勢力解説:竜族
竜人種とも呼ばれる。
空を飛んで火を吐くだけに飽き足らず、魔法の才さえも持ち合わせており、無魔法者はかなり少ない。なんと力も強い。しかも寿命も永い。
竜族は「自分たちこそが世界最高種族である」との自負をもっているが、それもあながち間違いではないのかもしれない。
そんな恵まれた形質を持つ彼らだが、知性と責任感が欠けているという重大な欠点がある。
その性格は非常に悪く、とても利己的ですぐ嘘をつく。おまけに傲慢。
そのわりには頭が良くないため、彼らは解決の難しい問題に直面すると、大抵の場合ギャオギャオと何かを喚きながらどこかへ飛んでいってしまう。
また、「何はなくとも自分たちは全ての上にある」ことを当然の了解としているためか、地上の支配権に対する執着も弱く、まとまりに欠けている。
端的に言えば、プライドのやけに高いギャオついた田舎者たちなのである。
この時代では高度に発展した魔法技術が存在するため、そこまで他種族に対する優位性がない。
しかし、それでも彼らはひたすら傲慢であろうとする。それが彼らのアイデンティティなのだろう。
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竜族は帝国市民法秩序において基本的に自由民扱いされる。
しかし彼らは元々放浪種族であるため、帝国領内の居住者として扱われていない。
帝国は満期除隊した従軍者には種族を問わず市民権を与えているため、軍務をこなして帝国市民となる竜族もいた。
もっとも自由を尊ぶ奔放な(帝国市民法体系を全く理解していないともいう)竜たちの多くは、帝国の奴隷制度を嫌う。
奴隷身分という目に見えない属性、もしくはパピルスに書かれた文字のみを根拠として奴隷を物として扱うことに違和感を覚えるためだといわれている。
そのため、帝国に同化したごく一部の例外を除けば、竜族が同じ竜族を奴隷とすることはない。
近代に発生した人権思想は大元を辿れば、ニオシアにおける天帝の宣言と併せて竜族の考え方に行き着く、とする学説もある。
勿論提唱しているのは大概竜族系の学者である。
とはいえ彼らは「帝国の奴隷制度」を嫌っているだけであって、竜族よりも形質的に劣っている他種族はモノ扱いで使い潰しても別に問題ないと思っているのが実態である。
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先述の通り、竜族は帝国領内の居住者としては扱われていない。
定住地が存在しなければ属州居住税および人頭税が徴収できないため、彼らは帝国による徴税を長く免れて富を蓄えていた。
そこでオープニングでも説明される通り、帝国は竜族を狙い撃ちにした領空通過税を設定したのであった。
結果から言えば、かかる課税政策は、それまで非常に緩やかな連帯のもと放浪生活を送っていた竜族を団結させ、天帝という強力な指導者を出現させる引き金になってしまった。
オトナスが現れる以前の竜族は各派がまとまりなく勝手に行動をしており、とても帝国に対抗できるような状態にはなかった。
じっさい、彼らが種族単位で一枚岩になって勢力を形成したのは、後にも先にもオトナスの時代だけであることが彼らの性質をよく示している。
見方によっては、竜族の気ままな行動を制約できたのはアルティピア帝国と竜族自身のみだった、ということかもしれない。
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余談だが、領空通過税設定は前述の通り竜族のみを狙ったものであれど、運用上帝国領内に居住する飛行種族にも多大な負担を課すことになった。
今日においても、竜族とハーピー族との繋がりが強いのは、天帝軍南進の結果、領空通過税が廃されたことに端を発するともいわれる。
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