目が覚めたらマンドラゴラでした〜元々人生オワコンなのにさらにオワコンになったんだが〜

椎名 アヤメ

転生のマンドラゴラ、地上で力尽きる

 僕"霧島 綾斗きりしま あやと"は目を覚ますとマンドラゴラだった。


 クラスの皆は勇者や王国騎士などに転生し、女神から最強のチート魔法やスキル、武器を貰っているのになぜ僕は貰えずに、ただ土の中にいるだけなのだろう。


 でも思う節がいくつかある。


 1つは僕だけが学校に行かない不登校だったから。それも有り得なくない。


 2つ目、クラスで唯一リア充でないこと。これだったらマジで女神を殺したい。


 そして最後の3つ目、人型に転生させる力に耐えれなかったこと。マジでこれは有り得る。


 確かに病気で体の弱かった僕は人型転生に耐えれないことは、正直に納得してしまう。


 だが、それよりも今、この状況をどうにかしないと行けない。


 そう現在僕は、ずっと土の中で腕であろう細い根で腕を組み、脚を組んでいること。


 そして視界はとても低く、土の香りと茶色い視界で今にも頭が殺られそうだからだ。


 たまに横切るモグラやミミズがとても気持ち悪い。


「やばい……吐く! いや吐けない!? てか何で僕は喋れるの!? 口ないよね僕!?」


 僕は目も口もない、ただの頭に変なやつを生やした変な奴、つまり変態だ。


「どうしよう。病気だった僕はろくに勉強もしていなかったから、次何すればいいか分かんない!」


 僕はそう思っていると偶然下からものすごい勢いで土を掻き分け、上へ進んでくるモグラの口に乗って地上へ放り出された。


「はぁ……やっと出れたけど……僕歩けないよな?」


 頑張ってみるが、脆い根(脚)は立てずにつま先から削られ落ちていく。


 それと同様に根(腕)はバキバキっと音を立てて肩ら辺まで無くなってしまう。


「転生時点で詰んでると思ってたけど、もっと詰んだ気がする……誰かに拾って貰わないと餓死して死にそうなんだけど……」


 僕は何とかコロコロと転がり、進めないかと考えてみるが、根の時点でやはり詰んでいる。


 もうオワコンだ。転生しても僕はこんなのだろうか。

 2度目の人生が歩めるのかと思っていたけど、全くもってそれを否定したいものだ。


 だって僕マンドラゴラだよ? どうやって生きていけばいいの? これじゃ歩くことすら出来ないじゃん。


 昔読んだ本にマンドラゴラには神経毒があるとかないとか、書いてあったけどそもそも食われなきゃ、モンスターすら狩れないじゃん。


 もう人生はオワコンじゃん。


「はあ……勇者とか賢者とかになっているクラスメイトは楽してモンスターとか狩ったりして、楽しんでいるんだろうな……それに言うのはムカつくけど、イケメンじゃん。転生して強かったらもっとモテるじゃん……何この差? 神って病弱な人の味方じゃないの? 病弱な僕の頃はまともにあるった時ないのに、もっと歩かせる気なくて草なんだけど……はぁ……もうどうしようかな……」


 そのまま時は過ぎて過ぎて1年ほどが経過した頃、僕は何故か干からびていなかった。


「干からびてるかと思ってたけど、1年経っても死なないじゃん……苦痛とか与えたいわけ? 神って?」


 僕はもう人生を諦め、目を閉じる。


 


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目が覚めたらマンドラゴラでした〜元々人生オワコンなのにさらにオワコンになったんだが〜 椎名 アヤメ @yuzuriha00000

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