第33話 ちょっとびっくりしたお金の話

 今日からカクコンですね〜。私は読み専として応援にまわる予定ですが、参加するみなさま、がんばってください♡


 さて、今日は神楽耶夏輝さんからの質問にお答えしたいと思います。メルボルンのお金事情(税金、物価など)が知りたいというご質問でした。エッセイネタありがとうございます。 


 個人的な感覚として、オーストラリアは物価が高いけどお給料も高いなぁと思っていました。


 過去十二年の間、ロンドンに六年、東京に一年、メルボルンに五年住んでおりますが、ロンドンは物価が高い割にお給料が低く、東京は物価とお給料ともに比較的低く、メルボルンは物価もお給料も比較的高いと感じました。


 もちろん、どこに行っても個人差が激しいのですが、平均的な家庭だとすると、お金の面だけ言えば、メルボルン>東京>ロンドン、の順で暮らしやすかったです(個人の感覚です)。


 今年の九月・十月に日本に帰ったときも、円安のおかげもあって、とにかく物価が安い〜! 最&高!! と思いました。


 このエッセイを書くにあたり、収入と支出におけるオーストラリアと日本の違いについて、インターネットで簡単に調べました。きちんとリサーチしたわけではないですし、為替などが変われば事情もコロコロと変わりますので、「今現在の目安」として読んでいただければと思います。


 まず、最低賃金が時給21.38豪ドル(今日のレートで1983円)。東京都が1072円なので、二倍近くです。なんといっても、オーストラリアは最低賃金が高い。イギリスやアメリカと比べても、抜群に良いです。


 オーストラリアの一人当たりの平均年収は9万324豪ドル(約838万円)です。「え、そんなに?」と驚きましたが、年収の中央値は6万2千868豪ドル(約583万円)とだいぶ低くなり、「まあ、そんなもんかな」という感じです。


 日本の平均収入は461万円で、中央値は433万円だそうです。

 平均値と中央値にあまり差がないのが興味深いです。

 日本はオーストラリアと比較すると、貧富の差が小さいのかもしれないですね。


 税金については、いろいろと条件によって違ってくるのですが、日本のほうが低い印象です。例えば、オーストラリアの年収の中央値である583万円、税金控除などなければ、ざっくり百万円ほど所得税でもってかれます。ただ、日本と違って住民税がかかりません(持ち家の場合は、住民税に似た税金がかかります)。


 同じ583万円で、日本の所得税・住民税の合計を、どっかのサイトにあった簡易計算式で出してみたら、だいたい70万円でした。


 オーストラリアの月々の生活費の平均は、一人暮らしの人で3千655豪ドル(約34万円)。ぎゃー、高い! どおりで学生さんはみんなシェアハウスなわけです。ちなみに、日本だと16万円前後だそうです。


 日本とオーストラリアのお給料を比較していて、一番驚いたのが、男女の収入差でした。


 オーストラリアの平均収入は、女性が8万3千668豪ドル(約782万円)、男性が9万7千391豪ドル(約910万円)で、収入差は14.1%。


 日本の平均収入は、女性が293万円、男性が532万円で、収入差が45%。


 男女の収入差については、いろいろな理由・考察・セオリーがあると思います。


 私の個人的な考えなんですけど、男女問わず、オーストラリアは、日本に比べて、労働時間が短いんですよ(個人差あります)。「パートタイムだけど正社員で管理職」な人も多いです。そうすると、男性も女性も「キャリアか、家庭か」を選ばずに済むんですよね。


「出世して高給取りになりたかったら、長時間労働は必須」という風潮が非常に弱いので、子どもの送り迎えが日課の管理職が、男女問わずたくさんいます。


 男女の収入差がオーストラリアのほうが小さい一因が、このへんにある気がします。


 話が少し変わりますが、週32時間勤務制(または週休三日制)を試験的に導入した試みについて、ご存じのかたも多いかもしれません。


 ケンブリッジ大学、ボストン大学、オックスフォード大学の共同研究で、「半年の間、お給料はそのままで、労働時間を一日分減らしてみる」という実験が始まり、2021年にはイギリスの70の会社が参加しました。


「労働時間を一日分減らしても、労働者の生産性は変わらず、むしろ増える」という仮説をもとにした実験でしたが、イギリスでの実験結果は非常に良かったそうです。労働時間20%カットに関わらず、大多数の会社で生産性が上がり、労働者の離職率が減り、労働者の幸福度や健康が向上したという実験結果でした。


 アイスランドやUAEでも、イギリスに先駆けで似たような試みが実施されていましたが、こちらの結果も非常にポジティブだったようです。


 アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでも、参加企業を対象に同様の実験が2022年に実施され、来年には結果が公式発表になると思います。日本では日本マイクロソフトが同じような試みを実施し、おおむね良い結果になったらしいですね。


 私が働く会社でも、来年末〜再来年のはじめにかけて、週休三日制の導入が計画されています。楽しみです♡♡♡


 同僚のプログラマー(オーストラリア勤務)は、週50〜60時間働いてやっと業務がこなせている状態なので、それを32時間に減らして、同じ量の業務をこなすって、どんな魔法? と憤っていましたが、同様の問題点・疑問点は、どこの国や会社でもあると思います。


 看護師さんや介護士さんとかさ、物理的に人員を増やさないと、個々の労働時間って減らせなくないですかね。アイルランドやUAEやイギリスではどう対処したんでしょうね。


 実際のところ、どうするんだろうな〜。どうなるんだろうな〜。と興味津々です。自分の会社で実施されたらレポしますね。


追記1:明日は花金です! 1000字から参加できますので、今からでも参加可能ですよ〜。詳細はコチラです。https://kakuyomu.jp/users/mashironatsume/news/16817330649243987496


追記2:レポと言えば、キウイを皮付きで食べてみました。緑のキウイよりも皮が薄いゴールデン・キウイで。丸かじりは抵抗があったので輪切りにしました。感想としては、皮……いらん(笑)。皮はやっぱり剥いたほうが好みです。慣れもあるのでしょうけどね〜。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る