(二)-6

 一時間目は緊急のホームルームとなった。もちろんそれは加奈江のことについてだった。話自体は十五分程のみで、その後は自習となった。ただ、立木君はその一時間目を受けた後、早退した。

 もしも加奈江が屋上から飛び降りるのが、彼の目の前で起きたできごとならば、彼もショックを受けているに違いない。ついさっきまで生きていた人間が数分後に亡くなってしまうなんてこと、考えただけでも辛い。少なくとも私だったら辛い。きっと彼も同じ気持ちのはずだ。


(続く)

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