14. 未知との遭遇

れんさんっ!!!!」

 男の娘って、リアルにいるんだな。

深森ふかもりくん、取らないでくださいっ」

 取られる??

 変な妄想ヤメテクダサイ。

「取ってません」

 取るつもりもないし。って、取るってナニ?!

浅木あさき、珍しいな…」

 女子と絡んで。と、上を向いた瞬間、

「……女子じゃなかったな」

 すまん。と、また俯いた深森に、

「いやいや、深森のカノジョでしょ?」

 それとも、カレシか?

「トモダチ」

 無愛想な一言が返って来たので、

「腕、絡ませてなかったかしら?」

 深森の耳元で呟いた。

「いつものことだけど…?」

 顔を上げる深森の顔が意外と近くにあって、少し避けた。

新太あらたは誰にだって…」

 そう言いながら避けた距離分、近付き、私の腕を掴んで、

「こう、だよ」

 腕を絡ませる。真顔で。じわりじわり近付く深森の顔が、いきなり新太くんの顔になる。

「だから、深森くんはワタシの、ですっ!!!!」

 声も、姿も、本当可愛くて、思わず、ほくそ笑んだ。

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