君と出会った日

あぁ。つまらない。僕の心はそんな言葉で埋め尽くされていたと同時に なぜ、生まれてきたのか?こんな疑問まで出てくる。別に好きで生まれてきたわけではない。と言う言葉は最近の若者が年寄りになるまでに絶対に言ってしまう言葉だろう。あぁ…。なんで。そんなことを言ったって答えは出てこない。当たり前だ。当たり前と言えども言ってしまう。なんでだろう?そんな自問自答の無限ループの中にいた僕は気づかなかった。あの時新たな出会い…。いや、僕の人生を変える出来事になるとは知りもしなかった。


「ねぇ…。君。サクラが好きなの?」

どこからともなく優しくて心地よい声が耳に溶け込んだ。それは、まるでさっきまでの暗闇に光を創り出されたような感じだった。そんなこんなで考えたいた僕は返事が遅れてしまった。

「ねぇ…。ねぇってば…。おーい!」

また優しい声がする。でも少し怒っているのかさっきよりも言葉が強かった。でも、とても可愛かった。

「んっ…。何…?」

我ながらに全然可愛くない声で返事をしてしまった。だが仕方ない僕は人と話すのが苦手だから。

「君。面白いね!名前おしえて。」

少しクスッと笑った彼女は不機嫌になるどころか、僕の返事を笑ってきた。だけど、嫌じゃない笑い声だった。

「颯水…。颯水 零。(はやみ れい)」

また不機嫌そうな声で答えてしまった。もう少し優しく答えたいのに…。そう思っているとあることに気づいた。そういえば、僕寝ながら話してる。実はさっきまでの自問自答はサクラの木の下で寝っ転がって、顔の上に腕を置いていた。だから、僕は彼女の顔を見ていない。そして、相手もそうだった。

「へぇー。零って言うんだ。かっこいいね!

えっと…私の名前は水樹 琳乃(みずき りの)

って言うの。よろしくね!てかっ…。君さすがに起きてよ。」

可愛い…。真っ先にそう思った。顔は見てないけどこの優しくて心地よい声には、ピッタリだと思った。

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