正義と悪と法

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 何が正義を作るのか。


 何が悪を作るのか。


 何が法をつくるのか。


 それは、最初の一人では何も分からない。何もできない。何も作れない。


 この世界に初めて生まれた一人がいたとして。


 その人だけで、正義を作れるだろうか。


 一人だけで。


 悪を作れるのか。


 正義を作れるのか。






 きっとそれは無理な話なのだろう。


 その世界の人間が二人になって。


 ようやく、やっと。


 始めて。


 正義らしきものと、悪らしきものと、法らしきものができる。


 ケンカをしないように、互いに楽しく過ごせるように。


 そのために、一つ一つ定めていく事になるのだ。






 その世界の人間が多くなると。


 最初に定めた正義と悪と、法がくつがえっていく事がある。


 たくさんの人がいると、たくさんの人が動かす社会にとっての正義と、悪と、法に姿を変えていく。


 最初の頃のままではいられないから。


 たくさんの人が幸せになれないといけないから。


 それはきっと「すべて」の人を幸せにはしない。


 たくさんの人を喜ばせるけれど、必ず誰かを悲しませてしまう。


 何が正義と悪と法をつくるのか。


 それは一人以上の人間である、と考えた。


 しかし何のために、誰のためになのかは、その時々・人々で変わってくるのだろう。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

正義と悪と法 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ