から数百年先の未来から来た。その時代の私の娘に会いに行ったのだが娘は既にこの世を去っていて、その息子が娘の息子だった。つまり孫にあたる人物が目の前に存在している事になる。私は彼を守る事が出来ずに殺されてしまったらしいのだが、私はどうしても彼が可愛くて仕方なく、どうにか彼を救いたいと思い彼の

「俺の名前は 如月 優斗 だ。お前は何というんだ」と言われたので私は素直に答える「私の名は 神無月。魔王と呼ばれている」と言った直後に私は魔王の力を使った

「貴様に この力で、この世界の運命をねじ曲げる。覚悟しろ」と言うと

「俺の命をお前に預ける事にしよう。お前は、魔王というだけの存在ではない。その実力を見極めてやる お前が、本当に魔王であるかどうかのな」と言ったのである

「お前は 私がお前を殺すと、思わないのか」と問いかけると「その可能性が無いとは言えない 俺は今 殺されるかもしれないと恐れを抱いている。しかしそれと同時に、この程度の力しか持たない相手に俺の全てを出し尽くせば、死んでしまう可能性がある事も分かっている」

そんな会話を交わした後 私たちはお互いに攻撃を仕掛け合う その攻撃は凄まじい物だったが、互いに致命傷を与えるまでには至らなかったのであった

「お前の実力はこの程度なのか。それなら期待外れもいいところだな。

残念だがお前の負けだよ」と言うと私は剣を構える。

その光景を見た男は、ニヤリと笑い

「どうやら この勝負 引き分けみたいだな」と言うと、次の瞬間 私と男の間に雷

「うぉおおおっ!! くっ お前は、この力を持っているというのか!!」と私が口にすると「その通りさ。これが俺の能力さ」と言い放つ。だが私の力の前に、その力は通用しない事を確信していた だが私は、その攻撃を防げなかった。何故ならば 私の能力が効かなかったのだ。「この力はなんだ」と言い放つと同時に 男は「俺の持つ力、その1つは魔法に対する耐性と2つ目は物理攻撃を反射させる」と私に向かって言ったのであった。

男は「どうだい。これで俺の力を思い知っただろう。まだ、お前が俺と戦えるのなら、俺を殺してみろ」と言われると私はその言葉を聞き流し、別の攻撃を仕掛けようとした

「無駄な足掻きをして何になる」と言われても私は攻撃を止める事はしなかった。

「ふむ。お前は、俺がお前の攻撃を受け付けないという事を知っているだろう。それでも攻撃を仕掛けるのは何か理由があるのか?」

「いいえ。無いです。でも私はあなたがどんな人であれ殺すと決めているんです。例え勝てなくても、最後まで抗い続けます」私は言葉を口にする それを聞いた勇者は、私を見て「面白い お前のような人間がこの先に出てくるのを期待しよう」と言っていた そして「その力 その考えに免じて この俺自ら、葬り去ってやるよ」と勇者を名乗る男が、私に言うと、剣を構え

「お前には俺と似たような臭いがするからな。この俺が、お前の存在を 終わらせてやるよ さぁ!かかって来い!」と男が口にしたので私は勇者に近付き、攻撃を仕掛ける。

それからしばらくして 勇者が力を使いこなさなければ 私はこの男の一撃で殺されていたであろう状況に陥る その事実に私は驚いてしまう 私は この男が持っている力と自分の持つ力を比較した結果を頭の中で計算しながら行動を開始すると、その

「私の力を跳ね返すか。ならばその逆をすれば良いだけの事 それだけの事よ」

それから勇者との戦いが始まり、しばらくの時間が経過し 勇者の息が上がり始める。私は勇者の攻撃を避けながら少しずつ勇者の体を痛めつける 勇者が私の動きに翻弄され始めた時

「そろそろ終わりにしましょうか」と言うが

「そうだな。ここまでだな」と勇者は私に返事をした。私は、私が持つ全ての力を使うつもりで戦い続ける。その力を全て出し切った時

「流石は勇者と名乗るだけはあるな。中々のものだったぞ。

だが それもそこまでのものだ。魔王が勇者を倒す事など有り得ない その思い上がりは お前の死によって証明される そしてお前の最期は、この私の手で 送らせて貰おう」そう言うと勇者は

「やってみろ」と言って来た。それから数分後に勇者は倒れ 私は勇者を殺した後に勇者を殺さずに済んだ事に安堵した。私は勇者に、勇者としての役目を終えるように伝えるが、勇者には聞こえていなかったようで「この世界を滅ぼそうとする存在から、皆を守ってくれ。それが、僕から君へ送る言葉さ。さあ行けよ 早くしないと僕は死んでしまう」という言葉を聞いて私は涙を流す

「ああ。必ずや皆の幸せの為に頑張ってくる」と伝えてからその場から姿を消す。

私はこれから この世界に存在する人間と魔族の戦いを止めにいくつもりだ。

「さてと。まずはこの大陸にいる全ての人間の抹殺だな。私の力で 全員を、確実に、そして 速やかに、皆殺しにしてやる。

さてと、では行くとするか。私が 魔王と呼ばれる前の姿で」そう言ってから 魔王は歩き出すのだった 魔王が魔王と呼ばれ始めたのは今から約5千年ほど前だったらしい。その時にはまだ魔王の本当の姿がどのようなものであったのかを知るものは誰もいなかった。ただ魔王と呼ばれるようになってからの魔王はあまりにも強力過ぎる力を持つようになっていた為に人々は魔王を恐れて恐怖を抱くようになる。その魔王の姿が黒髪に赤い目を持つ女性だという事を知ってしまった人間は魔王を討伐する事を決めたのだけども その魔王の

「私を殺したければ私の元へ辿り着くことだ。お前たち人類に私と戦う資格があるとは思えないがね」この言葉を信じて戦うことを決意した。だがしかし その決意は すぐに崩れ去ってしまう。それは何故か?その答えは単純で。誰よりも強くなっていたはずの人間が 次々に殺されて行く光景が広がっていたからである。

「一体何が起こっているんだ」

その言葉が口に出た時には、もう既に 勇者と呼ばれるような存在が、たった1人で多くの敵を殺していた。

そうして私は あの時の光景を思い出してしまった。その瞬間に私の中から溢れ

「ぐはぁっ あっ くっ 」と叫び声が自然と出て来る。それと同時に私は地面に片膝を付いてしまうが、なんとか立ち上がる。そうすると目の前の男の瞳は私を捉えており

「お前は俺と同じ目をしている」と言われた だが、私の目は既に見えなくなっていたのである。その事実を確認した後に、私は目の前の男に対して「この力を受けて 耐えきれるかな」と言い放つと剣を振り下ろした

「ほう。お前が、その気になれば俺が死んでいたのかもしれないが、俺に攻撃が通用すると思うのか?」

私は勇者が放った攻撃をギリギリで回避したが「まさか私の剣が あんな形で受けられるとはね」と言ってしまった。勇者はその私の一言を聞いていたのかは分からないのだが、「次はこちらの番だ」と言うと、剣を構えると、剣を横振りにする。私はそれを何とか受け止める だがその力は予想以上に強力なもので私は後ろに後退する。

「やはりこの程度では お前を倒せないようだな」と呟いた後 私は「お前のその力。この私でも手に負えるものではないらしいな」と言うと私は剣を構える。

すると男は「俺の剣を受け止めるだけではなく この力で 吹き飛ばす事も可能な筈だろう。だが、お前は俺の攻撃を受け止める事で精一杯だ」と言われた。確かに男の言う通りなのかもしれないが 私は負けられないのである。私は男に向かって攻撃を仕掛けると男は私の攻撃を避ける事はなく、そのまま私の攻撃を受けた。「なるほど。今のお前は、その程度の力しかないのか」と私を見て言ってくる 私は男に言われた言葉を聞き「今の言葉の意味が分かるのは、今の時点での魔王と勇者の力の差を知っている奴だけ。お前は何者なんだ」と言うと

「その言葉。どういう意味だ」と男が言い放つ その言葉が放たれた後「お前は何者で、何故ここにいる。お前は俺の仲間の仇なんだ。

この場で 貴様の息の根を止める」と言葉を発すると男は私に攻撃を開始する 私は、自分の体がボロボロになってしまっても、剣を振るい続け、何度も男に向けて攻撃を放ち続けていた。

「ははっ。本当に、お前の攻撃は凄まじい物だな。こんな攻撃を受ける事になるなんて思ってもみなかったよ」

「まだ喋る余裕があるのか。それなら、まだ終わらせる必要はないだろう。

お前は私が殺す。私の全てを賭けてな」と言う言葉を吐くと剣に纏っていた魔力が消え去ると その状態で男は私に攻撃を仕掛ける。

「お前には まだ私を倒す事は出来やしないさ」と言い放つと同時に私の腹部に大きな衝撃を感じてしまう その瞬間 私の意識が無くなってしまいそうになる。私はどうにかして立ち上がり

「どうやら私の力じゃ、勝てる見込みが無いのは、確かみたいだね」

男は私に向かって「お前は、俺を殺す事は出来るさ。俺の本気を出す事ができれば の話だがな」と言ったのだった。

俺は勇者を名乗る男と戦っていたが 勇者と名乗る男の実力はこの世界でも屈指の実力者であった。

だからこそ勇者として認められ 俺のような奴が勇者と名乗れば即刻死刑になるのは間違いないと言える程の強者である事は確かだ。

ただ勇者を名乗った

「俺の名は

『アベル 勇者』だ。魔王のお前は この俺が葬ってやる」

その言葉を聞いて私は「魔王ねぇ。その肩書きで呼ばれるのは好きじゃないのよ。まあ魔王というのは認めるけど、でもね その前に私は貴方に殺された仲間の敵を取らないといけないのよ」と口にすると勇者は「ふむ。それならばお前を殺して お前の仲間の仇を取る事にしよう」と言い放った後に剣を引き抜き、剣を構えた後に私に向かい駆け出して行った。そして私はその動きを見て「流石は勇者を名乗っているだけはあるわね」と言うと勇者は

「当たり前だ。俺が、今まで戦ってきた相手の中では一番の強さを誇っている」

「そんな事を自慢されても私は喜ばないよ。だって 勇者を名乗るような人が強いわけがないでしょ」

その言葉を吐き出すと、勇者に攻撃を仕掛ける事にした。だが

「残念だが、それは違うぞ。俺が、他の連中と比べて 圧倒的に強いだけの事だ」と俺に返答して来た。その返事を聞いた私は「へぇ〜。やっぱり、勇者と名乗るだけのことはあるのね」と呟いた。それからしばらくの間に私と勇者の戦いは続いて行く。勇者の攻撃を私の持っている聖槍を使い受け止め、弾き返すと勇者を追撃するために行動に移る。その行動に移ろうとする私に対して勇者は「無駄なあがきは止めた方がいい。その傷では 長く持ちはしないだろう。それにお前は今の状況から逃げる事はできない」と言って来たのである。

その発言は的を射た事ではあった。だから私は「そうかも知れない。だけど私も死ぬ気はないのよね」と答える

「この状況で お前はまだ諦めていないのか。いい度胸をしているな」と言う勇者に私は「それは褒めているの?」と言うが「ああ。そう受け取って貰って構わない」と答えた

「そろそろ、お互いに本気で戦い始めるとするか」勇者は私に提案を持ちかけてくる それに対して私は「そっちの方が 面白そうだ」と答え、私達はお互い向かい合いながら剣を構えて睨み合う。

「この一戦で全てを終わらすつもりなんでしょうね」私がそう言葉を告げると「当然だ。この戦いが終わっても、まだまだ戦い続ける事になるのかもしれないからな」

勇者は それから数秒間の静寂が訪れ、私と勇者の戦いが始まる それから数十分後の戦いが繰り広げられる。勇者は私に斬られながらも私の隙を突いて 斬りつけようと考えていたが 私には通用しなかった。私は、この場から離れる為に全力で逃げようとしたのだが「お前に逃げるという選択をさせてしまったのは、大きなミスになってしまったか」と、言葉を放つ。だが

「私はお前との戦いから逃げ切る事ができるのであれば喜んで その場から逃げる」と言うと私は背中から翼を広げ飛び上がる事に成功するのだった 勇者と名乗った男を倒せなかった。ただそれだけの事だが私にとってはとても悔しかった あの時の男の動きは明らかに私の力では対処できるものではなく、私の攻撃は全て読まれていた。まるで私の考えを全て見透かしたかの様な動きを見せたのが原因だと思う だけど私は諦めていなかった あの勇者を確実に倒す方法は存在すると思っているからだ。だけど

「はぁ これから一体何をすれば良いのかわからない。だけどこのまま立ち止まっているわけにもいかないんだよね。さてとまずは情報収集かな?」と呟く そして私は勇者と戦う前の場所に戻るとそこには一人の男性が倒れ込んでいたのを発見する。その男性の服装を見てみると兵士という格好をしており私は、どうして彼が地面に倒れ込んでしまったのかを調べる為、彼の元へと向かう その瞬間に私の体全身に鳥肌が立ち、私は咄嵯の判断

「まさか、これは罠?」そう感じ取り すぐに男性から離れようと後ろを振り返る。しかし、そこに広がっていたのは私が目にしてきた光景とは違ったものになっていた そう

「まさか私が 罠にかけられていたなんて でも一体誰が私を罠にかけてきたんだろうか?そういえばあの男 確か名前は アベル と言っていた様な気がする」私は思い出しながら、そう口にすると背後に人の気配を感じた私は振り向きざまに攻撃を繰り出すが、あっさりとその攻撃が受け止められてしまう。

「いきなり攻撃するなんて、ひどいんじゃないか? お前は魔王だろう?なのに何でこんな場所にいるんだ? それと その力。お前の本来の力は もっと上の力だったんじゃないのか」と言われてしまい「私は魔王である事は認めるが、貴様は勇者だと言ったはずだ。それに私は本当の力を出している状態なんだよ。この程度の力しかないと思ってもらっても困る。あと 貴様が言っている通り今の私の力はこんな物だよ」と言うと私は距離を取り剣を構えると「お前からは微かな力が感じられる。お前の力は、それほどの力ではないだろ」と勇者を名乗る男は言って来る

「確かに 私の持つ能力は普通の人間と比べたら強力な力を持っているとは思うが、それでも私は勇者のあんたが言うようにこの世界では最弱に近い存在なのは、事実かもしれない」私は勇者と名乗る男の目を真っ直ぐに見つめると 勇者を名乗る男は

「お前には悪いと思うが ここで俺に殺されるのが一番なんじゃないかと、お前は、俺と戦いたい気持ちはあるかもしれないが、今は俺を殺すのは諦めるべきだろう」と言われたので私は少しイラっとしたが「私とまともに戦う事も出来ないお前にそんな事を言われる筋合いなんて無い筈なんだけど」と言うと 勇者を名乗る男は「俺が、魔王の力に 押し負けてしまうのも 時間の問題なだけだ。お前のその攻撃に 耐え切れなくなるのも時間の問題と言うわけさ」と言う

「それはどうも。私と、ここまでやり合えた勇者は居なかったよ。それに貴方が言っていた言葉は間違いではなかったのね」と言うと勇者と名乗る男が剣を構えた。「俺は、魔王をこの手で葬ってやる」

勇者は私に襲いかかって来た。その行動を見て 勇者がこの場で決着をつける覚悟を決めた事を感じ取ると私は聖剣を手にし勇者の攻撃を聖剣で防ぎながら反撃の一撃を加えるが、勇者はそれを剣を盾にする形で防いで来た 私はその行動を見ていた時に違和感を感じてしまう。なぜなら勇者が持っている剣が私の攻撃に耐え切っていた

「その剣、何かしらの力で守られているのは、一目瞭然。

おそらく その剣の能力によって、この場の状況を保ってるわけね」私はそう口にすると勇者は「その様子だと、俺が手にしている その武器がどういう効果のあるのか理解できているみたいだな」

私は それからしばらくの間に 勇者と戦を続けていた。勇者の攻撃を聖槍を使いながら私は勇者と戦を繰り広げていく。

その最中の出来事で勇者の攻撃を防ぐ事に精一杯な状況になってしまい、勇者は「魔王。どうやらお前はこの程度が限界のようだな」と言い放つ。

その言葉を聞いた時私は心底悔しかったが、この勇者との戦いで私は

「まだ終わらせられないのは残念ね。まあ、まだ勇者を殺せてはいないけど」と言葉を漏らすと勇者が「なら 終わりにしようじゃないか。これで 俺の勝ちだ」と言い放ち、私に剣を振り下ろして攻撃を仕掛けてくる。その攻撃に対して 私は避けようとするが避ける事が出来ずに攻撃を受け止めようとしたがその攻撃は私の想像を超えていたらしく 私の体が宙に浮き上がり地面に激突してしまった 私は それからしばらくの間意識を失いかけたけど何とか持ち堪え

「はぁ はぁ 本当に強い奴と戦ってしまうと こういう事が起こるのね。今まで こんな事は一度も起きて来なかった」と口にし立ち上がると勇者が

「流石に 俺も、これ以上は、戦える状態では、なさそうだ」と言うのだった そして 私は「私は、もう少しだけ、戦いたかった」と言うと勇者は私に視線を向けた後

「お前との戦い 俺の人生の中でも 最高の一時になったぞ。俺が生きている間に魔王のお前と出会う事があるとすれば必ず倒す その時までは 死なないでいてくれよ。お前を倒した後で 俺の願いは叶う」と言ってくる。私は勇者が言い残した言葉を耳に入れて、私は勇者の体から感じる微かな命の灯火が消えようとしている事を理解し「わかった。その言葉 私が死んだ後で覚えておくよ」と答えると勇者の体に異変が起き始めた

「そろそろ この世界に存在する力の限界が近づいてきたな」と勇者が言うと 私は「そう言えば どうして 勇者は私を倒す必要があったんだ?」と尋ねる

「それはお前の存在が 邪魔で仕方がなかった。だから殺す必要が出てきたから殺したまで」と答えると勇者は私を見てくる。その勇者の行動を見た私は「やっぱり 貴方も他の勇者達と同じだったと言う訳ね」と言うと

「違う 他の勇者と 同じにはしたくない それだけは断じて 認めてはならない」

そう口にした。その勇者の言葉を聞いた私は、その勇者が何者なのかを察する事になる そう勇者の正体は【勇者】という役割を持った人物

「なるほど。勇者と いう存在自体が 勇者ではないのかもしれないわね。そうなれば 貴方の望みは叶える事が出来なくもないと思う」と勇者に語りかける

「俺の考えがわかるのか?」と質問して来る 勇者に対し私は「なんとなーくね」と言ってから、それから数分後に 勇者は息を引き取った 私は「結局、私に勝つことは出来なかったわけだけど、最後まで自分の夢を追い続ける為に頑張った勇者さん。お疲れ様です。私もそっちに行くまでに時間がかかりそうだけど、もし私達が再び出会う事があればまた 戦ってくれるかしら」と勇者の遺体に問いかけると「もちろんだ。今度はお互い全開の状態のお前と戦いたから 楽しみにしておいてやる」と言われてしまう 私は「そう言われると、期待に応えないと いけないよね」と言うと私は立ち上がり空を見る そこには大きな満月が存在していた。

私達は その後、一度解散する事になり 私は その翌日に王都に戻り 王様の元へと向かった。そして私は そこで今回の騒動について説明をすると 国王は「ご苦労だった。それでは報酬は いつものように支払わせてもらう」と言うのだった。私は「その件については、もう良いんですよ。今回は 私が勝手に やりたい事があって行動していただけですから」と言う その言葉で国王は 少し考える仕草をしたのだが

「お前が そんな事を言うのは 珍しいな。何か心境の変化でも起きたのか?」と聞いてきたので私は「別にそう言う訳ではないんですけど ただ、勇者と戦う前に私自身に目的というかやるべき事は出来たのは確かなんで その目的を達成させる為には こうしないと行けないのかなって思いました。

なので今回の事は私が勝手にやった事 だから私自身が責任を取ろうと思っていたわけですよ」

そう答えると国王は私の方を見ながら笑みを浮かべた。

「そういう事で あれば 私からは何も言う事は出来ぬが だが 無茶はしてくれるな。お前の体は、お前一人の物じゃないのを肝に命じて置け」と言うので私は

「えぇ、そうさせてもらいます」と答えたのである。それから数日が過ぎて 私とアリシアの二人は、王城にある訓練所に向かうとそこには既に多くの兵士達が居た。その光景を見て「何があったんだろう」と口にすると そこに一人の兵士が現れ「実は、この度行われる大会に向けての出場者を決めないといけない時期になっている。その為に皆が集まってくれているんだ。それに、この大会に出場すればそれなりの名声を手に入れる事ができる。だから参加者が殺到しているという感じだ」と兵士が説明すると私は兵士に「じゃあ 私も 参加させてもらっても良いのですか? 私は、この国の王女なんですが」と聞くと「問題はない 寧ろ この大会で優勝者を出す事が出来れば この国で 勇者に次ぐ存在になれるかもしれないぞ」と言われた

「勇者に並ぶ存在ですか?それは面白そうですね。わかりました。では、私も参加するとしましょう」と言いその場を離れるのであった。それから数日間の間に予選は行われ ついに 私の番がやって来た そして、私は 聖剣を手にした状態で会場に現れたので、当然の事ではあるが、周りの反応が凄まじかった。「なんだ。あれは」「聖剣だと!?あの剣は本物なのだろうか」などと

「そんなに騒ぐことでしょうか?」と呟いていると 対戦相手が姿を現したので私はその人物と向き合う。その人物が

「貴女がこの国の王女で間違いありませんね」と言うので私は「確かに私は この国の王族の者で間違いは無いですが なぜ貴方は そんな事を?」と聞き返すと

「この国の姫となれば、噂ぐらい聞いた事はあるのではないでしょうか?」と尋ねられたので私は少し考えてから答えを口にした

「そういえば 勇者が現れた時に、その勇者の力を封じ込めたとか そのような事を言ってましたが それが事実かどうかはわからないので、判断が難しいですね」

そう答えると対戦相手の人は ため

「やはり貴方に話しても無駄みたいね。私は 勇者としての力を完全に引き出せる。そう 貴方みたいな偽物の勇者とは違う」と私に向かって言葉を吐き出してくる

「あら。勇者は、貴方だけのものではないはずなのに。そう言えば 貴方の名前は なんと言いますか」と質問すると

「私の名は、ルミリア 私は勇者よ。覚えておきなさい」と彼女は言った 私も彼女の名前を頭の中に刻み込んだので私とルミリアの戦いが始まった。戦いの最中に聖剣を手放して 拳を使っての攻撃を繰り出したが それでも聖剣の能力によって聖剣の攻撃力が付与されていた

「どうしました? 先程までの勢いが無くなっているようですが?」と言い放つと、彼女から

「うるさい!!私は勇者だ。この世界の為の希望の光。お前のような偽物になど負ける訳にはいかない」と 声を上げると私の攻撃を避ける動作すらしないで私の攻撃に対して素手で受け止める 私もそれを受けて「なるほど、そう言う訳ですか。でも その程度の実力しかないのに勇者を名乗っているなんて滑稽だと思いません?」と口にする。

「私に勝ったら、いくらでも好き勝手を言えばいい。だけど 負けた時には、私の命令を聞いてもらう」と私に言うと私は

「その言葉忘れないようにしてくださいね」と言うのだった。それから、しばらくすると「流石に ここまでに しときましょう。お互いに怪我をしかねない状態でしょうしね」と言い放ち 勝負を終えた

「まぁーまぁー そう落ち込むことはないさ」と私は彼女に言葉を漏らすと彼女は涙を目に溜めながら私の方に視線を向けた そして、泣き出しそうになるのを堪えるように口を開くと言葉を漏らしてきた。それを耳に入れてしまった私は胸を締め付けられるような気持ちになる そして、そんな風に思った自分が信じられなかった。

「どうして、お前は平気でいられるんだよ。お前のせいで、私達は、何もしていない。ただ普通に暮らしていただけじゃないか!どうしてだよ!」と言われると私は「それは お前らが気に入らない。自分達に非があると自覚もせずに他人のせいにしているお前達には、私の怒りをぶつける必要があると判断したから。それならお前らが悪いんだから文句は言えないはずだ」と言うと彼女は私の顔を見ると、すぐに表情を変えていった。それから 私の方を見ながら何かを言いかけていたのだが、そのタイミングを見計らって 兵士が二人やってくると「貴方達には、このまま連行させて貰います」と言葉を放つと私は、兵士の人達に「私は 大丈夫なので連れて行ってあげてください」と言うのだった。そうすると、もう一人の兵士の人が私の元へと近づいてくる

「貴方が そう仰られるのであれば 従わせていただきますが しかし その前にお伝えしなくてはならないことが あります」と話しかけてきたので

「なんでしょうか?」と私が聞くと兵士はこう言ってきたのだ

「我々は今回の出来事について詳しく話を伺いたく思っております。ご協力お願い致します」と言ってきたので私は了承して王城へ連れて行くように頼むと私は兵士に連れられていくことになったのである。

私達が王城に連れて行かれてから数日後の事 王城の牢獄に捕らえられている私が居る場所まで、私を呼び出すために王城にいる国王の元に、一人の男性が姿を見せた その男性は私の側近でもあり親友でもあった【ルークス】という人物であった 彼は、私を捕らえている王城の中を歩き回っていたのだが ようやく私のいる部屋へと辿り着いたのである 彼が部屋の扉を開けようとしたのだが、その時「おい。勝手に人の部屋に入ってくるな」と怒号が聞こえて来たので、その男は動きを止めてしまう だが、少しの間を置いた後に再度行動を開始しようとしていたのだが その前に私に声を掛けられてしまう

「そんな所で何をしているのですか? 早く中に入りましょう」と言われてしまうと 彼もその男の後に続き入室する事になる そして私達が、その場に到着してから、私達の様子を見守っていた王と大臣達は その光景を目の当たりにして、私は驚きを隠しきれずにいたのである。何故ならば 国王と宰相が椅子に座りながら こちらに顔を見せている状態 これは明らかに異質だと言えたのである その事に気づいたルークスは 国王の方を見るのだが 国王の方はと言うと、そんな

「なにも驚く事ではない。この者達も我々と同じように 話し合いをする権利を持っているという事だろう。それと、そなたも この者達が何者かはわかっていると思うが 一応紹介をさせてもおう。まず こやつが私の息子である。名前は【ロイド=アスターンズ】と申す。以後宜しく頼もう」

そう言うと次に大臣の方が立ち上がり私と対面する形で私に語り掛けてきたのである

「はじめまして。私はこの国の政治を行っている者で『リーサ』といいます。よろしく」と言い終えた後

「さてと、それでは 私も挨拶をさせてもおう。私の名は、アーシャルと言う 今後 宜しく」と続けて言い放つと 今度は、隣に座る男が 私と向かい合わせの形で、私に話しかけて来てくれる その男は私のよく知っている人間であった。なので その者が目の前に現れた事で私は思わず声が出てしまっていた

「貴方が、なぜ こんな所に来る必要があるのですか? まさか貴方まで、この国の王に従うとでも言うのですか?」

私は、そう口にすると、その者は ゆっくりとした口調で話しはじめるのだった

「あぁ その通りだよ。僕も今回の一件については色々と思うところがあったんだよね。それで君に会いに来たわけなんだけど 少し時間があるかい?話がしたい」と訪ねられたので私は彼の問いかけに対して、返事をしたのであった

「そうですか。わかりました 私も貴方とは話が出来ると思ってましたから、丁度良かったです」と私が話すと、私は立ち上がって彼と話せる場所へ移動しようとすると「まて どこに行こうとしている。今は大事な話をしている最中なのだ。そのような事は許可できない」と、その行動を王が止めたが、その行動を、私の側に居てくれたルークスが「陛下 今、彼女と話した方がよろしいと思われます」と助言を口にしてくれると、その言葉で考えを改めたのか

「そうだな。確かにその者の言っている事も正しいのかもしれない。わかった、今は特別に連れて行かせようではないか」と言葉を紡ぎ出してくれたのだった。私は王の方に顔を向けて軽く礼をしながら

「感謝の言葉しか見つかりません。私は貴方の臣下ではないにも関わらずこのような対応をして頂いて」と私が口にすると、それに対して「良いのだ。お前の事は 以前から私の耳には届いていたのだから。その事は知っておくべき情報でもあるので問題はない。それに この国に住む国民を守る為には仕方のない処置とも言える」そう告げると王は私の事を そのまま通させてくれて私は無事にその場所に向かう事が出来たのだった。それから、移動をしていると、私の前に立ちはばかる者が現れると

「お姉ちゃん。何してるのよ。私達に黙って何処かに行ったかと思えば、こんな場所に戻ってくるとか」と言い放った少女が立っていた そして私は彼女の顔を見た瞬間、懐かしい気持ちになってしまった。それと同時に私の心の中で、怒りが爆発しそうになってしまうと 彼女の言葉を聞いた途端、私の中に潜む闇が現れそうになる。その様子に気がついた彼女が、私を止めるように話しかけて来ると 私は、そこで我に返り意識を取り戻した。そして、自分の今の感情を押し殺すと私は彼女に「心配かけて悪かったね 本当にすまなかった。これからも迷惑をかけない為の行動を取りたいと思っている。その為に私はこの場を離れないといけない用件が有るから、もう少しだけ辛抱して待っていて欲しい」と話し掛けると彼女は「うん!じゃー 私達の家で待っているね!!」と言ってくれた。私は笑顔を見せながらも、すぐにその場を離れることにした その先に居る人物に会わなければならないからである。私は王城内のとある場所で 目的の人を見つけ出すことに成功したのである その人物は私の姿を見つける

「貴様は確か 私達と同じで、この国に捕まっていたはずだが、それが 何故此処に居るのだ?」と、私の方を見ながら、そう言ってくる

「えぇ 確かにそうですね。でも それは貴方も同じですよ。なんせ私達には、この世界を救う事が出来る能力が備わって生まれて来たのです。貴方には理解できなくても当然だと思いますけど」と言うと、その人物は、「それは、つまり、私達を、いや、違う。それは、あくまでも貴方が勝手にそう思っていただけのはずだ」と口走ると 私に対して 言葉を飛ばしてきたのである。その言葉を受けて私は、相手の男に対して、少しばかりの怒りが湧き上がりそうになった

「貴方は、私が自分よりも劣る存在だと思い込んでいる。だから私の事を認めないのでしょう。しかし 残念でしたね。貴方は知らないのでしょ 私がこの世界で、最強と呼ばれる存在であると」

「お前のような奴が最強だと!?」

私はその言葉を言われると同時に笑みを浮かべると相手は「お前は俺に喧嘩を売って来たのと同義なのだ。ならばお前は ここで殺しても構わないのだろう。だが 今回は お前が負けを認めれば 命までは取らないでやる お前も、お前の家族や、恋人の命を奪うことはしたくないんだろ」と言われる しかし私はそんな事を言われても何も感じずにいると、私の目の前に一人の男が姿

「久しぶりだな ミィ やはり、お前はこの国の中に入っていたんだな」

そう言葉にすると、その男は、私の横にまで歩いて来て「なぁ ミイ いや 今は、アルヴィーナって言った方が良いのか?それとも まだその名前を名乗っているのなら【アーリィ】と呼ぶが どうする」と聞いてきたのである その問いかけを聞いて私は彼に微笑みかける そして 私は「別に どちらでも良いさ 貴方が私の名前を呼んでくれるならそれでいいんだよ」と答えを出すと、彼が嬉しそうな表情を見せていたのだが 私はそれどころではなかった 何故なら、彼が姿を見せたことで、今まで以上に 私の心の奥深くに存在する【闇】が強くなっているのだ

「あああああ!!!!」その光景を目に収めてしまった私は、心の奥から溢れ出てくる闇の力を抑えることが出来ずにいたのである 私の様子に気がついてくれたのか 彼が私に声を掛けてくる

「大丈夫か? 何かに苦しんでいるように思えるのだが?」

そんな事を聞きながら 私に近寄ろうとしてくるのだが、私は、それを拒否してしまう しかし 私の身体から溢れ出す【黒の力】を抑え込むことが出来なくなっていた なので私は

「あ!!駄目 こっちに来ないで。このまま私の側に来てしまえば、貴方まで 巻き込んでしまう可能性がある。それだけじゃない。私の側に居てしまえば 貴方にも危険が及ぶ恐れがあるの。だから、貴方が私に関わってこなければ、私は、きっと耐え抜くことが出来るはずなの。お願い。私の事は放っといて欲しいの」と懇願すると、彼は私の近くに寄り私に手を伸ばして触れ

「なるほどな 確かにお前が、ここに一人でやって来た理由がよくわかった。お前は その【黒い光の柱】に耐え切れなくなったわけだな」と言う その彼の言葉に、私は驚いてしまった。どうして そんな事がわかるんだと 疑問を感じていると彼は、続けてこう話す

「俺は昔から、そういった物が見えていたんだ。だから、この王城の中は大体見えるのだよ。お前が身に纏っている 【黒の光の粒子】が見えるからこそ この場所に足を運ぶことができた。それで、俺の方も、少し聞きたい事があるんだが良いか?」

その質問に私が答える前に、彼の口から言葉が発せられる

「もしかすると お前の前世は、俺の妻であった【アルージャ=オルナース=アーシャル】なのか?」

その発言によって 私の頭の中では混乱が生まれてしまっていた。なぜならその男は私の事をアイーシャと呼んでくれていたからである ただ一つ言えるのは私の中に居るもう一人の人格の名前であった そう、私は前世では、アルージャーという男として、この世界に生きていたのだ まさかという気持ちと共に私の脳裏では色々な記憶が流れ始めていく そして私の意識は少しずつ消えていきそうになり始めていたので必死でそれを食い止めようとするのだが無理そうだったので最後の力を振り絞るように声を発する事にしたのだけれど、それも虚しく私はその場で気絶してしまったらしいのである。

「あぁ!!」と私は目を覚ます それから私は自分の状況を把握するために周囲を確認していく 私が目覚めた場所はベッドの上で 横にはルークスが座っており、その隣にはあの女がいたのである そして私が起きた事を悟ってくれたらしく、私に話しかけてきた

「お目覚めですか。良かったです。もうそろそろ目が覚めないかと思っていたんですよ。それで体調の方は如何ですか?」と私の様子を伺いながら そう言葉を投げかけて来る。私は、自分が今どのような状態で そしてルークスが私に話しかけてきているかを確認する為に必要な情報を手に入れる為に言葉を口にする事にした

「はい。私は大丈夫です。ご心配かけてすみませんでした。それと 今 私は、どういう状態になっているのか、教えて貰えると助かります」

その私の言葉で彼女は現状を話してくれると 今現在私は 王城に居るということを教えてくれて そして 私が今 眠っている間に何が起こったのかを説明し始める 彼女はまず最初に私に説明を行うのだが、彼女は、自分の過去について語り始めたのであったのだ 私は彼女から聞いた話を要約して 今の彼女の置かれている状況を整理してみるとこういうことになる 1 私が意識を失っている間 彼女はこの国に滞在し

「ある人」に会いに行っていた 2 その人物は、私と同じくこの国に連れて来られた人間であり 元々は、この国の住人である女性 3 彼女の話によると、この国には3人の人物がいて 4人共 特殊な能力を有しており 私はその内の2人と接触を行い そのうちの1人である「ミィー」と名乗る少女を救い出す事が出来た 5 そして残りの一人の「アーリィ」と呼ばれる少女は、「ミィー」の協力者である事がわかっていて、彼女を救出して、一緒に逃げて来たらしい 6 その少女は、「ある男」が作り出した空間の裂け目のような物を潜り抜け そして元の世界に戻っていったらしい 7 この世界の管理を任されていた存在は その

「アーリィ」と呼ばれる人物と何らかの関係があると推測できる存在でもある 彼女は「アーシャリア」と名乗り「この世界を統べる管理者の補佐役のような存在だった」と語ってはいたが、彼女の本当の名前はわからないそうだ 8 彼女は、私と同じように「別次元の」世界からやって来た人間であると、そう言い放った 9

「その人物こそが」と彼女が口を開き 自分の前世の夫である「オルナート」という名を告げられる 10 そのオルナートは、彼女がまだ幼い時に病気で亡くなってしまい、それ以来ずっと一人きりで生きて来たのだという

「ミィー」とは幼馴染の関係にあったらしく お互いに恋心を持ち合わせており 将来を誓い合っていた間柄でもあったようだ

「その二人は、一体どんな経緯があって、この世界にやって来たのかしらね」

「それはわかりませんが 恐らく何かしらの事件に巻き込まれたのではないでしょうか」

「それは 私達のように 転移させられたっていう事かしら?」

「はい。私はその可能性が高いと思っています。私達はこの世界での身分証を持っていなかったのでこの国に辿り着くまでは大変苦労しました。なので 二人も同じような状況になっていたとしても おかしくはないと考えています」

「確かに その可能性も考えられるわね。それにしても 貴方のその髪の色は、貴方が元々住んでいた世界は違う世界であると証明しているようなものね」

「えぇ 私は、前世が、別の世界の住民だったようですね」と口にすると

「貴方の前世は男性だったのね」と言葉を返されてしまって私は恥ずかしくなって 顔を下に向けてしまうのであった

「はい」

私が返事をするなりその人は、私に対してこんな提案を持ち掛けてくる その内容は 私の事を調べさせて欲しい という内容のものだったのでその人に私の事を調べるように依頼を出す事にしてみたのだ その結果は後で伝えると言われてしまい どうなっているのかを早く知りたくてしょうがない気分にさせられる

「それで貴方は、これからどうするの?何かやる事はあるの?」とその人物は尋ねてくる

「はい 私はこの国の中で起きた事件を解決しなければならないと考えているんですけど、何かいい案がありませんか?」と私自身が思いつくままにそんな事を言うと、その女性がこう言う

「その問題と、貴方の目的が関係しているのか分からないのだけど」と言いながら私の事を指差してくる「貴方が先程戦った相手のことなんだけど」と言うのである

「その男のことがどうかされたのですか?」

その言葉を聞いて私は疑問に感じてしまう 何故なら その男が私の事をどう思っていたのか理解できていたからである

「私は、彼に何もされていないし 彼も私に手を出していないはず」だと言葉にするのであるがその女性は

「確かに貴方に手を出してはいなかった。けれど貴方の側にいた貴方の仲間の女性を殺そうとしたでしょう。だから、あの男には 何らかの処罰が必要だと思うのよ。でも、この世界の中ではそんな事はできないし、そんな事はしたくても出来ないようになっているのよね。だってそんなことをすれば私達が死んでしまう事になるもの。私達がそんな事になってしまえば、私達の存在が消滅させられてしまう恐れがありますから。そうなった場合 私は、二度とこの国へ足を踏み入れることができなくなって そして貴方に逢うこともできなくなってしまう」という事を告げてきたのである その女性の話しぶりを見て私はこう考えてしまった その女性は自分の意志で行動しているのだろうか?それとも誰かに指示を受けて動いているのであろうか? 私はそのことについて質問をしてみることにしたのだ その答えは「この国の王の意思により」動く

「そうですよ」という答えを返してくれた そして その王の名を聞くのと同時に この国の女王の名前を知るのである その名は『アルヴィナ』と教えられて 女王陛下の名前なのだがその名前が何故か懐かしいと感じる

「ところで、私は 貴方のお名前を伺っていなかったのを思い出したのでお名前を教えてもらえないですか?」その言葉によって私は自分の名前が分からず困っていたことに気づく 私は、自分が誰なのかさえ思い出せなくなっているのだから そして自分の名前を「アーシャ」と名乗っていたと記憶が曖昧な部分もあるが教えてもらう事にした そうすると 私に名前を教えた人物は

「私は、この国の宰相を務めている。エルシアと申します。今後共よろしくお願いします。私の名前は 【アリサ】と呼んでください。では私はこれで失礼致します」そう言うと部屋から出て行ってしまうのである その人が出て行った後に

「さっきの人が、この国を動かしている人で、私に名を与えてくれた女性なの?」とルークスさんに問いかける その言葉にルークスはこう答えた

「はい 私も 彼女と初めて出会った時 彼女に名を与えられました。彼女は、この国でただ一人私と同じ前世の記憶を持っている存在であり、私が知っている限りでは、前世の名前が同じだったのでおそらく 前世の名前を 私に与えたのだろうと考えております。しかしどうして彼女だけは この世界の管理を行う者の手助けを行っているのか 私にはわかりかねているんですよ。まあ彼女の真意については 直接本人に確認して頂ければと思います」と口にしていた それから 私はこの国について調べた事をルークスに報告して、その日は終わりを告げるのであった それから数日後の事 私はルークスと二人で、この国を歩いて回っており ルークスが、とある場所で足を止めたのである。そして彼は、そこに向かって歩き出し私も一緒に付いていくと、その場所が墓地である事が判明したのである その事に私は、嫌な感覚に襲われ そしてこの場所に眠る人物の顔を見に行く為に墓石

「この人の墓は何処ですか?」とルークスに尋ねると、ルークスがその場所に案内してくれると、そこは一つの墓の前だった

「このお方は一体誰なんですか?」と私が言葉を発すると

「それは 貴方もよく知っている方なのです。そう ここに眠り続けている人物は、この世界の管理を任せられていた存在です」と口にすると、ルークスが言葉を続けたのである

「この世界の管理を任されていた存在であり、魔王と呼ばれている存在でもある」と口にしたのであった

「えぇ!!」私は驚きの言葉を発してしまう その声

「私も驚いたんだからね」という言葉を口にすると、その人は私の手を握るのである

「それでその人が、一体どんな人かを知っているの?」

「えぇ 彼女は、元々は 人間だったのよ」

私はこの言葉を聞いた瞬間、自分の身体が熱くなるような感覚を覚えるのである 自分の前世の知り合いであり恋人でもある人物がまさか人間では無かったなんて思いたくもなかった しかも、私が愛してしまった相手が元々は人間でなかったなんて事実を知らされてショックを隠しきれないのであった その人の容姿があまりにも綺麗すぎてついつい口に出してしまう

「貴方は人間ではないのですね。その見た目が、あまりにも美しいせいか」その事について私は、少し不敬に当たるんじゃないかと思いつつ口を開いたのであったが、その人物は、笑顔を見せてこう言葉を紡ぐのである

「褒められると、やっぱり照れちゃいますね。それにしても 私の姿は、この世界の住人が作り上げたものなのですよ。その住人というのは この世界の神みたいな存在だったりするので 私の姿がこんなにも美人なのは当たり前と言えば当然のことなのです」と嬉しそうにしている姿を見ていると 私自身も嬉しい気分になるのである その事についても彼女は口にするのであった

「この世界の管理を任されることになった私は、元々普通の人間だったのですが、ある時にこの世界に迷い込んで来た存在がいたんです」そう言って、私の方に視線を向ける

「その人物こそが この世界で生まれ育った存在であるのと同時に その世界に元々暮らしていた人物で、私と同じようにこの世界にやって来て、この世界で生活を始めようとしていた人物だったんです。でも私は、その時の私はこの世界にやって来るまでずっと一人きりで生きて来ていて その事もあってその人に心を開く事ができた。私はこの人と一生を添い遂げたいと思った。そして私達の間には子供が生まれた」その事を話し始めると

「私達の子供が、貴方だ。この世界を管理してくれと、その人に頼まれていたんだよ。貴方はこの世界で生まれ育ち そして今、ここに戻ってきている」と言葉を続けるのである 私達は、その女性が住んでいる家へと向かうのだが、その途中で

「ところで、私の事は、覚えていないのかな?」と聞いてくるのである 私は首を横に振るのである すると

「まあいいでしょう」と言ってくれるのだが 私は、本当に思い出せなくて申し訳ない気持ちになってしまうのであった

(私は、一体どうしたらいいのでしょうか?)

私がどうしようもない事に対して頭を悩ませている時にその人は、私の肩を叩きながら私に注意するのであった

「あの男には気をつけて 私は あの男をこの国に入国させるわけにはいかないから」と真剣に話してくれたのである その言葉に対して、私の事を大切に思っていてくれるのだという事が伝わってきて嬉しく感じたのだ そしてしばらく歩いていると一軒の家へと辿り着くと、その家のドアを開け

「あら?今日は何の用事で私を訪ねて来たの?」その言葉を目の前の女性に言われて 私はどう返答すればいいのか分からず戸惑っていると

「この人が、貴方に会いたいと口にしていたんだけど その事を気にしてくれて ここまで連れてきてくれたんですよ」その事について女性は感謝を述べて頭を下げた

「いいですよそんなこと、私は 貴方の為になったなら、それだけで幸せだから。それに私はこの子の母親なのよ」と口にすると 私はこの女性を見て何かを感じ取っていたのだ それが何かと言葉にするのは 難しかった だが私の中で 懐かしさを覚えていたのだ そんな感情を抱いてしまっていた そして、私はこう思っていたのだ もしかしたらこの女性になら、何か教えてもらえるような気がすると

「貴方に頼みがある」と私がその人に対して言葉を発した時 私の背後にいた男性が慌てる素振りを見せた

「何の話なのかしら」と 女性は言うと私に向けて「あなたがこの男性と知り合いだという事は理解したわ」と 言う

「そんな事は関係ない」

「どういうつもりなのか説明してほしいの」と女性が口にした そして 私は、その男についての疑問を話すのであった 私が 何故この男と知り合ってしまったかという理由とその経緯と それから何故 この男が私の事を執拗に追いかけてくるのか?そしてその理由を知りたいということを口にした時

「私は、別に貴方達二人の間に、何か特別な事情があるとかは、知らないけれど、この男が貴方を追いかけまわす理由は、多分だけど、自分の物にしようとしての事だと思うのよ。でも貴方は私の娘だから 私にはこの男のやろうとしている事に、どうしても協力できない」

「どうして お母さんは お父さんを、毛嫌いしているの?」と娘は母に問うと母は答える

「あいつには 散々酷い目にあわされてきたの。あいつは、貴方の父親と一緒の存在であって欲しくないから だから私は貴方の味方をするの」その言葉に私は、「ありがとうございます。私の為に そのように言って下さって、貴方は どうして そこまで私に親身になってくれるのですか?」そう私が問いかけると「私はね、貴方を産んであげた。その時にね 私に力を与える代わりに 自分の娘の願いを一つ叶えて欲しいとお願いされたんだ。そのお願いというのが この子が無事に生まれてきてほしいというものだったの」その話をすると娘は涙を流したのであるが「お母さん それだと 私が無事に生まれたことで貴方に何かメリットがあるんじゃ?」そう私に言われると その母親はこう口にした

「そう 貴方が生まれた時点で 私に与えられていた役割という物は無くなったに等しい だからこそ私は この子の為になるのならば何でもしようと思えたの だって私は、貴方のお祖母ちゃんなのだから」その話を聞いた時、私は思わず涙を浮かべてしまうのである それから数日が経過して私はある出来事に巻き込まれるのである その日の夜に、私は自分の部屋に戻ると、そこに一人の人物が

「こんばんは 君と話がしたい」と言うので「誰なんだろう?」私は そう思いつつも この国で起きている問題 つまりは、私が巻き込まれてしまっている問題について質問をしたのであるが

「それはね、貴方とこの国の問題 貴方はもう この国の民の一人なのです。この国から逃げ出す事もできるけど、そうしたら貴方はこの先の人生が苦しくなってしまう」その言葉を私が聞かされると「じゃあ 私はこれからどうすれば良いの?」と言葉を漏らす

「貴方が今持っている物を使って問題を解決する事は可能 でも その方法を私が伝えると それは私の口から貴方が伝えないと駄目になる。ただ貴方が伝えた方が、貴方も安心して行動できるようになると思う」と言われたのである 私はその言葉を聞き入れ そして

「わかりました 私の力を貸すのであれば、貴方の手伝いをしましょう」と私が口にするのであった 私はその人物に名前を聞かれる事になる その前に「私は この世界の神みたいな存在なのです」と言ったのだが「貴方の名前を知っておかないと不便だ」と言われるのであった。なので、私は自己紹介を始めると

「私は アーシャリアと申します 宜しく」その言葉を口にすると 私は「はい」と答えた その後、私は名前について尋ねられると その人物は私の名前を 私に伝えると 私にこう言ってくれた

「私の事を呼ぶときは、アルヴィーと呼ぶのが妥当ですね。では早速で申し訳ないのですが」そう言った後 その人は自分の能力について語ってくれたのだった。その内容は私自身に宿った能力を、そのまま使っても良いか?という質問だったので 私は勿論了承したので、次の瞬間私自身の体が輝き始め光に包まれていくと私の意識はその光によって飛ばされていったのである。

その女性が何を考えているのか?そんなのは全く見当もつかないが、今は取り敢えずこの男から逃げるのが最優先だと考えていたので必死になって逃げ続けていた

「おい待てよ!」と 後ろから男の声を聞いて私は焦燥に駆られる そして私は振り返り その男の顔面を殴ろうと考えたが

「おっと危ない、お前のパンチなんて効かないんだよ」そう言い放った後に私の腹を思いっきり蹴り飛ばすのであった。そして 男はこう言葉を続ける

「俺は あの男とは違うんだよ。あの男は俺と同じ転生者だった。でも、この世界の人間として生を受けるはずだった存在だ。あの男がどんな人物なのかは知っている だけどお前は違うだろ。お前のその容姿を見ている限り その辺にいる町人と何も変わりがない。その程度の力しか持ち合わせていないのなら、その体で俺を倒す事はできない。その事は自分自身がよくわかっているはずだ。それでもまだ俺に向かってくるのか?その覚悟を見せてみてくれ」

私は、その男の言葉に対して怒りを覚えると「あんたにはわからないでしょう。この世界に突然やって来て この世界に迷い込んでしまった私達親子のことを。この世界に生まれ落ちるはずの子供なのに。その子供が生まれた途端に殺されてしまった。そしてその母親である人は、この世界で生きてはいけないと言われてしまい その事実を知った時のショック 私にはわかる。私にも息子がいたのだから。その人の事を考えてしまうと、私にとってその男性は許せないの」その話を聞くと男は

「そんな事がこの世界で起きていたというのであれば、その女性をこの国に入国させたくなかったのも理解できる。だからと言って その女と子供を殺した そいつを許す事ができると思っているのか?」

「いいえ、許すつもりは無い。私は私の大事な物を この手で守る為に立ち向かわないといけないの」

その言葉に対して男は「そんな事を言っていると、いずれは死ぬぞ」と口にする だが私は「それでいい 私は死を恐れていないから」と言い放つのであった 私が、私の目の前に倒れている男に向けて、剣を振り下ろすと

「その攻撃をまともに受けた所で、無駄だと分からないのですか?」とその男に言われたのだが 私は「この攻撃を受け止める事が出来ない奴には 私は負けません」と答えると、私は その男に攻撃を仕掛けると 男は余裕綽々な態度

「確かに貴方の攻撃を防ぐ事は難しいでしょうが、その攻撃を避ける事は難しくはありませんよ」と口にした直後

「ぐはぁー」私は男の事を斬りつけたはずが、逆に男の体に傷がつくと

「何なんだ今のは」

その男は 自分の身に何が起きたのか?それを全く分かっていないようで

「まさかこんな結果になるとは」と驚きの表情を浮かべていた

「何で貴方は無傷なの?」

その問いかけに対し

「私の場合は、自分の体を硬質化する事でダメージを防いだのだよ」と口にすると 私から距離を取るのである 私はその行動に少しだけ疑問を抱いた

「どうして距離を?」その言葉を私は言うと

「君に聞きたい 何故そこまで頑張ろうとする?」その言葉の意味がわからなかったので私はこう返答をした

「どうしてそんな当たり前の事を聞くの?」

「この国に住む住人の大半はこの国を変えようと思わない」

「この国は、この世界は 私達のいる世界とは 違いすぎるのよ」その答えにその男が納得してくれたかどうかは不明 しかし「この国の王になれば変わるかもしれない 貴方がこの国の未来を担う」と私が口にすると その男は何も反論する事無く黙って聞いてくれるのである 私はその言葉を言い終えると

「貴方の事を応援しているわ 私は 貴方の味方よ」と 私が言うと

「君は 不思議な雰囲気の女性だ。まるでこの世界を憎んでいるような目をしているが、何かを成し遂げようとしているのだろうか?私にはその辺りの事情がいまいちわかっていない」そう告げてきたので 私は「貴方が私に話しかけてくる理由もわからないし 貴方が何を目的に行動しているのかもわからないけど でも私は、私のやるべき事を見つけた。私は私の大切な人達を守る為に、私は私自身が出来るだけの事をするつもりだから それだけは分かっておいて」そう答えると 私はその場から去ることにしたのである。その私を、私の後ろ姿をずっと見ていた男であったが、私がいなくなったのを確認すると 私の後を追いかけようとする しかしその男の行動を見たアーシュは、私の身を案じるのであった

「あの男を追いかける事が 貴方にとって一番危険だって 貴方も理解しているのでしょう?」と

「私にはどうしても行かなければならない場所があるので」とアーシュは男に言うと その男は不敵な笑みを見せる

「まあ私としても 貴方を捕まえて 連れ帰るつもりでしたが、今この状況を見て貴方がここに来るのを止めるわけではありませんよ」

そう口にした 私の名前は リディア そして 娘のアリシアです 今現在私達が滞在している所について説明しますね 今私達はとある宿屋の中にいます。この部屋は、私の知り合いである商人の方が経営をしている宿屋であり、部屋代が非常に安く宿泊する事ができました なので、私達はここに滞在しているのである その宿屋に泊まる

「いらっしゃいませ。今日はどのような御用でしょうか?」

そう宿屋の主人に声をかけられると

「部屋を借りようと思いまして」

私がそう答えると

「そうですか。お一人様 一泊 銀貨3枚になりますが よろしいでしょうか?」その問いかけに対して私は「はい」と応えた その後、私の娘のアリシアがお金を支払うのであった。

私達がこの宿に泊まり始めて 既に2週間が経過する。

私達は、この町にしばらくとどまり情報収集をしていた この国の現状を調べ上げ、この国の問題を解決しなければならないと思ったからなのである

「お父さん、お母さん 私はこれからちょっと外に出てきます」と娘は私達に外出する旨を伝える

「何処にいくんだい?」と私が訪ねてみると

「この前、この近くに魔物が現れたと聞いたから それを調査しに行ってきます」と言う 私は「それは 本当なのかい?」と そう言葉をかけると

「本当かどうかはわかりませんが、目撃情報が多数ありましたので」と口にするので「それは心配だからついて行くよ」

「いえ大丈夫ですよ。私は強いのだから」と言うので その言葉を聞いた その話を聞いていた宿屋の主人が口を開く

「あの〜失礼かもしれませんが、奥さんと子供さんの二人で外に行くのですか?護衛の方を連れていかないとなると 少々無謀ではないかと思われますが?」と 主人の娘が「私一人で十分」と言って、私の同行を拒否する。

私は娘の言う事が正しいと思っている。だからこそ私はこの子の行動を否定できないのである。私自身この子に、私以上の強さがあるとわかっている。だがこの子が、私の想像を超えた力を持っていたからといって、それに甘えてばかりではいけないと

「お前の言う事も分かるが ここは親として、子供のわがままを聞いてあげるべきだと私は思う」と言うと「そうよ 私達なら この程度は平気」

その言葉を聞き「分かりました。それではご武運をお祈りいたしております」と宿屋の主人が言った。私は「行って来なさい」

そう言い残して宿の扉を開けると、そこには 一人の男が待ち構えていたのだ 私はすぐに警戒をすると「貴方は誰?」と聞くと「私の名を知りたいというのなら教えてあげてもいいが、私は貴女と敵対するつもりはないよ」と口にした。私は

「そうは見えないのだけど 一応は言っておくと、私達の事はほっておいてもらえないかしら?貴方の目的を詳しく知りたいとは思わないけれど、もしこの国に危害を加えようという気持ちが無いのなら私はこのまま何もしないから」と私は言うと 男は少し驚いた顔をしてから

「私の目的を知っても驚かないとは やはり君はこの国で生きる者達とは別物のようだ。どうやら君の事は本当に興味深く感じてしまったよ」その男は、私に対してそんな風に語りかける

「貴方はこの国に恨みでもあるの?貴方からは そんな気配がするのだけど?」と私が言うと

「君には関係ない事だろう?それよりも一つ質問させて貰うが、この国は変わったとは思っていないかい?」そんな事を口にしてきた為 私は、この男に対して 敵意を抱くのだった 私達親子は、その男性から逃げ出した後、町から離れた森の奥に、隠れるように暮らしている家族の元に向かったのである その家族というのは エルフ族の人達なのだが、私達は、彼らから色々と学べることがあると思い、こうして定期的に交流を持つようになっていた

「あら珍しい 人間なんて珍しいわね」と女性の人が口にした為

「私に、貴方方の種族に伝わる魔術を教えてほしい」と私が言うと「私達の一族に伝わってきた魔術でいいの?」と聞き返してくると「それで構わないのでお願いできる?」と言うと「いいでしょう 貴方には私達の一族に伝わってきた、特殊な技を身につけてもらう為に教えるつもりだから 貴方のやる気が有るのならば、しっかりと習得する覚悟をしておいて」と言われたので「ありがとうございます」と言いながら頭を下げると「じゃあまずは準備体操を始めましょう」と言い出した。その女性は、その言葉で私は、何をさせられるのか?不安になったが、「この動きを、1日20回繰り返してみて」と彼女が言ってきたので、その女性の指示通りに体を動かしていく その途中で何度か休憩を取りつつ 私はひたすらに訓練を続けると、徐々にではあるが その女性が言うような動きを私は出来るようになってきた

「貴方の身体能力の高さには驚きましたが、これでやっと最低限の水準に辿り着きましたね」

彼女の言葉を聞けた時、私は嬉しくなって、笑顔になってしまう

「そうですか それはよかった」と私が口にすると 彼女は「まだまだ覚えるべき事があります。次は、これを行いなさい」と、私がその練習を必死にこなすと、少しずつではあるが上達していく感覚を得る事ができるのである。私は彼女にその事を素直に伝えると

「それは貴方に素質があるからですよ」

彼女は私に向かってそう言う それから私は毎日のようにその特訓を行う事になるのだが、ある日私は、この国について少しだけ考えるようになった それは、私が住んでいるこの国には 私の知っている世界と、少し異なる部分が存在しているという事に気づいたからである その相違点とは 【魔王】と呼ばれる人物が 存在していることなのである この世界に存在する、ある特定の者が持つ称号のような存在 その【勇者】や【大賢者】などは、世界を救う為の救世主的な役割を担う事が多い しかしこの国の場合は、その【魔王】が世界を滅ぼそうと暗躍している 私はそんな話を聞いていて 私自身も世界の脅威となる存在と戦う運命を背負ってしまった。私はそんなことを考えるようになったのである私はこの世界において 私がこの先 何を成していくのか?それを今考える必要はない。しかし 私は私自身の未来を考えなければ ならなかったので、私は、この国の事をもっと知る必要はあると思い 私はこの国から脱出する事を決めたのであった。しかし私が、この国の事について 調べ始めた事を察知したのか、その情報を漏らさない為に その情報が外に漏れる事を恐れ、私達が泊まっていた宿屋は襲われる事になったのである。宿屋に私達が居ることが知られてからの襲撃だったので 私達は逃げる事しかできなかった そして私は 娘の事を心配する。その襲撃の際、娘のアリシアは行方不明になってしまった。私達は 娘の事を救い出す為、この宿に泊まるのをやめることにしたのである。この宿に居続けるのが、娘にとって危険になると判断したからだ。そして、宿屋の人に事情を話した後、私達は、この国を離れ、他国へと移動することにするのだった。

俺の名前は レイフォンだ。

俺の名前はレイフォン 今現在俺達は、旅の途中で立ち寄った小さな村にいた。俺はこの村の子供達に剣の使い方を伝授しながら生活していた だがそんなある日 突然村に異変が起きたので 急いで外に出てみると そこには この辺り一帯の森に生息していた魔獣が姿を現していた。俺は、それを確認した後 その対処の為に 魔闘衣を着用する。

この世界の魔法技術で作られた装備 これが魔道士が着用して戦闘に使う事の可能な 専用装束なのだ 俺は愛用の双銃剣を構えると その銃口から 無数の光弾を放った。この攻撃によって、多くの敵を討伐する事ができた。俺はそのまま森の方まで行き、そこで戦いを続けた。だが森の中に入ると、今度は複数のゴブリンと遭遇する。だがゴブリン程度では、俺を止めることなどできやしなかった。

その後、ゴブリン達を倒した後、少し時間が経つと、他の仲間達が駆けつけてくれた。俺は彼らに礼の言葉を伝える すると彼らのリーダーが

「お前にこんな頼みごとをするべきではないとわかっているんだが、この近くの集落の連中を守ってやってくれないか?」と言うと「わかった。だが何故?」と聞くと

「この付近では最近、魔物による被害が出ているんだよ」と言ってきた それを聞いた後 俺は、近くに存在していた集落の人達を守る為の戦いを始めるのである ◆□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 〜アリシアside〜私は今日からお父さんとお母さんと一緒に、この近くにある集落で生活する事になったので私は両親と共にそこへ向かう途中にある出来事が起きる 私が両親の前を歩いていた時だったと思う。突然私の前に、一人の男性が姿を見せたのである。

その人は、私に襲いかかろうとした、ゴブリンを一瞬にして斬り裂くと、その男性の実力を 理解した私は、思わず感嘆の声を出してしまったのである。そして その人が「この付近にも魔獣が現れたようですね。とりあえず僕は周辺の魔獣を倒して来ます」と言うと、どこかに立ち去って行ったのである。私はその人物に対して、感謝するのと同時に尊敬の気持ちを抱くようになる。

私とその人物は、偶然出会っただけだったのだけど、彼は、この周辺に現れた 多数のゴブリンの群れに対して 圧倒的な力を見せつけた。

彼の放つ 凄まじい斬撃と 魔術による攻撃に私は見惚れてしまい 私の体は震え始めるのだけど、そんな私の肩に、父が手を乗せてくれると 少し気持ちが楽になったのだった。

私も 彼みたいに強くなれればいいんだけどな。そんな風に思ってしまう。だけど私は自分の力で 大切な人を守り抜くって決めた。

私達の村は森の近くにあった。その為 魔獣が、頻繁に現れる場所であり、私は、その事を気にかけていた。私の住む家の周りには、私の育ての親と 弟妹達がいる。

そんな私の不安を見抜いてくれたのか「姉ちゃんが守ってやるから そんな顔しないでよ」と言う そんな風に言われて、私は笑顔で返事をした 私は、私よりも年下の弟妹達と触れ合い、一緒に遊び始めた そして 夜になり みんなが眠りにつく頃 私達の家は、魔獣の襲撃を受けることになった。私は 慌てて家の外に出るのだけど、既に私の周りを囲まれていた 私は、私を守ろうとして、戦おうとする人達を避難させながら、私も戦う。私は、自分が持つ才能を最大限に発揮して、私を殺そうとする魔獣に対して反撃を開始した だけど私にだって 守りたいものは存在する。私が今ここで死んでしまえば 家族を失う事になる。だから 私は死ねないの 私がどれだけ傷を負っても この場で命を賭けるような行動をする訳にはいかないのだから 私が必死に抵抗を続けていた時 私をかばうように、両親が私の前に現れた そんな父を母を見て 私は涙が溢れ出しそうになってしまう 私が泣いてしまうのは許されない為 私は必死に耐えたのだった。それから 父は、私が今まで目にした事のないような動きをして、次々と、襲ってくる敵を撃破していくのを私は目撃してしまった。そんな姿を見て 私の中にある何かが強く反応し始めたのだ 私が感じたもの それが何なのかわからないけど、それでも 私は父の動きに感動を覚えた。それと同時に 私が今こうして生きている意味を理解し始めた 私の目の前で起きているのは、まさに奇跡 そんな光景を目の当たりにしている私には、不思議な感覚が生まれ始めていたの まるで 私にも、これくらいの力を身につける事が出来るのではないかという自信が生まれた瞬間でもある。私は父の後ろ姿を見た後に、私の周囲を取り囲んでいる敵に攻撃を仕掛けていった そして私が その力を身につけて初めて その力を発揮したのが、私を取り囲み 襲いかかってきた魔獣達である 私の放った一撃によって 多くの敵を葬る事ができた。そんな私が見たのが 父が倒していたはずの 魔獣の大群が突如復活してしまい 私達の家を破壊せんと、私に襲いかかろうとする瞬間である。私はその事を認識した後 すぐさま、私に近づいてくる、父と母に「危ないので早くこちらに避難してください」と声をかけた。私がそう言った後、両親は 私の方に走って向かって来る。私は二人を守るために、敵の攻撃を防ぎきろうと、防御の構えをとるのだった。そして私に襲いかかる、強力な打撃と衝撃。そして その直後に 激しい爆発音が鳴り響いたのである。だがその音の正体が一体なんであるのかは私にはわからずにいたが 私の視界が回復してきた時には 私を襲った魔獣が消え去り 代わりに私が知る人物が存在していたのである。その人物が誰であるのか私は知らない。だけど、その存在が私にとって とても大きな存在である事は理解できるのであった。私を助けに来てくれた存在は、私をかばいつつ、私の周囲に存在していた敵の殲滅を行っていく その圧倒的なまでの強者の姿を前に、私の心の中に芽生えた感情 それは恐怖でもなければ、怒りでもない 私を守ってくれている その人の強さへの憧れである。その人から感じる気配 それは 私がまだ一度も経験したことの無いものだ 私もいつかこの人の隣で戦いたい。そんな思いが生まれる。だが今は、そんな事を考えている場合ではない この人を魔獣から守る為に、私が出来ることをしなければ。私は、私自身の限界を超えてまで この人に、ついていこうと決意を固めるのであった。だが私に出来るのは、その人の戦い方を観察して、学ぶ事であると思い至る。そうやって観察を続ければ、その人の力になれたりするかもしれない そう考えてしまう。私は 私なりに 頑張る。

そしてその日は無事に終幕を迎える事が出来たのであった。だが翌日に事件は起きた。再び 森に異変が生じたのである。

私の家族はその異変に対応しようとした だけど私の父が言うには、今回の異変に対しては 私達は無力だと言い放っていた しかし その時の私は 昨夜のあの人が 助けてくれた時に見せた 強さの片鱗が気になって仕方なかった為 私は、その異変を解決できる可能性を持った人を私は一人だけ知っている。そう思ったので、私に出来る事があれば手伝いたいと、お願いをしたら、私は森の奥に向かう許可を貰えたのである。そして私は 森に向かって進み出したのだった。だが、私は 森の中に入ってからしばらくすると 魔獣に襲われたのだが、その攻撃をなんとか防ぐことに成功したのである。

そして私は 魔獣を倒した直後 私の近くに誰かが存在している事に気づいたのである。その人は

「こんな森の中で一人でどうされたんですか?まさかとは思いますが迷子というわけではないでしょうね?」と質問を投げかけてきた そこで私は、彼に私の持つ力を見られたくない そんな理由がある。だからこそ、私は「いいえ私に迷いなど存在しません。この森に住む 貴方の大切な人達を守る使命を この身に課しているのですよ」と答えるのである。

すると

「ほう ならば君の目的はなんだい」と言われてしまい そこで私も答えようとした時である

「俺の問いにまだ答えるのは早かったようだね。君は、俺が想像している以上に優秀なのだろうね」と言われるのだけど 私としては、褒められても困るという部分があるので「いえ、私なんて、まだまだ弱いです」と言う そんな私の言葉を聞いた彼が「そうかな 俺の目から見ても、君は十分に強いと思うよ」と、私にとっては ありがた迷惑な言葉を言ってきた。

その言葉で私は、嬉しいと思ってしまった だってその人から見たら 私はそこまでの存在なのだと思ったから 私がその言葉に照れてしまっていた時 私は魔獣と遭遇して 私は咄嵯にその魔獣の攻撃を防ぐのである。そして その後、魔獣を倒すことができた

「ふう 危ないところでした。それでは行きましょうか」と言うと

「ちょっと待ちたまえ。その魔獣は、普通の個体と少し違った点があるのさ」と言うと、その人が倒したはずの魔獣の死体が突然、光となって消えたのだ 私が驚いた顔をしていると、そんな私に対して「まあ驚くのも無理はないよね。魔獣の核である 魔結晶は心臓に近い位置に宿り、それを守る形で体内に魔獣が発生するんだ」と説明した それを私は聞いた後に納得をする。確かにその話は私の常識と異なっている 私は 私の知識をその人物に披露することにした。だけどその人は私の話に興味を示すこともなく「とりあえずは集落に戻るべきだね。それと、もし良かったらだけど僕も同行させて欲しい。少しだけ気になる事があるんだよ。それに 僕は君よりも遥かに弱いのだけど。だけど、そんな僕の頼みを引き受けてくれれば 必ず役に立てると断言しよう。どうだろうか 君の目的を果たす為に、僕の願いを聞いてはくれないかい?」と言ってきた そんな事を言われたら断れない。私は「わかりました」と一言告げて了承したのである。私は、彼の背中を追う形で、集落に向けて歩みを進めていく。だが彼は、私が付いて来られているかを気にする様子も無く進んでいく それから程なくして 私達の元に辿り着いた。そこには 私が探し求めていた その人と同じような力を持つ存在と出会えるのであった 私達が出会った存在 それが私達の探していた存在だとわかったのは、本当にすぐの出来事であった。

私の前には 強大な魔力を持ち そして私が探し続けていた存在と似た力を放つ その人物が居たのである 私はすぐに彼に声をかけてみた だけど彼は、私のことを覚えていないのか 全く反応を示してくれる事は無かった。だけど私の中で確信に近いものが生まれた それは、彼も私と同じ様な能力を持っていると理解する事が出来たからだ そんな私達の目の前で繰り広げられるのが 彼とその仲間達との戦闘であった その戦いに私は見入ってしまう。それは、その人物の圧倒的なまでの戦闘能力の高さを私は目にしたからであり その光景を目の当たりにした私は、私の家族や村の者達の為に、私にも出来る事をするべきだと思い、行動する決意を胸に抱いたのである。そんな私が まず行った行動は、その人の邪魔にならないようにと離れた場所に移動することであった 私が移動した後 私の家族が住んでいる家に被害が出る事無く 戦いは決着を迎えた その瞬間を目撃した私は やはり私は運がよかったのだと思う 私には戦う力があまりない。でも、私の父が持っているような 武器を扱う才能に溢れているという事は無い でも私は諦めたりしない。あの人に教えて貰った 技術の全てを使ってでも 私は自分の目的を遂行するために動く そう決心して 動き出そうと思ったのだが

「君、これから何処に向かうつもりだい? 良ければ僕が道案内をしてあげようか?」と先ほど私を助けた男性が話しかけてくる そして私は「はい ありがとうございます。よろしくお願いします。

それで貴方の名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」と言う するとその男性は「そういえば、お互い自己紹介がまだだったね。

僕の名前は、ロイドだ。気軽に、そう呼んでくれると助かるよ。

あとはそうだね 君さえ構わないなら 目的地までは、僕の家で一緒に生活するのはどうだい?」と提案された。その提案を聞いた私が

「私には断る理由はありませんので、是非、ご一緒させて下さい。

そして道中で私に色々と、貴方が扱う戦闘方法を教えて貰えれば、嬉しく思います。どうか、私を助けてください」と伝える 私がそう言った後に 私の手を引いて歩き出した男性の家へと向かう事になったのである そして私は、その家の中に入る前に男性からある物を手渡された。それは 私が、私自身が使う事になる 武器となる物である。その武器は、その男性が使用している 短剣である 私は受け取った後にその男性にお礼を伝える そして家の中へと入った。

そしてその日から、私はその家の中に泊めてもらうことになる。私は毎日が幸せで満たされていた その幸せな時間はすぐに終わりを告げることになったのであった 私が目覚めてから 私には不思議な現象が起き始めたのである。私自身、最初はその事に気づかなかったのであるが 私を看病してくれていたらしい 女性が言う

「あなた、何か変わったわね。前より強くなっているというか 何と言えばいいのだろうね。

とにかく 今の貴女は 以前とは違って見えるよ」と言われた 私は この人の前でだけは嘘は吐けない そう直感的に思うことが出来た 私は素直に自分が感じた事を 彼女に話したのである すると彼女はこう返してくれた

「そうだったんだ。私にもよくわからないんだけど、その人って言うのは誰なのかしら?私もその人を探しに行く手伝いをしたいわ」と言われてしまった。なので私はその女性に説明を行う。私が、助けてくれた人が私の前に現れた時に、彼が私に見せたものを説明し そして私は 彼にお願いされた事を告げた そしてその人は「私は彼にお願いされてここに居るのです」と伝えようとしたその時だった 私は彼に救われる前の日々の事を思い出してしまう。

そして私は涙を流す。その私の様子を見て慌てる女性に 私が泣いてしまった理由を聞かれた

「私には、この村以外には行く場所が無いんです。だから、私の居場所を守る為に 戦わなければならない その覚悟を決める為に私は旅立ったはずなんです。それなのに 私は彼に守られてばかりで そのせいで 彼に甘えるだけの存在になってしまっていた その事実が情けなく思えて 悔しくて そんな気持ちを抱いてしまい、泣かないようにするのがやっとだった。そんな私の感情が抑えられなくなった結果、今に至る。というわけです」と私は話す 私が泣き止むまで 私は、女性の胸を借りて思いっきり泣くことにした。私が思いの丈を話し終わった頃に その女性は「そうだったの。でも もう大丈夫。その人がどんな人だったのか私にも興味が出てきたわ」と言われてしまい、その人が私達の仲間に加わったのである。

それから数日後 私は、その人達に見送られながら 次の行き先として「帝国」へ向かう 途中、私の身を案じた彼が迎えに来てくれた。

私は 彼に感謝の念を抱くのと同時に、彼の隣に立っても恥ずかしく無い自分になれる様に努力しようと心に誓ったのである。私達が次に訪れるべきは「魔都 帝都」と呼ばれる場所に決まった その道中に、私達の身に危機が訪れる事など想像していなかった だが私達は、そこで絶望を目にするのである その瞬間を目撃している時私は恐怖に支配されてしまっていたのだ。だけど 私は、私の目の前に現れた魔獣と戦える唯一の存在なのだ。

私は震えそうになる体を必死に抑え込み そして私に向かって振り下ろされる魔獣の腕に対して「我が身を喰らいて力に変える者」を使い 私が魔獣の動きを封じると 魔獣の攻撃を防ぐ為の武器を作り出して魔獣を切り裂いた だけど私の目には 魔獣を倒す為に使用した私の力を取り込んだ魔獣の姿しか映らなかったのだ。そして その魔獣が私に向けて放った攻撃を避ける事もできず 私はその攻撃をその身で受けることになる 私は死ぬ間際に願う事を決めた 私のせいで苦しんでいる誰かを救う事が出来るのならば 私が犠牲になった意味が有るのではないかと考えたのだ。そして私は自分の意識が途切れていくのを感じ取る 最後に見た光景 それが魔獣と戦う一人の人物の姿であった。そして私の意識は その人の事を想い浮かべながら消えていったのである。だが私の願いが届いたのか私は生き永らえる事が出来たのであった 私が魔獣に襲われ 私が死を迎える寸前の出来事は、今でもはっきりと思い出すことが出来る。その記憶の中には私の命を助けてくれ 私を救ってくれた恩人である彼の姿がハッキリと存在していた 私を助けてくれた彼は その後で私が出会った二人 その片方の男性と共に 私の目の前に現れると 彼は私を抱きしめてくれた 彼は 私の耳元で優しく囁いてくれる

「もう安心して良いよ。君を襲っていた脅威は僕が全て取り除いたから」と 私は 私の事を想ってくれる彼の存在を強く求めてしまう 私は彼に恋心を抱いた だけど今は、私の事で手一杯であり そして私の事を助ける為に動いてくれていた。だから私は 私が彼と一緒になる事は叶わない事だと理解してしまう でも せめて彼に対する私の思いを言葉にしておきたいと思った私は 自分の思いを口にする事にした その私の言葉に 私を慰めてくれた彼は 優しい声で応えてくれるのであった。彼は私にとってかけがえのない人であり 私も彼にとっても大切な存在になりたいと私は思ったのであった ◆□■◆□ 僕はレイジ王国に向けて歩みを進めている。そんな僕の足取りが軽いのにはちゃんとした理由が有る そう。それは、僕の仲間の一人の女性が この世界に転移して来ていたという情報を手に入れる事が出来たからである。

そんな彼女の名こそが『アリア』である 彼女には 彼女が持つ能力が 僕の仲間の一人である人物に近しい性質を持ち合わせているという事を事前に知らされており、だからこそ彼女はこの世界に来る前から 僕の協力者となってくれていた。その協力があったからこそ、彼女は、僕の仲間が暮らしている拠点の場所を知っているのである 僕としては彼女と再会したい。しかし 僕自身が彼女に抱いている感情がどういう物なのかを自分でも理解出来ていなかった その気持ちが理解できないまま彼女と対面しても上手く会話できる自信がない だからこそ僕は 自分の中にあったモヤっとした感情の正体を理解するべく 行動を起こした それは その行動を取る事で、僕自身が自分の抱え込んでいる問題をどういった形で処理すればいいのかを知る切っ掛けになるんじゃないかと予想しての行動であった

「とりあえず会ってみるのが一番だよな。うん。そうしよう」と独り言を言いつつ歩く事数分間。ようやく目的の場所へと到着した。そう。そこは、僕が住む町よりも、ずっと栄えている大きな都市である。僕がその都市を見渡せる位置に立つ すると その場所に居た人々は僕を見て驚いていたのである。その視線は「どうして子供がここに?」という様な目をしている気がした。

そんな目で見られた僕には当然 その状況で落ち着けという方が難しいと思う訳で、その気持ちを抑えつけようと必死になっていると ある人が近づいて来て、僕に「お嬢さん、こんな所でどうされました?ご両親はどちらですか?」と言われる それに対して 僕は どうしたらいいのかと戸惑っていると、僕の後ろから声が聞こえてくる その人の声を聞いた途端 先ほどまで僕の事を心配してくれそうな表情をしていたはずの その人は、まるで人が変わったかのように、とても厳しい顔をしていたのである。

そして、先ほどまでの穏やかな空気感が一気に変わってしまうのだったそんな変わり果てた空気に、困惑している僕に「あなたは ここで何をやっているんですか」とその人物は尋ねてきた そして「もしお嬢様の関係者の方なら この場に留まらせていた場合、お嬢様に危害が加えられる可能性があります。ですので私に着いてきてください」と一方的に告げられる そしてその人物に連れられて行くと そこには一人の少女が居た 僕は 彼女が居るという事実が あまりにも唐突すぎて何も反応を返せなかったのである。

僕がそんな状態のまま 呆然と突っ立っているのが見てられないと思ったのか 少女は僕の前に姿を見せてくれる そしてその容姿は 僕の知っている人の面影を残していたのであった。僕は思わず「あ、えーっと その、こんにちは。君は誰だい?」と言うと、その子はこう返事を返してくれた

「私は、貴方の味方。貴方は、今のままで大丈夫?今のあなたは、何か悩んでそうに見える。だから、私に相談してほしい」と言われた そう言われた僕は彼女に今の現状を伝える すると彼女は「それなら まずは私達の住む家に来てほしい」と言われ その人の後を追いかける事に 僕は、彼女に言われるがままに 彼女について行く事を決める 彼女は「私はあなたの事を よく知っている」と言われた後に「でもあなたは 私を知らない」と その人は言った 確かに その人の事を見た覚えは無い でも僕はその人のことを忘れてはいない。むしろその人がどんな人物だったかを鮮明に思い出せる。その事に不思議さを感じたのだが、そんな事を考えながらもその人と歩いている最中に、ふと、僕の頭に過った事がある その人の年齢は見た目だけで判断すれば15才程だろう。でもその人は 見た目の年齢よりも幼い口調だった。

それに僕の名前を呼ばれた時のあの子は、明らかに誰かを連想させるような言動が多かったのである。だから、目の前で歩いてるこの子を見ていると どうしても思い出せずにはいられなかった。

そして僕は、目の前を歩き続ける女性に「君の歳を教えてほしいんだけど良いかな?」と聞くと「今はまだ 言えない」と答えられた。そんな返答を受けた僕は 自分の気持ちが落ち込んでいくのを感じるのであった。だけど、その人の背中を見ながら僕は考え直す もし 目の前に居る人が、本当に自分の知り合いであったのであれば、きっと、僕はこの子の名前を口に出せるはずである。そして、もしかすると この子が僕に対して隠し事を抱えているのは そういう部分も含めて隠す為かもしれないと考えた。そう考えた僕の頭の中には、様々な可能性が浮かび上がってくるのであった。そして、そんな風に思考に耽りながら歩いているうちに、いつの間にか目的地に到着。その家の前には一人の少年と女性が立っていた。

◆□■◆□ 僕が辿り着いた先に待っていた二人の少年少女。二人は僕の前に出てくるなり「はじめまして、そしておかえりなさい」と言ってくれた そんな挨拶を受けて、僕は一瞬だけ混乱してしまうが、すぐに冷静になり、二人を観察 その結果から得た印象を簡単に述べるとするならば 金髪の女性の瞳の色が緑色で もう一人の少年が黒色だというところだろうか そしてその二人の顔付きはとても良く似ていたのであった それからしばらくの時間を その家で過ごしていたのだが、そんな中、僕の目の前に現れた女性は 僕に「そろそろ行こっか?」と笑顔を見せてくれたのであった。

僕達は現在、「魔族国家」に向かっている道中 魔族の国に行く為には国境を越えないといけない為、その国境を越える為に 一度 別の国に寄り道をしなくてはならない だけど その道中に魔物と遭遇してしまい、仕方なく交戦を始めていた 僕は目の前に現れた黒い塊に向かって 自分の剣を叩き込む しかし相手はその攻撃を耐えきり 僕に対して攻撃を放つ為の準備を始めた。僕はその攻撃を回避しつつ攻撃の為に必要な魔法を詠唱。だけど相手の動きは早く、僕の攻撃が届く前に、相手に攻撃を許してしまう。だが僕は その攻撃を予測していたのか 事前に展開していた障壁のおかげで難を逃れることができた 僕は回避と同時に反撃を行う事を決めており その攻撃を成功させるためにも行動を開始しようとしていたのである。しかし、相手が攻撃の為に構えていた武器を僕に向けて振りかざしてきたのだ。

僕には攻撃を避けながら攻撃をするという技術がまだ備わっていなかったのが敗因だったと思う。なので咄嵯の判断として、その場から飛び退いて敵の攻撃を避ける事を選択 結果 無事に回避に成功する。しかしその選択は僕に隙を生じさせてしまう そこに現れたのは、僕の知らない魔獣が襲い掛かってきたのだ。その魔獣を目の前にして、僕は自分の実力では勝てないと悟ってしまう その瞬間から焦る僕 どうにかして倒そうと試行錯誤をするが 目の前に立ち塞がる魔族は強敵過ぎて手が出せなかった そこで、僕の中に眠る力を呼び覚ませばなんとかなるのではないかと思い、魔族と戦おうと決めたその時の事だ 僕と僕と敵対する魔獣の戦いに介入しようとする者が姿を現したその介入者が現れた事で、魔獣の注意は完全に第三者に向く事となり、僕は命を取り留めたのである その人物が何者でなのか僕には分からないが、僕が窮地に陥ったタイミングで その人が現れるなんて事は無かったら、僕はそのまま死んでいた可能性が高いと思う。

そう思うくらいまでに追い詰められていたからこそ、僕が生き残っている事は奇跡と言えるのではないのだろうかとさえ思える出来事であった。しかし僕を救った人物は、そのまま立ち去ろうとする素振りを見せる。そんな状況に 僕の体は自然と動いた

「待ってください!」と叫びつつ僕の事を救ってくれた恩人に対して、僕は何もできないまま見送ってしまわない様に、僕は必死になって声を張り上げた その声を聞いた恩人は僕の方を振り向いた後

「なんだ?用があるのか?あるなら早くしてくれ。時間が勿体ないんだ」と言われた 僕は「はい。あります。ですがそのまえにお礼だけでもさせて下さい」と必死に訴えかけたのである その必死な訴えに恩人の人は耳を傾けてくれて そして「俺に出来る事が有るのなら その願いは叶えたいと思っている」と言ってくれる 僕はその言葉を聞いて、自分の思いを上手く伝えられる自信がないまま、感謝の気持ちを伝えるのである すると恩人は「そうなのか。わかった。お前に感謝されたいわけじゃないけどな。それで 何かしてほしい事はないのか?」と 言われてしまった。僕は少し戸惑いつつも、先ほど言いたいと思っていた事を伝えようと思った。「僕を鍛えてほしい。そして強くして欲しい。僕の力不足のせいで 大切な人を守りきれないという失態を犯してしまったから 僕は 今度という今度は必ず守る。そう誓う事が出来るほどに強くなったという自信が欲しい」

僕のその一言を聞いた恩人の男性は「そうか それならまずはお前がどれだけの力を持っているのか知りたい」と言われ「僕の力は弱いですよ」と正直に伝えるが「嘘を言うならもっとうまくやれ」と言われる その指摘はごもっともだと思いつつ 僕の力を試すために、その人の指示に従って動く事を決める そして「その男に全力の一撃を与えてやってほしい」と言われたので 僕は言われた通りに全力の一撃をお見舞いする事にする 僕はその男性に近付いていき、そして 全力の拳を繰り出した すると、その拳を片手で受け止められる そんな僕の目に入ったのは信じられないものだった それは僕と同じ髪色を持つ男性の手が光っていたのだ まるで 僕と同じように光るその腕を目にした途端 目の前の男性に対する疑問が生まれた なぜ同じ色の髪をしている そんな疑問が生まれ 僕の思考は一瞬止まってしまったのである。そして思考が停止している最中 僕はその人に「どうだ。今の一撃 受け止めるだけの実力はあるだろう。

これでお前がどれぐらいの強さになったのかわかるだろう」と言われ「僕は今のままだとあなたに到底及びませんよ」と答えると

「いや そんな事はないさ。俺は今 魔法を使っただけだ。それでもなお俺と互角の勝負ができる その可能性を秘めていると今の一撃だけで理解する事ができる それならば十分 お前も素質は持っている」と言う。だけど僕としては納得できるものではなかった だから、もう一度だけ挑戦しようと思い 僕はまた 彼に戦いを挑むのであった そして、再び僕は、その人と戦ったのであるが、結果は変わらず その人の片腕に僕の放った渾身の蹴りが直撃しても尚、その人を地につける事はできなかった だけど僕は諦めず何度も挑み続ける しかし 僕の繰り出す攻撃は ことごとく防がれてしまう その度に 自分の弱さを痛感し 自分の力が足りない事に歯痒く思っていると「おい お前は何のために強さを求めている?何故強くなりたいと願う」と質問され「僕はもう 二度と目の前で誰かを失いたくない。その人の為を想ったら自分の無力さに腹が立つ」と答えた。するとその人は 僕の頭を撫でてきて「良い心意気だと思うぞ。

だから俺は お前に期待したい。お前は強い だからこそ俺と一緒に来るべきだ」と言ってくる。その発言に 僕の鼓動は大きく脈打った。だけど僕は

「あなたの言う あなたと一緒に居るべき人物 というのはいったい誰なんですか?」と聞き返す その問いに その人が出した答えは、予想していなかった回答であり そして衝撃的な真実を知らされることになる。

◆□■◆□ 僕は今の状況に困惑していた 僕達が出会った少年が突然姿を消したからである。その少年は僕の目の前から姿を消し 僕の頭の中で「君達も僕についてきてもらう」という言葉だけが残されて消えていったのだ。僕が頭を抱えていた理由は 僕の事を救い上げてくれた恩人であるはずの男性が僕の前に現れて、そして、この少年が言っていたような言葉を吐いた後に消えた事である。

僕を助けてくれた男性は、黒装束の男では無かったのだ。この人はおそらく【アルヴィン】さんで間違い無いとは思うのだが、僕の知っている情報とあまりにもかけ離れた存在なのだから混乱してしまうのは仕方がない事であると言えるだろう。

僕が戸惑っている中で目の前の女性は「私はアーシャリアっていう名前なんだけどね ちょっと事情があって本当の名前は言えないの」と教えてくれた。その話を聞きながら「どうして君はこんなところに居るのかな?」と質問をしてみたが、しかし、彼女は僕の問に対して明確な返答をしてこなかった。そこで僕には更なる疑問が生じる その人は一体何の為に僕達に近づいてきたのだろうか。そんな風に考え始めるのだが、僕にはその女性が何を考えているのかが分からなかった。

僕は彼女の目的を探りたかったが、しかしその女性が何も喋ってくれないので こちらから話し出す事もできず 結局のところ僕は、目の前にいる女性の行動に付き合うしかなかったのである。だけど、その女性は 自分の目的を話す気は無いようで、黙って歩き続けていた 僕はその人を追いかける形で、その後を追うのだが、しかし、いつの間にか目の前から姿がなくなっていたのだ。なので僕は周りを見渡しつつ警戒をしていた。すると僕の背後に気配を感じた為 後ろを振り向いて見ると、その人の姿を見て僕は唖然としてしまったのであった。なぜならば その人は仮面をつけていて その素顔がわからないようになっていたから、僕は思わずその仮面に見入ってしまうのである。

僕が仮面を見つめていたその時間はわずか数十秒の出来事であったが、その間にその女性は僕の目の前まで歩み寄ってきており、僕は咄嵯に距離を取る為にその場から離れる。そして僕がその人から逃げていたその時の事である。突如として地面が揺れ始めてきた。それと同時に大きな地響きが発生する 僕がその振動に驚いた直後 僕の体が宙に浮かんだので、僕は慌てて自分の体に意識を集中させ 自分の落下を止めようと試みるも、しかしその願いは叶わなかったのである。僕はそのままの勢いで吹き飛ばされ そして空中で姿勢を整えた頃には、地面に叩きつけられていた。その時に、体中に痛みを感じると同時に 僕の身体に異常が起きている事を感じ取っていた。そして僕の耳に聞こえてくるのは女性の苦しんでいる声で、そして 僕を庇うようにして僕の前に姿を現したのは、あの黒ローブの人物であった。その光景を見て僕は驚いてしまうが、僕の事を気にせずに、その黒フードの人物が、その女性に攻撃を仕掛けていく そんな光景を見た僕は「加勢する」と言い放ちその戦闘に参加しようとしたが その人は僕の事を止めるように僕の前に出てきて「邪魔をするな」と一喝されてしまう。

「邪魔なんかしないよ。僕だって君の事を助けたい」そう僕は叫ぶ しかし僕の思いは届かなかった 僕達の会話をしている間に、目の前では激しい戦いが繰り広げられており その戦いに介入する事は不可能だと判断したのだ。だけど僕はまだ諦めていなかった。どうにかして隙を作って彼女を救う事は出来ないかと、考えていたからだ するとその僕の思考に呼応するかのように僕の視界は変化を遂げるのだった その視界の変化によって僕の目に見えているのは先ほどまで見ていた風景とは違うものとなっていた そしてその世界の中心で戦っている二人の男女の戦いを第三者の視点で見下ろしているような視点に変わっていた。

「僕は 本当に強くなったのだろうか」と呟いてしまった後で、「僕は自分の成長を信じている」と言う そう自分に言い聞かせるように口に出して言うのは大切な事だとは思っている 自分の言葉は自分の行動を律するものでもあり また自分の自信になるものであると思っているからだ そして僕は、そんな自分自身の決意を確かめた後で、僕は、僕の目の前に立っている人物に向けて「あなたは何者なんですか?あなたは何が目的で僕の目の前に現れたんですか?僕の前に立ち塞がる事に何か理由があるのでしょうか」と問いかけると「そんな事はお前に関係ないだろう」と言われてしまう。だが ここで引き下がるわけにもいかず 再度同じことを問いかける すると その人は僕に向かって何かを投げつけて「それを持っていけ。それがきっとお前の力になってくれる」と言われるので、僕はその投げつけられた物体を受け取った

「これは?」とその人に問いかける しかし僕のその問い掛けは、無視される形で 僕の手にしている物の説明が始まるのであった。

僕は、そんな説明を聞いている最中に、僕はその人の持つ力に恐怖を抱いていた。そして僕が持つ力とは比べる対象にはならないぐらい 圧倒的な差を見せつけられる そんな力を前にした僕の思考が停止した状態で 僕の目の前にいた黒髪の男性は、僕に向けてこう言ってきたのだ。

◆□■◆□◆ 僕達はお互いに全力の一撃をぶつけ合っていた 僕はこの世界の魔王と。

その魔王は 僕の一撃を腕で受け止めたのだ。

その光景を見て僕は「なんて馬鹿げた力だ」と思う それは、今まで感じたことの無いほどの威力を秘めていて それを素手で受け止められるような人間がいるはずがないと思ったからだ だから僕は 自分が持つ力を全て出し切ってでも、魔王の一撃を打ち消してみせると覚悟を決めた。だけど、その覚悟を決めようとした時には既に、僕は地面に伏していたのだ。何が起こったのか理解が出来なかった そして僕の体は、もう指一つすらも動かすことができない程に消耗してしまっている事が自分でも分かった そして、僕は、薄れゆく意識の中 僕は、目の前で僕を見下ろす 僕の一撃を受け止めたはずの相手を見上げていると、僕の頭の中に【この世界に絶望し 世界を終わらせたいと思っていた あの時のお前の気持ちはよく分かる】と言う声が聞こえる その発言に僕は困惑するが、そんな状況の中でも 僕の目には僕の攻撃を受け止める 魔王の姿が見えるのであった ◆□■◆□◆◆ 私は目の前で起きた事を理解しようとしても理解が追いつかなかった 私が放ったはずの魔法攻撃を 彼が受けとめている姿が見えて 私の思考が停止しそうになるが 何とか冷静を保とうとしていた。そんな中で彼の「これで終わらない」という言葉を聞いた瞬間 彼は私の後ろに回っていた。だから私は、彼からの不意打ちを警戒しながら後ろに振り返ったのだ。

すると私は、自分が彼に敗北した事に気付かされる事になる そして私の目の前で繰り広げられていた光景とは、魔王の力が圧倒的に強いものであったという事を知ったのだ その力は、とてもじゃないけど人間が敵うようなものじゃなくて ただただ目の前で起こった現実を受け入れるしかなかったのである ◆□■◆□◆◆ 僕は必死に抵抗を続けていた 自分の持つ全ての魔力を絞り出そうとするも やはり自分の攻撃は通らずに防がれてしまっていた。そんな僕を見下すようにして魔王が僕の事を見つめてきて「まだやるつもりなのか?」と言われた時、僕は自分の体に異変が起きた事に気が付いた 突然の体の激痛に耐えきれなくなり 僕は膝をつくことになる するとそのタイミングで僕の体に変化が起き始めた。まず 僕が身につけていた防具や衣服が光り始め それと同時に、体中にある無数の切り傷や打撲の跡が消えていき、僕の目の前で倒れ込んでいる少女に起きていた現象と同じ現象が起こり始めるのである。それと同時に僕の意識が徐々に遠のいて行っている事も分かり始め 自分の死期が近づいて来ている事を感じていた。そしてそんな僕の目には倒れ込んでしまっている彼女の姿が見えたので どうにかして助けようと 彼女に駆け寄り 彼女を起こそうと手を伸ばしたのだが、しかしその行為に意味はなく、僕は、その場で気を失ってしまう そして意識を失う直前、誰かが近寄ってくる足音が聞こえたので そちらの方を見てみると、そこには、僕の目の前で戦っていた男性がこちらに近づいてくる光景が僕の視界に飛び込んできた その男性は僕の近くまで歩いてきた後に 僕の事をしばらく見つめてきた後「その指輪とペンダントを肌身離さず持っていろ」と言って その場から離れていったのである。その言葉の後ですぐに男性の視界から僕の視界が切り替わる。そして僕の目に入って来たものは 今僕が存在している場所によく似た世界の中で、先ほどまでの世界で僕が戦った黒髪の女性が地面に横になっている姿を視認したのである。そこで僕は思い出した 僕はこの世界に来た時に あの男性に「君は誰ですか?」と聞いた事を、そうすると 男性は僕の事を見ながら その女性を抱き抱えて去って行ったのだった ◆□■◆□◆ 俺は あの場に残してきたミィアノスの安否が気になっていたのである しかし あの黒ローブの人物には勝てそうもないなと思いながらも どうしようかと迷っていたが、俺の元に魔族の女がやってきたのだ そいつがいきなり俺に対して敵意剥きだしの状態であったので、面倒臭いなと思いつつ 適当に相手をする事にしたのだが、しかし その魔族はなかなかにしぶとかった 俺はそいつの攻撃を全ていなしていくと ついにはその女の体力切れを起こしたようで 息が荒くなっていた そんな状態の女に俺は少しだけ本気を出すと あっさりとその女は戦闘不能になってしまうのである そんな様子を呆然と見ていた 先ほどミィアノスと呼ばれていた少女の側に立っていた男に、俺は「その娘のことを任せたぞ」と一言言い放つと そのまま転移を行い その場から立ち去ったのである ◆□■◆□◆◆ 僕が目を覚ますとそこは僕の部屋ではなく 見知らぬ空間が広がっていた 僕の目の前にいるのは僕と同い年ぐらいの見た目をしている黒髪の女性

「あー目がさめた?」と彼女は言う

「うん あの ここは何処ですか?」

「ああ 君の部屋だよ」

「僕の部屋ですか」と呟いた時に僕は気づく この部屋の主がいない事

「そういえば 僕を助けてくれた人はどこにいるのですか」と僕は黒髪の女の子に向かって言うすると

「それ 私だけど 何か用かな?」

その答えに対して僕が驚きの声をあげると、「まぁ驚くのは無理ないか でも君の体を修復してあげたのは私なんだし 少しぐらい感謝して欲しいかも だって私は勇者様の専属メイドだからね」と言うと 僕に抱きついてきて 頬をすりよせてくるのだった 僕は 目の前の少女が勇者の関係者であり 勇者の専属メイドであるという事に 驚きを感じつつも 僕を助けてくれた人が彼女だったのであれば納得できる そんな事を考え 彼女が僕の耳元で「お腹空いたでしょ?ご飯作ってあげる」と言ったので、僕は彼女に従って一緒に食卓へ向かう事になり、その後 彼女と食事をしたのであった 食事を終えた僕は自分の置かれている状況を理解する為に 僕は まず現状把握から入ることにした 僕は、勇者召喚に巻き込まれ 異世界に連れてこられた それは間違いないと思うんだけど、なぜ僕の所に魔王と呼ばれる存在がやって来たのかという理由までは分からないままだった そう考えると僕の身に起きている事については不明な点が多く 僕の頭の中を整理しても 理解できない事柄ばかりなのだ。だからこそ 今は情報が必要で その手掛かりとして目の前の人に聞いてみるのが一番だと思う そして目の前に居るこの人は、この家の住人らしいのだ 僕はその事実を確認しながら

「ところであなたの名前は何と言うんですか?」と聞くと「んっ?名前を教えていなかったけ 私はアルヴィンだよ 気軽に『アンジュ』と呼んで欲しいな。よろしくね!」と自己紹介してくれたので 僕は、目の前に居て僕の名前を呼んだ人の名前を復唱しながら記憶するように心掛けた そして「えっと」と言いながら僕が次の言葉を探っていると、アンジュさんの方から僕の質問を遮るように言葉を発し始めた

「私はあなたの事をなんて呼べばいいのかな」と聞かれた為「ミィーナと呼んでください」と答える すると、その回答を受けて アンジュさんの口角が上がった

「じゃあミィーちゃん」

僕は、その発言に対して 少し戸惑いながらも受け入れようとしたその時、家の扉が開かれる音がしたのでそちらの方を見ると そこには白銀の長い髪をしていて、白い服に身を包んだ少女が、玄関の前で固まっていた。そして彼女はこちらの方に歩いてきて「初めましてミーニャ 私の名はアーシャリア この国でこの世界での貴方の母親をさせてもらっています」と言う 僕は、その言葉を聞いて困惑していた。

何故ならば目の前の人物は、とてもじゃないけど僕よりも若く見える しかも僕の母親は もう亡くなっているので 僕にとって目の前の存在は母親と呼べる人物ではなかったのだ

「あっはい 初めまして。僕が そのミィニャーニャです」と言うのがやっとだった

「ねぇ母さん」

「どうしましたかミィアノス もしかして何か気になる事でもありましたか?」とアーシャリアと名乗った女性が言ったのである 僕は、僕の事を抱きしめている彼女の腕を解き その行動が不自然だとは感じずに、とりあえずは僕の事を心配しての行動だと思ってくれてるようだから問題ないだろうと思い、話を続けた

「はい 先程 母上が僕の事をミニャーと呼んでいたので その事について確認をしたかったのです。ちなみにどうしてそのような呼び方になったのかをお聞きしてもよろしいでしょうか」と言うと

「私は、私の可愛い息子に愛称をつけて呼びたいと思っただけなので、そんな事は気にしなくて良いんですよ」と言われてしまう

「はい分かりました。僕の事を呼びたかったという事なのですね 僕は 今までお母さんにそう呼ばれていたので違和感を感じるかもしれませんが 頑張って慣れていきたいと思います。これからよろしくお願いします」

すると 僕の返事が良かったらしく 僕の目の前で笑顔を見せていたのだ

「えぇ ミーニャには色々と教えていくつもりですよ。それと 先程の事についての疑問もあるとは思いますが、その説明は後日にしましょう。今はその時間的余裕がないでしょうし、まだミーニャが目覚めた事を知らない人もいるようですし、その方達に知らせに行くのが 優先事項でしょうしね」

そして僕は、その意見に賛成する事にして 僕の部屋に戻り身支度を整えてから外に出る事にした するとそこに現れたのが、あの黒ローブの人だったのである その人は、先日の戦いから時間が経ってないにもかかわらずに僕の前に再び姿を見せた そうして、僕を見るなり 話しかけてきたのである

「やぁ久しぶりだね 今日は君のお父さんを連れて来たんだよ。

ほらお父さん挨拶して 君の事をここまで連れて来たんだからさ」

「はいはーい おひさー元気ー」とその黒ローブの人物が言うと同時に僕の父親と思われる人物が姿を現すと、僕の前に姿を現したのである その父親は かなり歳を重ねていたのだが、その姿には見覚えがあったのだ なぜなら僕の記憶の中では 僕の父親とその人は同じ顔をしているのだから そしてその父親であると思われる人物は僕に向かって言葉を発したのである

「大きくなったな。俺はミァン この黒衣の男に君を引き渡す事になってな。それでここに来た訳なんだが さっきは俺のミスですまなかった。その詫びといってはなんだが 君にこれを渡そう。これは世界管理者のペンダントと指輪と言ってな これを持っていると世界管理者の権限を与えられるんだ」

僕は、その話を半分ほど聞いてから「すみません 話の内容が今一つよく分からないので もっと簡単にわかりやすく ご教示いただけないでしょうか」と質問を投げかけた すると黒髪の男は「そうか それもそうだろうな なら簡潔に言おう。この世界を平和にする為の力を君は手に入れる事が出来る ただし、この世界を管理するのに必要な能力でもあるから それを使えるようにするためにはこの世界に居なければならないんだ だから君に選択肢をあげなくてはならない。この国に住むかい?それとも違う国で暮らすか」と真剣な眼差しで僕を見つめて 問いかけた それに対して僕は答えを出したのである

「えっ」僕がそんな声を上げた瞬間、僕が座っていたはずの場所に 僕の姿はなく、僕は気がつくと知らない部屋に立っていたのであった 僕の名前は『ミァナ ミーシュ』というらしい。この世界の勇者として呼ばれた人物であり、今はこの国の女王を務めている人との間に出来た子供 それが僕らしい。だから この国に暮らすように言われているので ここで暮らしているのである そして僕は現在 何故かメイドさんをしてくれているというアンジュさんの膝の上でアンジュさんの胸に頭を押し付けて甘えるという ちょっと情けないような状態で、この家の住人に、その行為を見せ付けていたのだった それというのも、アンジュさんが いきなり僕に

「ミィー おっぱい吸う?」と言い出してしまったからだ そして アンジュさんに 吸い付き始めてしまってからは アンジュさんが僕の事を強く抱き寄せた為に 僕は、自分の頭と胸の間で潰れてしまい 僕の頭が悲鳴を上げているのを感じつつも アンジュさんの 豊満なおっぱいと 柔らかく大きな感触を楽しむ事で幸せを感じていたのであった そんな状態に陥っている僕は 自分の体に アンジュさんから 抱き締められると気持ち良さが倍加する といった現象が起きる事を 実感しながら 自分の体とアンジュさんの柔らかい部分を堪能し続ける

「あらまぁ 仲が良いわねぇ でも、あまり甘やかすと 駄目になるんじゃないの」という声で僕は 意識を取り戻す事になり 自分がいつの間にか気絶をしていた事に気づいたのだった そして自分が何故 このような状況に陥っていたのかを思い出した途端 羞恥心から顔から火が出るのではないかという感覚を覚えながら、なんとか平静を保つためにも深呼吸を繰り返すと少しは落ち着きを取り戻せたので、改めて自分の置かれている状況を考えてみることにしたのである 僕は今、目の前の女性の胸の谷に挟まれていた つまり僕は今この女性に抱きかかえられて その谷間に顔を埋められているという この女性が僕を抱き抱えたままで移動をして来たらしい

「アンジュ様 そろそろお昼ご飯の時間では」と言うと「んっそうだね そろそろ食事にしよっか」と言ってくれたので 僕はその人から降りて 立ち上がると 僕を降ろしてくれたその人に一礼して その女性の後ろを着いて行ったのである 僕達が居たのは二階の廊下にある階段を上がった先でその女性は 僕達を待っていたので僕達は 食堂らしき部屋に入ると既に食事をしていた人達の目が僕に向いて居たので僕はその視線に対して恥ずかしくなり 目を背ける事になってしまった 僕が目線を下に向けて 俯いていると僕の前に椅子が置かれたので僕は腰を下ろす事に成功したのだけれども、目の前のテーブルに置かれている物が気になってしまい 僕はそちらの方に意識を奪われていた その食べ物とは パンと スープとサラダとフルーツで それは 僕の知る料理とは違っていたのだ 僕はそれらの物を不思議そうに見つめると その女性が僕の事を見ていたので 慌てて下を向いてしまった そうするとその女性は「もしかしてミーニャは見たことないものを食べようとしていたのかな?」と優しく話しかけてきたので僕は、正直に「はい」とだけ答える すると、アンジュと呼ばれたその女性は僕の後ろに立つと、僕の両肩を掴みながら「食べ方は、わかるかな」と言うのである そして その人が「じゃあミーニャが どうやって食べていたのかを見せて貰おうかな」と言ったのである そこで僕はスプーンを使ってスープを飲む事を試みたのであるが上手くいかず 僕はスプーンを落としたりしていた その様子を見かねたのであろうアンジュさんは

「ふむ ミーニャは 私が 直接教えないと駄目みたいね」と言う 僕は何も反論出来ず そのままの流れでアンジュさんの指導を受ける事になったのだった

「ミーニャが今食べた物は、パンと言うんだけどね これが一般的な食べ方の物だよ。まずはその見よう見まねでやって見なさい」と言われたので僕は言われた通りにやってみる事にした すると 意外とすんなりと口に含む事が出来たのだ そのせいで僕の目の前の光景が変わっていた

「あっはい そうですね」と僕は言いたかったので「あっはい」と言いながら、つい反射的に、その言葉を口走ってしまっており、その言葉で僕は 目の前の人の事を凝視してしまうと、その人も僕の事を見ている事に気づき、その人と僕は互いに見詰め合っていたのだ すると僕の隣に座っていた黒髪の男性が僕の耳元で囁く

「お母さんの胸を見ていてはいけない ミァンのお母さんのそれは凶器だ」と 僕はそれに同意を示す為に何度も首を振ると「そういえばミーニャは、まだ私に自己紹介をしていないのではないでしょうか?」と 聞かれたのであった 確かに、この家にお世話になってから、色々な出来事が起きていて忘れてはいたが、この家の人には僕自身の事は 名前以外何も説明が出来ていない事に気づくと 目の前の女性が「それなら私が ミーニャの事を教えてあげるね」と言うと、その言葉を聞いたその人は立ち上がり 僕の前まで歩み寄ってくると「ミーニャちゃん。私は貴方の母親の ミィナよ ミーニャって愛称がとても可愛いわよね」と言われると、ミーナと呼ばれる黒髪の人に連れられて僕はその場を離れたのである

「はい。ミィーと呼んでください」僕はそう言うと、僕の頭を撫でてくる。その感触は凄く気持ちよく ずっとこうされていたいなと思ってしまうほどであったのだが、そんな僕の気持ちに反比例してミーニャという名前が気にいらなくなっていく。

「あの ミーニャっていう名前は 嫌なのですが、別の名前がいいです」と伝えると 僕はミィーと呼ばれていた そして ミーニャと呼ばれているその人物は 僕の言葉を受けて、どうしたらいいかわからないといった表情を見せる。

そして「ごめんね。ミァナ。ミーニャなんて名前を付けられてしまって、こんな母親を許して下さい」と言って、僕を抱き寄せてきた 僕としては そこまで 悪い名前だとは思えないので、許すもなにも無いと思っているし、寧ろ感謝さえしているのである。そう思いながら僕に抱きしめられている時に あることに気がついて「えっとミィーさん」と声を掛けた するとミィーさんは「えっ? 何でしょうか。ミニャ いえ、ごめんね。ミーニャ そう言えば貴方の名前はミーニャだったのにね」とミィーさんに申し訳無さそうな口調で言われてしまった。その言葉に僕が首を傾げていると その人はとても嬉しそうに「実はね。私の子供 ミィーナは男の子で、娘の名前は ミーシャと言うの。でもね。女の子が生まれたから、貴方が男として生まれてきた時の事を考えずにミーニャと名付けて、それからは、その名前が定着してしまって」と僕の事を愛おしそうな眼差しで見られる 僕はその視線に耐えられず つい顔を伏せてしまうと、今度は背中を優しく叩かれる

「ミーニャ」というその響きに、僕は不思議な気持ちになりながらも なんだか安心感があるように思えたのだった

「ミィナ 食事の続きにしましょうか。ミィも 一緒に頂きましょうか」と言ってくれると僕はミーニャと呼ばれて反応を示してしまいそうになった。それを我慢して「ミィナ様」と呼ぶと僕は 椅子から立ち上がる そして僕は目の前にある食べ物を口に運ぶ 味は美味しくて食べやすかったので僕は一気に平らげる事に成功したのである ミィーナ様の胸に抱かれて 食事を終えた後は少しの間だけ眠っていたようで気がつくと 僕達は食堂のテーブルを囲んでいる皆に囲まれており、僕は少しだけビクッと震える その様子を見たアンジュ様に頭を撫でられて 落ち着きを取り戻すと、僕達を見ている者達が話を始めたのであった。

僕達の前には先程まで食事をしていた人達が集まって来ており、その中のリーダーと思われる人物の横に立っていた金髪の男性に「お前らは何処で拾ってきたんだい? まさか奴隷商じゃないだろうね?」という声が上がると周りにいる他の人達もその意見に同調し始めたのだけれども、僕を抱きかかえるミィーナさんの態度が変わることはなかったので 僕達は食事をさせて貰っただけであり この人達の仲間でもなければ、僕達はただの他人なのだから、その辺に関しては黙っているべきだと思ったのである しかし、僕達が黙っていると僕が抱きかかえられる形になって、その事に対して僕を庇ってくれた人達に対して僕が「ありがとう」とお礼を伝えるとミィナさんとミーニャの二人を交互に見ていた一人の男性は 急に立ち上がって大声を出したのだった

「俺はミィーナさんの事を信じている!! だから あんた達に何かを言われる筋合いはない」そう言った後で彼は自分の名を名乗る「アルヴィン」と名乗って「ミィーナ 俺と婚約しないか?」といきなりとんでもない発言を始めてきたのである 僕はその男性を唖然としながら見るしかなかったのだが、その言葉に真っ先に噛みついたのは僕の前に座る女性であった。彼女は自分の席から立ち上がりその男の事を睨みつけると 僕に向かって語り掛けてきたのである

「あなた 大丈夫ですか?」その問いかけに僕が困惑しながらも、どうにか「あっ はい なんとか」と言うと「それは良かった」とその女性は僕を抱きしめるので、僕はその人に身を任せる事にしたのである その女性の事をよく見ると綺麗な女性であり僕よりも年齢が上に見え 長い黒髪をポニーテールにして纏め上げており 服装の方は黒いマントの様な物を羽織り 白を基調とした騎士服を着ていたのである その女性が僕に話しかけて来たのである

「ねぇ お嬢ちゃん お名前はなんというのかな」僕はその言葉に反応し「あっはい 僕は 僕は 僕は」と答えると僕は何を答えたら良いのかわからず口籠ってしまったのである その様子にその女性が困った顔を見せると ミィーは「その子は、色々とあったせいで自分の名前も思い出せないみたいなの」と僕の代わりにそう言ってくれたのである

「ミーニャ ミーニャ あっ そうだ僕は、僕の名前は」僕は 僕の名前をようやく思い出す事が出来たのだ そうすると僕は その人から解放されて その人は僕の事を離してくれたのだ僕がホッとしていると ミィーナさんは僕の頭を撫でながら微笑んでいて 僕は恥ずかしくなってその人の方に目を向けると、僕がミーニャと呼ばれた事で、先程までの剣幕とは一転してニコニコとしていたのである

「それで お二人は、いつ頃からこの国に来て この国に根付くつもりなの」そう言い出した黒髪の女性の言葉を聞いてミーニャさんが「あら それってどういう意味なのかしら」と言うと「この国の人間として生きて行くって意味で言っているのだけれど この子は、この国で生まれてはいないでしょ」と黒髪の女性は答える その問いに対する返事に困っているのか、ミィーナが言葉を失ってしまうのを見た黒髪の女性はさらに「それに貴方も 貴方の娘だってこの子の本当の親じゃないでしょ」と畳み掛ける様に言ってきて、その人が ミーニャとミィーナ そしてミーニャの事について、いろいろと言い出す それに対して僕は「僕にはまだわからないのですけど、この子達は 僕のお母さんとお母さんのお母さんらしいんです」と言った後に、黒髪の女性がミーニャをジトっと見つめ始めると「ミィーナさん 僕にその おっぱいを吸わせてくれませんか?」と言うとミーニャはその人の前で胸を出し始めたので僕は驚いてしまったのであった

「ふぁあああ。美味しい」ミーニャは ミィにそう言いながら 僕にも「食べますか?」と言って来たので、僕は遠慮せずに「お願いします」と伝えて 僕の頭を優しく撫でてくれたミィーナさんは、僕の顔を見るので 僕は「はい どうぞ」と口を開けて待っていた その僕の姿は餌を待っている雛のようで少し恥ずかしかったのであるが ミィーナさんはそんな僕の様子を見ても特に動じることも無く僕の口に母性の象徴を入れてくれる 僕はその温かさを感じる

「お 美味しかったです。御馳走様でした」そう伝えると ミィーナさんは自分の胸に手をやっている事に僕は気がつき

「あ すいません 僕は別に、そんな事を求めてはいないんです。それに ミーニャの 僕の母親の身体から出てきたものを食べるなんて失礼ですよね」そう伝えると ミィーナさんの口から笑い声が漏れた。

「ううん いいのよ 私達親子は 貴方が思う以上に 強い繋がりを持っているから」と 僕に言うのであった

「貴方が あの時 この家に入ってきた時に私は貴方の事を覚えているわ でもあの時は、私は疲れていて 記憶に穴があったみたい」とミーニャが 僕に言うので「はい 僕が あの日あの場に 居たから」と僕がそう言うとミィーナさんも「そうね。ミーニャが覚えている事は 全部教えて欲しいの。あの子がどうして あの場所で死んでいたのか それがわかれば」ミーニャの言葉を受けて ミィーナさんは少しだけ考え込んでいた。

そして「わかった。でも今は、少し眠ろうね。ミーニャ 私の腕の中で眠りなさい」と言ってミーニャを胸に抱きしめて寝かしつけようとしている

「ミィーナさん」とミーニャが声を出すと「大丈夫。ミーニャが私の中に入ってきてもいいように いつでも受け入れの準備をして待ってるからね」とミィーナはミーニャを安心させる様に言葉を伝えていたのであった。その言葉を受けたミーニャは 眠ってしまったようで静かになってしまった その様子を見た僕とアンジュは「もう そろそろ帰るか」と二人で言葉を合わせて、僕達の家に帰るために外に出ようとしたら、突然ミィーナが「二人共 一緒にお風呂に入りましょうか」と言ってきて

「僕は良いのですか?」と僕が聞くと「うん。もちろんだよー。さっ行こうか。それと私のことは ミーちゃんって呼んで欲しいかな。二人の事 好きになっちゃったし 仲良くしていきたいんだ。だから敬語とかも使わなくて良いんだよ?」そう言って僕とアンジュの手を握って 歩き出してしまったのである その手はとても温かくて 優しい感じのする人だった。

そして お風呂に入るとミーニャの服を脱がせて 体を洗っていたのだ その時のミィーナの裸を見ると僕はとても大人だと思ってしまい、自分とは違う生き物の体を見てしまっている様な気分になった でも僕は その大人の体に欲情をしてしまい 体が熱くなっていくのを感じたのであった その体の異変に気付いたミィーナは「あら ミーニャが見ているわよ」と言うと 僕の下腹部を見て「ミーニャにはちょっと刺激が強かったかな?」と微笑みかけてくれ、そして僕はその笑顔に心を奪われてしまっていた それからミーニャとミィーナと僕と三人で ゆっくりとお湯に浸かり、僕達はお腹を満たしてから それぞれの部屋に戻って行くと すぐにベッドに入る事になったのである おやすみなさい 朝になり目が覚めると隣にミーニャがいた。彼女は僕の横で幸せそうな表情を浮かべながら眠っている。その姿を見ていると僕は愛おしくなって彼女の事を抱いてみたくなったので、僕は彼女にキスをする そして彼女はその事によって起きたらしく 僕の顔を見ると「おはよう」と言ってくる その声を聞くだけで僕はドキドキしてしまうのだけれども、その事を隠すために「今日も頑張っていきましょう」とミィーナに伝えながら 僕は彼女に対して 僕の中にある何かを開放する事にした そうしないとミィーナに対して 僕の何かが抑えられなくなりそうだったからなのだ

「え? 何?」その僕の言葉を聞いた瞬間に彼女は驚いた顔をするが、僕の変化はさらに進行していく 僕の背中から何かが生えてきて、それは僕の背中の皮膚を食い破るかのように現れ始め、僕はそれを止めることが出来ないでいたのであった その変化を見ていたミィーナは僕が苦しみ始めている事を気づいているようで、僕は彼女を安心させようと思ったのだ 僕は「僕は、ミーニャさんと一緒の人間に近付いているんですよ」と僕は言葉を伝えるが

「そんなことない」と ミーニャさんは言うが 僕が今起こっている現象は僕の体を変化させていくものであり、この先にある僕の体は 僕とミーニャさんの子供を産むために存在するようになるので、これは仕方の無いことである。

しかし その説明をミーニャにしようと思ったが、僕自身がうまく言葉を発せない状態になっていた そのせいもあって 僕はミーニャに上手く説明する事が出来なかったのだが 僕がそうしているうちに、僕の肉体は人間の物では無くなっていた

「あっあああああ 僕、僕はミーニャの側にいられるのでしょうか」と僕は言うと ミーニャさんは僕のことを心配そうに見つめている。僕の肉体は既に人間のものではなくなっているのがわかる 僕の顔が歪む

「あっああ あああああ うう」と僕の叫びと共に僕の下半身に付いていたはずの物が消えたのであった。その様子を見つめながらミーニャは涙を流していた。

「ミーニャ ごめんね。僕 君の為に出来る事をしたかったんだけど」僕は自分の気持ちを何とかミーニャに伝えたのであったが、その思いはミーニャには伝わらず、僕を包み込むようにミーニャは抱きしめてくれて「ミーニャさん ミーニャさん 大好き」と言うと 僕の意識が遠くなっていってしまいそうになる それを必死で堪えながらも

「ミーニャ」と言う そして僕の目から光が消えてしまう。するとミーニャさんは僕に話しかけてくれる。「大丈夫だよ。ミーニャの側から離れちゃだめだよ」とミーニャさんの声を聞き

「ありがとう」と言いたかったけど、声を出すことが出来ないまま僕は死んでしまった。

でも僕は死ぬ寸前に、ミィーナさんが僕の事を抱き締めてくれているような気がしていた

「ミーニャの事を宜しくお願いね」と僕は 誰かに言われると「ミィーナ」という人がいる。ミーニャと同じ顔の女性で その人は僕に 僕の母親なのではないかと言っていた。その人がミーニャの母親なのか 僕の母親のなのかわからないが その人に 僕がミーニャの事が好きになってしまった事を話すと「貴方はそれで良いと思うわよ。でも 私達親子の事は 今は話さない方が良いかもしれないわね」と言われてしまい 僕はそれ以上聞けなかった。だけど

「あの 貴方は一体 誰なんですか?」と聞くことが出来た

「私はミィだよ」とだけ その人の事を教えてくれると 僕の頬に触れてくるので、とても暖かい感じで心地よいので 僕の口から自然と笑みがこぼれてしまう

「ミーニャが貴方のことを気に入ったのも納得出来た気がするわ。貴方からは優しさが溢れているのが私にもわかったもの」と言ってくれた ミィーナさんと出会ってから 一週間ほど経過しており 僕はミィーナさんから この世界のことや魔法などの基礎的な事を教わったのである

「まずこの世界に魔力があるのは、私達の世界には、そういったものが無かったからなのよ」と教えてくれた この世界の住人たちは、皆が魔力を有しているらしいが 僕の知っている限りは僕のような異世界から来た人間は、その世界での暮らしをしているため この世界に来た時は、僕のようにその力を失ってしまうことがあるそうだ。

その僕の場合の場合は 僕が住んでいた国での魔力の保有量が、この世界での平均的な量より多い為に その力を全て失った訳では無いようだ。それでもこの世界の平均から言えば、やはり僕は強いほうで、普通の人達よりも多くの魔力を保有してる事になる

「この世界の人たちは魔法を使えないのですか?」と僕が質問すると

「そうですね。使える人は居るけれど少ないかな。それと 魔力を持つ人もそれなりに居ますね。貴方の国でいうところの超能力者のようなものかしらね」と答えてくれて その答えを聞いて僕は少しだけ安心してしまった 僕が住んでいる国は、超能力者が当たり前のように存在し しかもその人たちのほとんどが、犯罪を犯したりすることが多かったからだ その話を聞いた時に 僕の中で何か引っかかるものがあった

「どうしました?」

「いえ 何も」

僕は 自分が思っている以上に焦っていたようで

「とりあえず 魔法についての説明をするわね」

ミィーナさんの話では、魔法の属性は基本として【火、水、風、雷、光、闇】が存在する またそれらの上位互換である存在もあると教えてもらい その例として ミィーナさんが見せてくれるという事で 家を出て森の方に向かう

「さあミーニャこっちに来て。私が 魔法を使って見せるから よく見ておいてね。私のことは ミィーって呼んでくれると嬉しいかな」と彼女が言うと 森の中を歩いていると大きな魔方陣が出現していて、ミィーさんはその中に入ると、次の瞬間には手には 剣を持っていて「これが 私の得意とする 魔法よ」と言って、ミィーさんはそれを振りかざすのであった。

その一撃によって木々は薙ぎ倒されていく その様子を見ていた僕は「こんなことが出来るんですか?」とミィーに尋ねると

「うん。そうだよ。さて 今度は貴方の番かな?」と僕に対して言ってきたのだ。僕はその言葉を受け止めるしかなく 僕は ミィーさんと全く同じやり方では無理だと思い「僕 出来ないかもです」と言ってみると

「そんなことはないよ やってみようよ」と言ってきて 僕の手に何か触れてるような感じがあり、その手を眺めると、その手が赤く発光し始めて、それが全身にまで広がっていく感覚があって、僕も「行きますよ!!」と叫んで、自分の体の中に存在する 全ての力を右手の方に集めていき 一気に解放する 僕が手を振り上げると空が明るくなっていき 太陽の輝きと重なるようにして巨大な炎が出現させていき 僕は それを見ながら満足気に笑みを浮かべていると

「すごい」と言ったのがミィーさんから聞こえてきて 僕の方はと言えば「やったぁ 成功だ 成功したぞぉ!!」と言うと僕はその場に崩れ落ちるのであった その日はもう遅かった事もありすぐに家に帰って寝たのだが 僕は明日からも練習を頑張ろうと決めた。それからは毎晩 夜中に一人で訓練をしているのであった ある日の事だった。いつもの様にミィーとミーニャが買い物に行っていると家の玄関を叩く音がしてきたのである。

僕は、その扉の前に行くと 一人の少女と、そのお付きの少年がおり、僕はそのお付きらしき人物の顔に見覚えがあった それは、僕が初めて この家に来る前に見かけており、僕はその男を見て驚いていた

「貴方は確かミィーさんが、お世話になっている方のお孫さんですよね?」

僕はそう言いながら近づいて行くと、そのお爺さんが、僕に対して「おお!! お前はあの時の娘の旦那ではないか? まさか、ここに来ているとは思っておらなかったわい。しかし 何でそんな格好を?」

そう言って、僕の着ている服装を見ていた

「ああ これね。ちょっと色々あってね。今はこんな服しか持ってないんだよ。ところで 貴方は何者なんだ?」

僕はこの男が一体誰なのか分からずにいたが その人物は僕にこう言ったのだ

「そう警戒せぬでもよい。わしは、お主達の味方じゃ。だから安心して欲しい。それで、今ミーニャ殿と、そこのお嬢ちゃんは何処にいるのかのぅ」と老人が言うと その男の側にいる執事風の服を着た男性は、「私は こちらにおりますよ」と口を開くので僕はそちらに視線を移すと「久しぶりでございます。私を覚えていらっしゃいますか?」と、その人物が聞いてくると僕は「ああ あの時 一緒にミィーさんの家に行った人ですよね。でもどうしてここが分かったんですか?」と聞きながら思い出していくと僕はその男性の事が分かり、そして僕達がここに来るきっかけとなった出来事についても思いだす

「貴方は ミィに助けてもらった人だったね。それに あの時はミーニャに怪我の治療をしてくれていたよね」と、僕が言うと彼は「その節は本当に助かりました。ミーニャ様はあの後元気にしていらしたでしょうか?」と心配そうな顔をして僕の事を見ている

「まあまあ落ち着けって」と言い、彼の肩に手を置くと「あっありがとう」とお礼を言うのであった。その後、僕が彼から説明を聞く事になり 簡単に説明すると僕がミィーさんに治療を施した直後に僕を追ってきた、ミーニャの父親から逃げて来たという事らしい。その男は、僕の事を追っかけて来て、その途中 僕が魔法を使用した時にできた巨大な魔法痕を目撃して、この場所を突き止めたという事らしい。

僕もその時には追われている事をミィーから聞かされており、ミィーは、その追跡者をどうにかすると話してくれたので、僕はその時にミーニャと一緒に避難していたのである。

そしてミーニャに事情を話した後 僕は一人 外でミィーを待っていた しばらく時間が経過すると僕が魔法を使った際に生じた巨大な火柱を見つめている人が二人いて その内の一人が僕に声をかけてくる

「お前はここで何をしているんだ?」と尋ねてきたので僕は その質問の回答を考えてみると、その人達は僕を捕まえようとしているような気配を察する事ができたので 僕は、その質問には「別に 何でも良いでしょう?」と答えたので相手からは少しだけ怒りを感じる事ができ 僕はその場から離れるために駆け出したが、僕が逃げ出すと二人は同時に動き出して、追いかけてこようとするが、僕は森の中に入り込んで 木々の隙間を抜けていき 相手を巻く事に成功すると 僕は少し休憩するために地面に座った それからも僕は、何度か襲われたりしたので僕は、相手の目的も知りたかったので 僕は相手が一体どういう者達なのかを探るための行動を開始する 僕が森の中を進んでいると前方に複数の影が見えた。

僕はそれを目視できる距離まで接近して 僕は、その場所へと足を踏み入れて行くと そこには、この国に住んでいると思われる人たちが大勢 倒れていて、僕は彼らを確認すると既に全員死んでしまった後のようであった 僕がその死体を調べると彼らが、僕と同じ転生者であり 全員が、この世界の住人ではなかったようだ。

僕達がいた国には、その国に召喚された者が、元から住んでいる人と混ざって生活しており 僕の場合は、元々その国の生まれである為、僕だけは、他の住人とは違い、僕達の世界の住人と、ほとんど変わらない外見であり、僕はその事からも僕達を捕らえようとした人達の狙いについて考える事にしたのである 僕達の世界には魔法が無い為に 僕のような存在を、魔法が使えるというだけで脅威になる存在だと彼らは考えたのではないかと思う。

僕がこの人達の身元確認をすると やはり全員が、この世界の人では無いと分かるのであった。

僕が、先程襲ってきた連中の仲間が他にもいないかを確認していると

「おい!!そいつは敵だ」と言う言葉が発せられ、声の方角を見ると、数人の集団がいた。

僕を狙って攻撃を仕掛けてくると 僕は攻撃を回避して僕は 相手にも攻撃をする

「うぉー」とか

「ひぃ」と悲鳴を上げながら 必死になって戦っていると、そこに

「待て!! お前らはそこで何をしているのだ?」と 僕が声の方角に視線を向けると一人の女性が歩いて来ている。僕は彼女を見て どこかで見た事があるなと思って、その人の事をよく観察してみるが思い出せないでいた 彼女は、その状況を見た瞬間に理解したらしく、僕に向かって「大丈夫だった?」と言ってきて僕は、彼女に「えっと はい なんとか無事で済みました」と僕は答えると「そう。よかった」と言って僕の頭を撫でてくれていた それから数分が経過した頃だろうか。彼女が急に立ち上がって

「あれ?貴方達は、なんでそんなにボロボロの姿になっているんですかね?私の見間違えかもしれませんが、何かに襲われたみたいですね。貴方達の身体に付着している、血の跡が物語っていますよ」と言ってくる それから僕は彼女が僕を助けてくれた人物だと言うことを思い出す それから僕は彼女のお屋敷に向かうことになったのだが 途中でミーニャとも合流して、彼女とお話をした後 二人でミィーと、そのお嬢さんの所へと向かうことにしたのであった ミィーはお嬢さんと買い物をしていたのだが僕達二人がミィーと合流をした事で、一緒に帰る事になったのだがその帰りの途中でお昼を食べようとなり、食事をとった後にまた帰路につくのだが道中で

「ねぇ お兄ちゃん、ミィちゃん ちょっとあそこのお店に行ってきても良いかな?」と ミーニャが言ってきて僕はミーニャが行こうとしている場所が何処なのかを理解する そこは以前 ミーニャが迷子になった場所で、そのミーニャに、ミィーが声を掛ける前に、そのミーニャを止めたのは、僕の隣を歩く女の子だった

「ダメよ あの場所は ミーニャのお母さんが亡くなった場所だから」と 僕はその発言を聞きながらも 僕が何かを言った所で 今の現状はどうしようもないと考え、僕は何も口にしないで 二人の会話に耳を傾ける事にした

「うんでも それでも行きたいの」と言うミーニャに「ダメなものは ダメです」と返すその女の人に 僕は そのやり取りを見守るしかなかった その女性は僕の方に顔を向けた後で

「ミィちゃん、行きたいんなら、私が付いて行ってあげるから ね?」と言うとミーニャが笑顔を向けてきて「お姉ちゃんが一緒なら 良いけど ミーニャが行くお店で買ってくる物、何?」と言い その女性はその質問に微笑みながら「ん~

ミーニャが気に入るような 服が有れば買おうか」と答えると ミィーが立ち止まり「あのお店ですか?」と言い出すと「そうですよ。あの店の服はとても可愛くて、着やすく、私もよく利用しているのですよ」と、そのお婆さんの発言に「それでは、ミィ様もお着替えに行かれるのでしょうか?」とその女は、お付きの少年がそう言うと そのミィーと呼ばれているお姫様の服装を、じっくりと眺めてみた後で その少年の方をちらりと見るのである

「あ~なるほど その格好 つまり貴方が噂の『執事』って事ね。確かにその服装は良く似合ってますね」と、ミィーは、執事の格好をしている少年の肩に軽く手を置くと その少年の表情を少しだけ変えていた 僕はその光景を見ていた ミィは その執事の少年に近づいていくと「ねぇ貴方 ミーニャの事を守ってあげなさい。これは、命令ですよ。いいね?」

と その執事の男の子に対して言うのである。そしてミィと僕は、ミーニャを連れて店内に入っていった 僕とミィが お洋服を買い終えた後は 僕達はミィの馬車に乗って 家に戻る事になる ミィの話では、僕があの町に来た時に、あの町で見かけた、僕がミーニャと二人で買い物していた時の事が、かなり話題になったようで、町の人達が僕を英雄だとか何とか 話しているらしいが 僕の事を知っている人が殆どいないので、本当の事を言うと嘘の噂になるかもしれないから言わない方が良いと言われてしまう 僕は「あのさ、ミィ」とミィに声をかけるが

「ん 何?」と首を傾げている

「あの その 僕の事、誰かに喋っちゃった?ミーニャの友達とか 知り合いとかさ」と僕はミーニャに聞いてみるが

「あぁ その話ね。う~ん。言ってはいないと思うわ。ミーニャが、今のお兄ちゃんに話しかけようとしたら 周りの人達が 皆、避けていたのよね。まぁ仕方ないかしら。その見た目で話しかけられたんじゃ、普通は驚くしね。まあミーニャも 最初はビックリしていたから あまり話し掛けられたくないんじゃないかな。でも あの子の性格は優しい子だから、困っている人がいると助けようとする癖があるから そこは注意しておくのよ?」と言われると 僕としては複雑な心境になってしまうので 僕は、それ以上は何も聞くことが出来なかった それから僕は 僕がこの町で泊まる宿の手続きをすると 宿屋の女性に「貴方は この国の方じゃないようですね。この国は、とても良い国なので ぜひ、一度足を運んで見てください」と言われるのであった 僕は「はい」と答えるしか無く 僕が部屋に入るとそこには、ベッドでゴロ寝しているミーニャがいた。それから少しだけ時間が経過した後にミーニャが僕の部屋へとやって来るので

「今日は、もう遅いから、そろそろ休んだ方がいいと思うんだけど。ミニャはどうするの?」僕はミーニャに向かって尋ねてみると

「んと、まだ眠れなくて、そうだ!! お兄ちゃん、何か本を持ってきてくれるかな? それで一緒に読み合いっこするって言うのでも良いから 何か貸して貰えると嬉しい」と言うので僕は、その要望に応えようと、とりあえず本を探すために ミィーと一緒に外に出ようとしたのだが 僕は、そこで思い留まって 自分の部屋に鍵をかけ

「ミーニャ?その、この本、読んでみようよ。面白いって言われてる本だし 僕もこの世界の事を知るには ちょうど良かったんだよ」と、そう伝えると 僕は【勇者の伝説】という本を机の上に置くのである 僕達がその絵本を読み始めた時、僕の横に座っていたはずの そのミーニャという子は、いつの間にかいなくなっていた 僕が不思議に思って 僕は部屋の中を見渡そうとするのだが その僕が、ふと目に付いた、扉のノブに手をかけた際に僕は、違和感を覚えるのである。僕は恐る恐る、ゆっくりと扉を開けたのだがそこには誰もいない その事を不思議に思ってしまった僕は、そのまま廊下に出る事にしたのである。

すると僕の視界に入った その光景が僕の意識を奪う事になった。それは 僕が見知った風景が広がっていた。その世界が、その日 その時から僕のいた世界とは別の世界だという事実に気が付く事になってしまった。僕達の世界では無かった技術 その技術を当たり前のように使っている人々。その世界に居る人々は皆 黒髪や黒い瞳ではないのだ。僕がこの目で見るまで気付かなかった 僕が、その現実に驚きを隠せない状態で、呆然と佇んでいると そこに

「どうかしたのですか?」と僕の後ろに現れた少女に話しかけられるので 僕が後ろを振り返ると、僕のすぐそばにいた、その綺麗な女性を見て 僕は息を呑むと同時に見惚れてしまった。その女性は白いドレスに身を包み 長い銀髪をした美人であり、その美しさに見とれてしまいそうになるが 僕はその女性の方に視線を向けた後で、すぐに我を取り戻すと 僕の背後に現れた女性が誰なのかを確認する

「えっと、貴方がミーニャ?」と僕が尋ねると「そうですよ。ミーニャです」と言ってくるので 僕は

「ミーニャさん 一つ質問良いかな?」とミーニャに質問する事にした

「えっと はい、何でしょう?」と、そのミーニャの言葉を聞いた僕は、質問をしようとしたのだが その質問を口にする前に、僕は ある可能性に気が付き 僕は、ミーニャに問いかける「あの さ 僕達の居た世界と違う場所に来ちゃったみたいなんだ」と 僕の口から、その言葉がこぼれた。その瞬間、僕とミーニャはお互いに沈黙してしまったのであった 僕は、その事実を受け入れられない気持ちでいっぱいだったが、目の前で僕と同じ顔をしている女の子の表情を見るとそれが冗談では済まない事が理解できた。僕はミーニャが「ねぇ ミィー 私達のいた場所はどうなったのかな?」と ミーニャは泣き出しそうな顔でミィーに助けを求めるので

「私にもわからない」と言う 僕はその二人の様子を 黙って見ている事しかできなかったので

「僕はどうすればいいの?」と僕も二人の会話に入る事にしてみるが ミィーに「どうもしなくても大丈夫よ」と言われてしまう。その後僕がミーニャに「あのさ、ミーニャ、その前に、ちょっと良いかな?」と言うと「うん」と返事をしてくる

「まずは落ち着いて話をしたいから ここの部屋でお茶でも飲みながら話しようか?」と提案すると ミーニャは「お兄ちゃんの言うとおりにするね」と言い出した為 ミィーの了承を得てから 僕は僕達の部屋にミーニャを連れ込んでから その部屋に 結界を張ると、僕はミーニャに これからの対策を考えるように言う ミーニャは僕の提案に「わかった」と答えてから考え込んでいる そのミーニャの姿を、僕は眺める事しか出来なかったが ミィーはミーニャが真剣に考えている姿を見ながら「私は外で見張りをするわ。ミーニャも少しだけ休むといい」と言ってくれたので、僕は「ミィー、ありがとう」と、お礼を伝えると、ミニャーは「私だってお仕事だから、気にしなくていいわよ」と言っていた 僕も疲れていたので少し休憩してから 僕達三人は今後の事を話し合う事とした そしてミーニャの話から僕の知らない情報が次々と出てくる事になるのである。僕の知る限りでのミーニャの年齢を遥かに超える知識を持っていた 僕はそんなミーニャの話に驚いていると その話を聞き終えた僕は

「そうだったのか、だから君は そこまでの知識を得ていたのか」と呟くと 僕の隣にいるミーニャは、少し悲しそうにしながら、僕の服の袖を掴むのである。

僕とミーニャとミーニャのお世話役をしているお姉さんは、僕の家に戻る事になっていた ミーニャが僕の家に帰りたいと言ったからだ お店を出る前にミーニャが、「あの お婆ちゃん。これ買ったんだけど 似合っていると思う?」とお付きの人に確認すると、そのお店の店主が出てきて

「あらまあ よく似合っていますね。それでは そちらはプレゼントしますから 大事に扱ってあげてください」と言われてしまう 僕は ミーニャの買い物が終わると、次はミィーの買い物の手伝いをしていた 僕は「あのさ、ミーニャ あの人の荷物を運ぶのは、どうすればいいんだろう」と僕はミーニャに対して、そう話しかけると

「あの人?あの人って?」と不思議そうな表情をしながら尋ねてくるので 僕は ミーニャが先程買い物していた人について、どう説明すれば良いか悩んだ挙句

「あ~ミーニャ、君、あそこに居る人が見えないの?僕には、あの人が見えるんだけど」と言うと

「ミーナ あの人?って、どの子?」と聞いてきたので

「ん~

なんて言えば良いんだろう。ほら そこに、あそこでミーニャに話しかけようとしている子がいるんだけど その子は見えていないの?って聞いてみたんだけど」と 僕はミーニャに伝えるのだが、ミーニャの反応を見る限り 僕の言葉をミーニャは、全く理解できていない様子であった。そこで僕は「あのね、あそこで、君の事を見ている子がいるのは わかるよね?」と言うと ミーニャが 僕と同じような口調で「え?誰もいないけど 何かの間違いじゃない?」と言ってくる 僕達は、この世界の住人が認識できる範囲をある程度理解していたが、僕は 僕達の世界での常識で、その判断を下そうとした。その結果 ミーニャの感覚を疑う事になってしまったのだが 僕はその事に罪悪感を覚えてはいたものの 僕自身がこの世界で生きると決めた以上は この世界のルールに従った方が賢明だと考えていた。なので僕は「そうだね。多分 僕が間違っていたんだよ。僕の勘違いかもしれないから 気を付けるようにするよ」と答えた 僕は その後も、色々な場所を見て回ると ミーニャの足は止まった その目の前にあったのは小さなお店で そのお店を開いている人は、ミーニャの姿を見た瞬間に 慌ててお店から出て来ては「貴方は 一体、何をされているのですか? その見た目では、とても危険な状況になる可能性があるというのに」と言われると 僕には ミーニャの姿が見えなかった 僕はミーニャが僕に向かって話しかけているようなのだが、僕の視界には、僕を見つめている一人の女性しか映っていなかった だが僕はミーナとミーニャと会話をしている時のように対応をする事にした 僕は、その女性が、どうしてミーニャを咎めていたのかわからなかったので

「その、貴女は ミーニャを知っている方なのでしょうか?」

と僕が問いかけると 僕の問いかけを受けた女性は僕の方に近づいてきて「ミニャース王女様 どうか、こちらに来てください。ここは危険すぎます。」と僕に声をかけた後、ミーニャの手を取るのだが 僕には全く見当もつかない行動に僕は「ミーニャ?ミーニャはここに居るじゃないか」

と僕の言葉を聞いて ミーニャを見ていた女性の目が見開くと「まさかとは思うのですが あなた、私の姿が見えたりするの?」と 僕に尋ねてきたので僕は「見えるから、声をかけてみました」と言うと

「なるほど ミニャース姫、この方は あなたが守るべき相手ではないと思います。」

僕はその女性の言葉に疑問を持ち

「あの、ミーニャは僕の大事な友達で 僕が守りたいと願っている存在ですよ。僕はこの世界に何が起こっているのかを知りたいんです。」と 僕がその言葉を告げると「そうなのですね。わかりました。それでは、まず、私の住んでいる城へ来てください。それからでも遅くはないでしょう。」と言われた。僕はミーニャの方を見て、僕達がミーニャを守るべきなのかを確認した上で、僕達三人は 彼女の住む場所に行く事を決めたのである。

その後 僕は、そのミーニャの保護者である人物と一緒に、王都を歩き回り、様々な施設を確認してから、城に案内される事となるのだが 僕は、その城内に足を踏み入れた途端に ある違和感を感じた。その僕の疑問に答えるように、僕の側にいた彼女が僕にこう告げるのであった。

私は今、王都の城の敷地内に存在する、私達の暮らしている建物とは別の建物の中に入っていった。その建物は、王都に存在している店舗の外観からは想像できない程の広々とした敷地を有しており 建物の大きさも規格外であり その建物の中央付近に存在する部屋の前に立つと扉の前に立っていた兵士は、私が目の前に存在するその巨大な建造物の扉を開けるその瞬間 私と、その部屋の中に存在していた者達の視線が集中する。その中には私がよく知っている顔が存在した。それは私の実の父親でもある国王陛下である。私は 目の前に居る父に対して挨拶をする為に膝をつくと、隣にいた人物が、「顔を上げなさい」と言うので顔を上げるとそこには私に良く似た男性が存在していた。しかし 私は彼の姿を見て驚愕するしかなかったのだ。私は 彼の存在を目にして思わず

「あなたは誰?」と言うと 彼は、「ミニャ お前は本当にミニャーなんだろ。」と言ってきた その言葉を受けて、私は、この男性が、私の事を知っていて、なおかつ私を騙そうとしている訳でもない事を感じ取り

「うんパパ なんで、今まで黙っていたの?」と言うと 男性は嬉しそうな顔をしてから

「そうだね その話をする前に 俺の自己紹介をしておこうか。」と言うと 彼は、自分の存在が神であること、この世界を管理運営している者であると 簡単に言うが、そんな話を聞かされたところで、はいそうですか。

と納得などできるはずもなく、私としては「神様って パパの事だったの?それならもっと早くに会えたんじゃないの?」と、私は、私達親子は もう会う事が出来ないものだと思っていましたが、と付け加えてしまう

「いやいや ミニャー 君がこの世界で産まれる前から、俺は君に力を預ける準備をしていたんだから、そんなの関係ないよ。それと、ミーニャに俺の力を分け与えた際に記憶が飛んでいる部分もあると思うから、今の内に伝えておくね」と言ってから、パパから聞かされた情報によると、どうも私が生まれてすぐに、パパは自分の持っている力と魂の一部を分割し、私の体内に封印する形で保存し続けていたらしいのだが その事実を知らないままに育ったミーニャに対して説明をしてくれたのだが どうもその説明だけではわからない事も多々ありそうな気がしたので私は「そのさ、よくわからない事も多いんだけど もう少し説明してもらえないかしら」と言うと、父は苦笑いをしながら

「あ~確かに ミニャーでも難しい事があったんだね。まあ、そうだね。わかりやすく説明していくね」と言ってくれるので 私は 父が話し終えるまで 父の事を質問する事に決めてしまった

「じゃあさ、ミーニャ。ミーニャはこの国の現状をどの程度把握できているのかな?」と言われてしまうと、ミーニャも困った表情をしてしまうので、私が代わりに答えようと思ったが どうも私の知識は役に立たなさそうな気配だったので「ごめんね 私だと理解が難しい事ばかりだよね」と呟くと パパは

「そうだね。まずは ミーニャの持っているその知識から確認しようか」と言った後、父は 私に対して 色々と説明してくれたので どうも私が、その説明を理解するのには時間がかかりそうなのだが なんとか理解できる程度には理解ができたと思う 私はその父の説明を聞いた後で、私自身の考えも交えて父と会話を楽しんでいたのだが ふと思い出し、「あのね、お父さん、お母さんは?」と言うと 父は「残念ながら、ミニャーは俺の子供ではないよ。ミーニャはね、この世界に生まれる筈のない存在なんだ」と言ってくれたので、少しだけ悲しい気持ちになってしまったのだが、その私の気持ちを察してくれたのか、パパが「だけどね 安心してくれて良いんだよ。君の母は生きているからね」と言うと、私は心の底から嬉しいと感じる事ができていた 私は「よかった。」と言って、安堵してしまったのだが それと同時に、ママに会いたいという欲求が強くなってしまったのである。その事に、パパは気が付いたようで

「会いたいかい?」と言ってくれたが それに対して私は

「でも、この世界の何処にいるの?」という問いかけをすると

「それは、この世界のどこにも居ない場所だよ」という答えが返ってきた。

「つまり、今はもう亡くなっているということですか?」と私が尋ねると

「いいや ミーニャが望む限り、この世界のどこに行っても 母さんに会う事は可能だと思うけど まずはミーニャの記憶を取り戻すところから始めないといけないから、今すぐは無理かもね」という事なので、私が「記憶?何の話ですか?というより 私には両親がいるの?」と パパに聞くと

「ミーニャには両親は存在しないんだよ。ミーニャにはね、元々、ミーニャの両親が居る世界は存在した。だがね、そこに住む人々は皆死んでしまったんだよ。そして、その世界では『魔王』と呼ばれる化け物がこの世界を侵略しようとしていて ミーニャの両親は命を賭けてその化け物を倒したが故に死んだのさ」という話を聞いた。その話を聞いて、私の中に眠っていた知識が目を覚ます。

私は パパの言っている話の内容が嘘ではなく、本当であるということが何故か確信できてしまっていた。私はパパに尋ねた「ねえ パパ。私が暮らしていたはずの場所には、お兄ちゃんとか お姉ちゃんがいたんじゃなかったっけ?」という問いかけに対してもパパは笑顔で「ミーニャの兄弟はいるよ。ただね 彼らは、既に死んでいたりするから ミーニャが彼らと再会することは不可能なの」と言われた。

「そっか わかった。パパ、これからよろしくお願いします」

私は目の前に居る人物に対してお辞儀をしてから「そういえば、この建物って一体なんの建物なのか教えてくれる」と言うと その人は、「ここはね ミーニャが暮らす為の家であり この王都にある店舗で使う物資等を販売する店舗でもあり また、この国に住んでいる人達の為に用意された宿泊施設でもあったりするんだよ」と告げられた。私はその話を耳にした途端に「え? どういうこと?」と疑問の声を上げると 目の前の人物は、「君はミニャーだから この場所の所有権を持ってはいない。それに君に渡すと決めた力についても、俺が渡せる分は既に譲渡した。それにね ミーニャは知らないだろうが この建物を利用できる権利を持つのは この世界にたったの二人しか存在しないんだよ。一人がミニャーで もう1人が 君の母である サーシャと言う名前の女性だったんだけど その女性は亡くなってしまっているからね」と言ってきた。それを聞いて私は何も言葉を返すことが出来なかった。そんな私を見て 父と名乗った男性は私に対して話しかけてきた「ミーニャはどうして、その女性の名前を知っていたのかな?」と聞いてきたので私は「私はその女性の子供です。ミーニャと言う名前はその女性の名前をそのまま受け継いだもの」と伝えると その人物からは

「それは凄い偶然だったのかも知れないね。それとね この世界で、唯一、この場所の本来の所有者となれるのは、俺の息子でもあるミーニャだけであって、娘でもあるミニャーにだけはその力が受け継がれていなかったんだよ。だけど、それももう心配はいらない。君がこの場所を使用するにあたって 必要な権限は全て君に譲渡したから この場所で君に何かしらの制限をかける事はもう不可能だし 君が自由に行動する事が可能なんだよ」と 言われた。私は、目の前に存在している男性の正体を知りたかったが為に、その男性について尋ねてみると、「俺か、まあ、俺はミーニャが産まれてくるまで待っていた存在と言えばわかってくれるんじゃないかな」と言われると、私はその人物が神だという事実を受け入れざるを得なくなる。そして、目の前に存在する男性と会話している最中にも、その男性の娘にあたる私の存在も確認出来たので、どうやら私は その男性の事を父と呼んでいるようなのだ。そして、私の家族も全員揃っていることを確認して安堵していた。それから、私は、この建物の中に用意されていた自分の部屋に行くと 私は部屋の中に設置されている机の上に日記があるのを発見した。

私達は今、ミニャとパパの話を見守っていたが ミニャに対して 私が今まで知らなかった真実がパパから伝えられていったのだが、その真実を私が受け止めきれずにいたせいもあり 私は混乱するばかりだった。しかし そんな状態に陥ってしまっても仕方がない状況の中で私はパパの説明を聞いていたのであった。その説明が終わると パパが私に対して 私の母親でもあるミニャーについての情報を 伝えてくれたのであるが その内容を聞いてしまうと、私としてはミニャーに同情してしまいそうになっていた。そんな事を思っている間に パパが、私に向けて話を切り出してきたので、パパが話を始めると同時に私は耳を傾ける事にしたのである。「ミーニャは、自分がどうやって生まれてきて どのように育てられていたのか その事実は知っているかな?」という言葉を聞いたので私は 私が生まれた時からの経緯については覚えていないと答えた後に 私は 私自身が産み落とされて 育てられたであろう事実を知っている事実を伝えることにした。その私の発言に対してパパは「そうか そのあたりの記憶はまだ完全に思い出していないようだね。それならば 少し時間をかければ その辺りの記憶も戻ってくるとは思うけど あまり時間がかからない方が良かったりするかい?」とパパが問いかけてきていたので 私は

「うん。その辺りの記憶は、私が自分で取り戻さなければいけないものだし それにね、その事実を知ることは、きっと良いことだから」と、私は言うと、その私の答えに対して パパは「ミーニャは良い子になったね」と言うと パパが私に対して質問をしてきてくれました

「ねえミーニャ 君の本当の母親はどんな人でどのような容姿をしていたの?」と言う質問をされると私は、「お母さんはね黒髪の綺麗な女性だよ。」と答えてから私は、ママの姿を鮮明に思い浮かべる事ができたのだが 何故かそのママの外見がパパの姿と一致していた為

「あれ パパ もしかしてだけど ママに似てたりしてない?」と私が尋ねると パパは嬉しさの余り涙を流していた。「やっとだ 遂に ミーニャが僕の事を思い出してくれた。」と呟いた後 私に対してパパは「ミーニャ 改めて紹介するよ 僕の名前は『ラスター』で ミーニャの義理の父親になる男だよ。よろしく頼むね」と言うと 私はパパに抱擁されていた。それからしばらくして 私は パパに聞きたいことがあったので、そのパパに対して ある疑問をぶつけることにした。それは私が、なぜ私の肉体と融合しているはずの【アーシェ】という女性が私の体内に宿る事になり そして、私の身体が そのアーシャリアという女性の力を借りる事で変貌していくようになったのかを 私なりに推測すると『この世界の管理人の魂は 複数の人間の体内に侵入する事により その人間の肉体に干渉を行う事ができる』というのが この世界の管理者としての力を使う上で重要な条件であると考えることができるのだが、それは、私の予想に過ぎない。

そこで私は この世界における、もう一人の管理者であるパパから、パパ自身と私が一体化してしまったのも、やはり、この世界の管理システムによる 影響があるのではないかと考えたので、そのことをパパに対して確認することにした。私がその事をパパに問いかけるとパパは「それは その通りだと思うよ。ただね この世界の管理人はね。本来 一人の人間を乗っ取り、その人間が死ぬ前に自らの力をその人間に託すように、世界を管理していくというやり方を 代々 受け継いでいるんだ。だからね 僕はね 君という女性に自分の持つ全てを 譲渡することができた事に、本当に満足をしているんだよ」と言う言葉を聞くことが出来た だが 私にはパパに対して どうしても確かめたい事が 一つだけあったので、それを私は口に出す事にしてみた。私が そのパパの問い掛けに対し 答えを出した瞬間に 私の頭の中では不思議な感覚に襲われている。私は今 何を口に出して パパに伝えたのだろうか?という感覚に陥っていたので、私は、もう一度 パパに向かって、私が何を言いかけたのかを確認しようと思って 口を開きかけた時に 私の中から何かが飛び出してきた その私から出た何かは、私の手の中にある、その武器を目にする事になる。その何かは まるで自分の存在を主張し始めたかのように 私の手元にあった剣の刀身を指で触れながら 私は誰なのよとでも言わんばかりに声を発した それは、私が手にした、武器の声なのかも知れない。だがその声を私は聞くことが出来なかった。そしてその武器を手にした時を境に、私という意識が 私自身の中に戻って来たのだ。そうその私の手の中には、一振りの刀が存在した。それは、先程まで私が握り締めてた 私と同じ顔をした少女の使っていた、あの美しい銀色の光沢を放つ大太刀だった。その私の目の前で起きている現実を受け入れるまでにかなりの時間を必要とせざるを得なくなってしまったので、私は目の前に存在している男性に対して 私はこう告げることしか出来なかった。「これは どういうことなのか教えてください」と言う言葉を私は目の前の男性に放つと 男性は、この世界での出来事を語り出した。

その男性は、まず初めに 自分がミーニャの父親であるという事を伝えたのちに、「君はね ミーニャ 僕の事を 父親と認識してくれるみたいだから お父さんと呼んで欲しいな。まあ、無理にとは言わないけどね」と言いながら パパが私に向けて話しかけてくれると私は、パパに対して「うん。これからは、私の父さんって呼ぶことにさせてもらうね。」と言うと パパは私の言葉を聞いて、私を抱きかかえて 頭を撫で始めてきた パパの優しい笑顔を見つめていた私の目からは自然と涙が流れ落ち始めていた。

私は、今までの自分自身の人生を振り返るようにしてパパの話を聞き続け 私が産まれて育ったであろう事実を知った。

それと同時に私は、私の母親が どんな人物だったのか 私は知りたくてたまらなくなり 私はパパに対して質問を投げかけてみる。

私は、私が生まれる前から存在していたのが パパであると言う事実を知ってしまった以上 私もパパもお互いの存在を認め合うしかないと判断をした上で、私はパパから、私が生まれる以前から、私のお母さんと知り合いだった理由をパパに聞いてみると、その理由について 私が生まれた後にも、この世界では色々な問題が起き続けていた為に 私はパパに対して、この世界を救いたいという意思を持っていたので、その為に私はパパにお願いをしてみる事にしました。

パパに私は 私の母親のことについて尋ねる為にパパに対して、私の母について聞いてみると、私は驚きのあまり固まってしまう 何故ならば その話の中で、私が産み落とされてから 私の目の前にいる男性が、母のことをよく知っており その男性自身も 私の母親に対して想いを抱いていたので、私はその男性の話を信じる他になく、その男性の正体も判明した為 私と、この場に存在する全ての存在との間ではお互いに自己紹介を行う流れとなり、それからはお互いの話し合いが始まりました。私は、この建物の中に用意されている椅子に座っており 私は、この場で会話をしている人達から、それぞれの情報を貰いながら情報を集めていました。

そんな中で私が興味を示した情報が、どうやらママの事についても説明を受けることができたのです。それはママの存在自体が特別なものであると知ったからであり 私がママの子供である事実は どうやら本当らしいのですが、私が産まれてすぐぐらいの時に、ママが姿を消してしまわれた事実を教えてもらい、その後すぐにママが、私の中へと魂を憑依させて その私の中で、今もなお生き続けているという事実を私に話す ママとの思い出を話す人がいたのだが、その人は「その娘と出会えるかどうかは あなた次第だよ ミーニャちゃん

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魔王様の下克上〜最強の勇者は辺境で静かに暮らしたい〜 あずま悠紀 @berute00

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