テレパシーボックス

あなたに贈る

心を入れた

テレパシーボックス


電子の海に

そっと流した


けして

拾われることのない


もし拾われても

目を通してもらうこともない


目を通されても

きっと届かない


心を海に漂わせて




砂浜に打ち寄せられた

誰かの物語


そこに書かれた

誰かのストーリー


どこかで聞いたような

冒険者の英雄譚

隣に住む同級生

友情と笑顔


そして……、


恋と涙


そこに息づく

声が聞こえる

言葉を通して

響いてくる




見ようとしなければ

気づかない


見ようとすれば

こんなたくさん


とても不思議な

そして素敵な


テレパシーボックス


海を漂い

波打ち際に、砂浜に


けして……、


ぼくに贈られた

心ではないけれど


でも、ぼくの胸は

こんなにも

震えてしまってるよ




ねぇ、どうして





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