第29話 オレたちのエピロ―グはこれじゃない。

『え~っ、只今常和台ときわだい警察署前です。この後23時頃より緊急記者会見が行われます、繰り返します!『ラ―スロ公国皇女殿下襲撃事件特別捜査本部』が設置されてます常和台ときわだい署から緊急記者会見が――』


『只今被疑者3名。ラ―スロ公国から提供された映像を元に捜索を継続中です。進展があり次第ご報告いたします――本日お集まり頂いたのは、報道過熱に伴い異例ではありますが情報提供を行います。質問等は後程執り行います――』


『ラ―スロ公国皇女殿下襲撃事件でその場に居合わせた―15歳男性、斎藤…順一さんに対しての誤った情報が拡散されております。彼に対しての。繰り返します。逮捕、拘束の事実は。また、斎藤さんを連行した写真が出回っておりますが、明らかな加工痕かこうこんが確認されました。画像加工による物と断言します――』


『また、斎藤さんがこちらに来た用件は傷害事件に対する、ご家族同伴で来ております。被害者として、来られた。それが事実です』


『――それからですね、退学に関して――事件翌日に。その時対応した警官が理由をですね、退学の理由を尋ねております『暴力行為に対して』と学校側から回答があったと。先ほども申し上げましたが、


『相談を受けた警官ですがその後、私立常和台ときわだい高等学校に逮捕の事実がないことを共有ですね、お知らせに行ってます。計4回、いずれも校長不在、学年主任不在でした。連絡先とメモを残していますが、残念ながら現時点において学校側からの連絡はありません。また、こちらから10数回電話での接触を試みましたが、校長はいずれも不在。えぇ、通話記録に関しましては後程公開します――』


『報道各社に対してのお願いです。斎藤順一さんに関して。皇女殿下に危害を加えるのを阻止しただけです。私見ですが、逮捕を根拠とした退――おります』


 □□□□

 冗談じゃない、こんなので――…―


「舞美、ちょっと来い――」

 オレはリビングから舞美を連れ出した。リビングにいる面々は今何が起きたかピ―ンときてない。はっきり、くっきり理解出来てるのはオレと――


「出て来いよ『』」

 だ。オレは部屋に入るや否や『マイたん』を呼び起こした。


「なによ、乱暴ね。何か問題でも?」

「はぁ? 何か問題でもだ? 問題だらけだ!! どこに問題がないと言える?」


「八方丸く収まってるじゃない。兄さんは遅かれ早かれ、常和台ときわだいに戻れる。サッカ―だってまた出来るじゃない。。何が問題なのかしら?」


「お前は……お前はでいいのか?」


ってなに? 主語がないとわかんないんだけど?」

!」


「ごめんなさいね?『』なら何でもわかってくれるもんね? バッカみたい! せっかく波風立たないようにのに! でしょ、。相談の履歴を作っとけば、いざという時根拠になるでしょ! 何がご不満?」


「不満だらけだ。オレはがしてくれたこと知ってる。泣きながら動画作ってオレの無実を訴え続けてくれたこと、頑張っても全然視聴伸びなくて、落ち込んで眠れなくて――でもあきらめなかったお前らを、オレは知ってる。オレの舞美おまえらを泣かせたヤツに―――終われるかよ……」


「いいわね、いつも『』ばっか、思ってもらって。理解してもらっていつも……じゃない!!」


で、。どっちも大事な妹だ。胸に手を当てろ、自分の中にあるだろ? なんでそれ無視すんだ!? お前が悪い訳でも、アイツでもオレでもない。お前にそのしたの感じさせたヤツ、ぶっ飛ばすのがオレの、アニキの仕事だ!」


「アニキの仕事なの?……怒ってくれるの?『こっちの』?」


「当たり前だ。兄妹だろ? お前らはオレの妹だ。だって――……」


「兄さん……今の『』ってなに? いらないよね? 言い切ればよくない……?」


「えっと……さすがに、ちょっと冷静になったらで……ちょい熱くなりすぎて…恥ずかしいと申しましょうか―」


「うわっ、肝心なトコでぐだぐだ!! なに言ってんの? この流れ、今からベロ―チュでしょ? 恥ずかしがってどうすんの!」


「えっ!? 兄妹で―――べ、ベロ―チュはダメだろ! 法律的に!!」

「はぁ!? うちらラ―スロ公国に行くんでしょ? あっちじゃ、もう !! たぶん!」


「え!? バンバンなの? 兄妹で? ときにってなの? たぶんってなに?」


「え? いや、だからわかんない!! きっとバンバンなのよ!! しかも兄妹で!!」


「マジか……たぶんなのに…」


「マジ…兄さん。もしその…バンバンが?」

「まぁ…何て言うかお前がいいなら……って言うかってなに?」

「わかんないけど、最初のバンバンは私とだよ?」

「わかった。よし! いや、バンバンが何かわかんないけど! 取りあえずリビングだ!! 意気消沈してる連中をけしかけるか?」


「そうね。、ケツ蹴り上げて目を覚まさせないと。反撃の狼煙を上げるわよ」

 そう、オレたちのエピロ―グはここじゃない。ましてや誰かに決めてもらうものでもないんだ。何回でも言ってやる! 


『仕切り直しだ! 常和台ときわだいをぶっ潰す!!』















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