件名『無題』／差出人『古江（ふるえ）』

本文『今、浅木（あさき）の声を欲しているのだが、電話していい？』

「断る」

　そのままを送信したら、すぐ着信が入った。

「……はい」

『蓮（れん）ちゃん…』

　ハァハァと息遣いが荒い。

『声が聞きたくて…』

　お一人様、戯れ中かっ？！

「ヤッてる最中なの？」

　ハァハァと言いながらも、笑いが。

『……ち、…違うわっ』

　どうも喘ぎ声にしか聞こえん。

「そういうことにしておくよ」

　何か用があって、かけてきた気がしたから。

「ご用件は？」

『会いたい…』

　そう言って、切れた。

「やっぱり、戯れ、か…？」

　謎である。

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