ブラコンで美人な姉と買い物に行った次の日、学年一可愛い女の子が病んだ

さい

第1話 ブラコンな姉貴

 俺こと西園寺優の姉、西園寺結菜は美人で運動も勉強もできるフルスペックな人である。

 一見完璧な人に見えるが……。

 しかし──重度のブラコンである。


 お風呂には入ってくるし。


「優ちゃ〜ん、一緒にお風呂に入りましょ♡」


 俺の履いた後のパンツの匂いを嗅ぐし。


「イカの匂いと汗の匂いがする……優ちゃん♡」

「おい、やめろ、今すぐ洗濯機に入れろ!」


 寝ていると布団の中に入ってきて。


「優ちゃん……一緒に寝ましょ♡」


 巨乳を押し付けてくるし。


 まあ、学校だとブラコンは隠しているが……家では毎日、俺は重度のブラコンと生活しているわけである。


 姉は学校ではかなりの有名人であり密かにファンクラブまであるのだ、いくら姉弟であってもこんな姿を見られてしまったら俺の人生は詰むかもしれない。

 

「優ちゃん、私のパンツ欲しい♡?」


 いらないと言ったらあれだが……姉弟なわけだし、めちゃくちゃ欲しいわけでもない。


 真顔で。


「いらね」


 とまあ、これはそんな重度のブラコン西園寺結菜の弟の俺、西園寺優の物語である──。



 5月20日──。


 今日は姉とのデートのために近くのショッピングモールに来たわけだが……。


「ねえ見て、あの女の子……めちゃくちゃ美人じゃない!?」


 人の横を通るたびに姉がめちゃくちゃ注目されている。

 いつも一緒にいるからか可愛いのかわからなく麻痺ってしまっているが、可愛いのだろう。


「男の子の方……普通だね」


 一応、俺も注意されているようだ。


「優ちゃんの可愛さに気づかないなんて、この人たち人間なのかな?」

 

 どうせなら可愛いよりかっこいいと言われたかったなあ。


「はは、そんなことないよ……」


 とはいったものの、俺はとくにすごいところもないし普通を極めた男子高校生である。

 

「ううん、もっと自信を持っていいわよ!」

「そ、そうかなあ……」


 けど、こんな姉を持つ俺はそれだけで普通の男子高校生ではなくラッキーな男子高校生だのかもしれない。


「ええそうよ! だって、優ちゃんは私の弟なんだからね!」


 本当に俺は幸せ者である。


「優ちゃん、手を繋ごっ!」

「うん……」


 もし、俺と姉の血が繋がっていなかったら俺はきっと姉を好きになっていただろう。



 という出来事があった昨日、現在俺は自分のクラスである2年3組の教室の自分の席でスマホをいじりながら朝を過ごしていた。


「本当っ、お前は幸せ者だよな〜前世に何したんだよ〜」と俺の机の上に乗っているこいつの名前は山田真一。


 中学からの親友である。

 真一はその外見からかなり女子から受けている。

 けれど現在は好きだ人はいないらしい。


「ま、まあな……」

「ガチで羨ましいぜ〜あの、西園寺先輩と姉弟ってよ!」


 と、その時だった──。


「あの、優くん? ちょっといいですか?」


 突如、一人の女子……いや、学年一可愛いであろう女の子、白石ましろが声をかけてきた。


 ニヤリとこちらを見ている真一。


「いや、え、何ですか──?」


 あれ、俺は白石さんに話しかけられるようなことをしただろうか?

 もししていたら無意識だよな。


「い・い・か・ら、ね?」


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