最後に…

楓 紅葉

待ち合わせ

今日で終わらせよう。

そう決意して待ち合わせの場所に足を運ぶ。相変わらず朝は弱かったが会いたい人がいるならばそんなことは無くなる。いつものことながらその人は数分だけ遅れる。慣れてしまっていたから怒れ無くなってしまった。何というかルーズなところは変わっていなくて安心したというかホッとしたのか。今の私は時間がたっぷりとあるから待っている間も楽しいんだけども。数分後に街のガヤガヤしている声から聞きたかった声が聞こえた。こうして会うのはいつ以来だったのだろうか。

「遅いよ。心配したんだからね。全く私朝弱いんだから。」

そんな事を発した。

「悪かったよ。さてと、どこに行こうか。」

そう小声で囁いて優日と一緒に足が軽くなる。こうして歩くのは何か月ぶりだろうか。かれこれ半年いや一年はたったか。何も変わっていない。

「約束覚えててくれたんだね。ありがとう。」

最後に会った日の約束を覚えててくれて嬉しかった。もう半年も経っているから正直言って今日は来ないかと感じた。

「忘れるのが難しいよ。」

小さな声で笑って言っていた。久しぶりに見た笑った顔は昔と同じだった。

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