9/20(火)優勝決定 対コインズ 4-2【83勝51敗4分け】

9月20日(火)21時半——。鳴尾浜球場


得点は、4対2。2OUTランナー1塁。バッターは1番桑田。


カーン!


そのとき、打球がセカンドに舞い上がった。セカンド上田が追うが、届くかどうか微妙な当たり……。


「取れ!取ってくれ!」


思わずベンチで声を上げる中、浅めの守備位置にいた鳥田が突っ込んできてこれをキャッチした。


「よっしゃ!」


握りこぶしを天に突きあげて、雄叫びを上げた。選手たちは、先を競うかのようにグランドに駆け出していく。


「辛井さん」


「ああ、いこうか」


そして、マウンドを囲うようにできた人の輪。その中に入った時、自分の体が宙に舞った!


(優勝したんだ!ついにやったんだ!)


7度の胴上げの最中、徐々に実感がわいてきた。17年ぶりの優勝がこうして決まった。



「放送席、放送席。優勝監督インタビューです。辛井監督代行、おめでとうございます」


「ありがとうございます!」


「監督代行、17年ぶりの優勝です!今のお気持ちを一言」


「ファンの皆様、17年も待たせてすみません。優勝、おめでとうございます!」


「今シーズン、チームを引き継いだ4月。1勝12敗1分けという絶望的な状況でしたが、今振り返っていかがでしたか?」


「いや、あのときは正直ここまで来れるとは思っていませんでしたので、感無量です。」


「オールスターを挟んで15連勝もありましたね。あそこで一気に、最大9ゲーム差をつけられていたバードズに追いつき、そして、追い越したわけですが、あの異常な強さ、何か秘訣は?」


「そうですね……。開幕当初は抑えに苦労していましたので、桐浪を据えることで後ろが安定するようになったのは、今にして思えば大きかったと思いますし、あの15連勝にも繋がったかと」


「今日も終盤8回に逆転し、9回は桐浪で締めるパターンでしたね。本当に、昨年までとは見違えるほど変わりましたね、桐浪投手は」


「はい。もう絶対の信頼を置いているうちの守護神です」


「ちなみに、優勝の手ごたえを感じたのは?」


「9月7日の勝利で、マジックが一桁になった時ですね。昨年のこともあったので、それまではいつひっくり返されるかと、ヒヤヒヤしていました」


「さて、これで日本一を目指す戦いが始まるわけですが、今年はファイナルステージからのスタートです。この鳴尾浜で繰り広げられる熱戦に向けて、一言」


「どこが相手であろうと、我々は勝って、必ずこの球場のポールに日本一のチャンピョンフラッグを掲げてやります!皆様の熱い声援、よろしくお願いします!」

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