カクヨム探検記
かしこまりこ
第1話 新しいエッセイ始めました
「カクヨム探検記」どうですかね、ネーミングセンス的に。やっつけた感ハンパないですかね。
このエッセイで初めましての方がいらっしゃるかもしれないので、念のためにご説明します。本作は、小説を一つも書いたことのなかった私が、カクヨムで初めて小説を投稿してからの日々を書いた、エッセイ第三弾です。
第一弾は「カクヨム失敗日記」。ボコられたらどうしようってガクブルで初投稿し、連日PV0で右往左往していたころのお話です。
第二弾は「カクヨム旅行記」。ありがたいことにカクトモさんができ、創作についての発見を楽しく共有しました。コンドームだとか、ちんちんだとか、オナラだとか、下ネタも乱入しましたね。ムフ。
第三弾は「カクヨム探検記」。探検記ですよ、探検記! ちょっとお散歩に行って「あら、たんぽぽがきれいね」みたいな気楽な場所から、もう少し奥に進んでみようかと思います。なんかすごく高い山に登っちゃって、食料も尽きたし日も暮れましたけど、ここどこですか?! みたいな場所に行きたいなと。
アマチュア小説の執筆なんていう、一円にもならない所業にハマってしまって、もうすぐ二年。だんだん奥へ奥へと進んでおります。奥へ進むほど面白いですね〜。カクヨム二年もやってると、カクトモさんとの仲も深まりますし。いつか飽きるのかもしれませんが、今とっても楽しいです。
話が変わりますが、私が敬愛してやまない作家さんの一人に、山本文緒さんがいます。「プラナリア」で直木賞を受賞され、代表作は多数ありますが「恋愛中毒」が一番有名でしょうか。人間の心の負の部分をとても丁寧に書かれ、いわゆる「ドロドロ」な物語が秀逸です。
なんと、山本文緒さんは、元々は少女小説を書かれていました。でも、次第に作品が売れなくなり、当時の担当編集者さんと一緒に「売れるものを書こう」とすごく努力されたそうです。流行りをリサーチし、絵師も人気の方にたのみ、ストーリーも人気が出そうなものを考えました。
そうやって「これだったら売れる」と思うものを作って出したら、売れなかったそうです。
そのとき、山本文緒さんはご自身の本が売れなかったことよりも、自分が書きたいものを書かなかったことに対して、本当に悔しい思いをしたとエッセイで書いていらっしゃいました。
その経験がターニングポイントになって、少女小説から一般文芸へ、方向性を大きく変えられたそうです。「売れなくてもいいから、本当に書きたいものを書きたい」という思いで書かれたのが「パイナップルの彼方」。そこから、胸がヒリヒリするような山本文緒さんワールドの本が次々出版されていきます。
一般文芸へ転向したら急に売れっ子になったなんてことはなく、作品が広く知れわたるようになったのは、何年も所得の低いまま、一般文芸で地道に本を出し続けられた後の話だそうです。
「本当にいいもの」=「商業価値がある」というわけではないですから、「本当にいいもの」が埋もれる例は多々あります。そもそも「本当にいいもの」の価値なんて客観的に測れるものでもないのかもしれません。
観客が求めるものを的確に捉えて、それに応えることでヒット作を次々生み出す作家さんもいらっしゃると思います。それこそ、プロですよね。マジリスペクトですよ。
でも私はやっぱり、書き手本人が書かずにいられなかったような作品が好きです。「私はこれが書きたいんだ」という気持ちを全力で昇華したような物語に胸を打たれます。大人が本気出して遊んだ後にできるものに、心が震えるんですよ。そういう作品に出会うと、私も書きたい! って思います。
執筆経験を重ねて新しいことを学んでいくうちに、生まれるものもどんどん良くなっていくんじゃないかと(希望を込めて)思っているんですが、若くしてピークを迎える作家さんもいますから、どうなんでしょうね。
山本文緒さんの経歴は、私の指針であり希望です。「自分が本当に書きたいもの」の中には「他者の心に届く」という項目も含まれているので、ひとりよがりの作品を作りたいわけではないんですよ。
自分が本当におもしろいと思うものを、全力で書き上げていたら、いつか誰かに「この物語に出会えてよかった」と思ってもらえるような作品が生まれるんじゃないか。そう思って、書いています。そこに商業価値があればウハウハですけど、遊びですから、そこはなくてもいいって思っています。公募に受かって売れたらいいなって、そりゃ思いますけど(笑)。
一話目だからかしら。熱く語ってしまいました(いつもですかね?)。これからはもっと真剣に遊びますよ〜。今後もよろしくお願いいたします。
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