君死に給う隣には
真白
人との繋がり
人との繋がりとは何だろう。
中学校時代に頑張って少しでもいい高校に入れるように努力した。
受かった時の喜びは底知れなかったが入学した後が地獄だった。
中学でもそれなりに楽しくまわりとはやれていたので高校でもうまくやっていけると
そう思っていた。
「おい、
そう言われて僕、
「痛っ…」
思いきり蹴られうずくまると
痛い。僕が中川に目をつけられたのは入学してから直ぐの頃だった。
最初はからかわれる軽いものだったが今に至っては暴力を受けるまでにエスカレートしてしまった。クラスのみんなが止めてくれるわけもなく、ただ見ているか見られないようにみんなで配慮して現場を囲んでもみ消すかの二つだった。
いったい僕が何をしたのだろうか。
何か悪いことでもしたんだろうか。
いじめられているときはいつもそんなことを考えている。
ここの高校に来なければこんな思いはしなくて済んだのだろうか。
あんなに勉強した意味はあったのだろうかと。
「明日はちゃんということ聞けよ?柊。次逆らったらどうなるかわかってるよな?」
「は、はい…」
毎日がこの繰り返し。
ほかの人は見て見ぬふりをして僕を視界にも入れようとしない。
これがこのクラスの現実。
「はぁ…なんかもうどうでもいいな。」
僕の唯一の癒しといえば放課後になって一人屋上で何もしない時間だ。
この時間だけ嫌なことを全部忘れられる。
そんなことを考えながら屋上のドアに手をかけ入った。
「え?」
ドアを開けるとそこには人がいた。
正確に言うと今にも屋上の柵を乗り越えようとしている女の子がそこにはいた。
「何してるの…?」
おそるおそる聞いてみる。
「自殺…?」
自殺?何を言っているんだこの子は。
「なんで疑問形なの…」
「信じられないものを見ている眼で見られているから。」
「うん。今マジで信じられないものを見てるよ。なにこの状況。」
「だから女の子が自殺しようとしてるんだって。」
「それが信じられないって言ってんの!」
なんなんだろうこの人天然なのか…?でもこの状況をどうにかしないと。
「分かったから早く出てってよ。自殺の邪魔しないで。」
「そんな料理の邪魔しないで見たいな乗りで言われても…」
「じゃあなんでそんなに降りてほしいの。」
「いや、話くらい聞くからまずは降りてほしいなと。」
「まぁ…最後に話するくらいならいいか。」
なんでこの人こんなに上からなんだろうか。
そう思っているとその子は上りかけていた柵から降りこちらに向き直った。
「人の自殺止めたからにはちゃんと話聞いてもらうからね。君、名前は?」
「僕は柊結人。君は?」
「私は
「うん。」
「私、親から暴力受けてるからなんだよ。」
これがいじめられている僕と虐待を受けている石崎結衣とのおかしな繫がりの始まりだった。
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