ジンパパ感想19-3-24 あなた方が捨てた私が、本物の聖女ですが…。ま、いっか。

19-3-24 あなた方が捨てた私が、本物の聖女ですが…。ま、いっか。

https://ncode.syosetu.com/n0144ik/25/

の感想を書かせていただきました。

#ジンパパ感想

#ジンパパ感想19

#書き出し祭り

#書き出し祭り19


 私の認識が間違っていたらすみません。こちら恐らく、聖女追放物のテンプレに近い王道作品なんじゃないかなと思います。

 でも、これが面白い。

 まずは、主人公がとても魅力的。強い、というか、したたか。心がめっちゃタフ。魅力的です。ここが作者様が一番こだわり、作品の売りにしたいポイントなんだろうと思います。その思いはタイトルの「ま、いっか。」に端的に表されています。

 そして、降って湧いた災難を被り、絶望的な状況であるにも関わらず、嘘をつき続ける重責から開放されたのだと思い至るや否や、

(そっか。つまり私はもう、嘘をつかなくて良いんだ)

 そこからの立ち直り方の見事なこと!

 二晩走り通しの馬車が子爵家に着く頃には完全に意識が未来に向かってます。

 徹底してブレないこのタフさが素晴らしい。彼女なら、どんな困難にも立ち向かっていける、そんな期待が持てます。

 まぁ、そんな決意を挫くような問題が待ち受けているわけですが(笑)

 それでも。聖女としての資質と、研鑽を重ねた魔法を武器に果敢に立ち向かっていくのでしょう。


 もう一つ。この作品の注目すべきポイントは文章の構成力。


──"聖女"を手放すわけにはいかん──。

 あの時、父はそう言った。


 父親の最後の台詞を回想の起点に状況説明をしたり、流れが綺麗です。これが唐突さがなく、スラスラと読めてしまう理由なのでしょう。


 残された妹と父親には、きっちりと読者のヘイトが向かうように計算されてるのも見事。妹が姉の名を語ってしでかした不始末と知っていながら、姉を放逐したのですから。

 これが、父も妹の奸計に騙されていたのなら、妹にしかヘイトが向かわず、遠からず、妹の虚偽がバレて、爵位を失い落ちぶれてしまった時に、父に同情の余地が残ってしまったことでしょう。


追記(するほどでも無いんですが、書こうと思ってて書き忘れてたので)


 一話のラストで、襲い掛かった騎士を、風の魔法で弾き飛ばす主人公。


「挨拶代わりに乱暴を働こうとは! エトナの騎士は礼儀も知らぬのですか!」


 え……。心がタフなだけじゃなくて、本当に強いしww


 以上です。丁寧に仕上げられた職人技のような作品でした。

 感想依頼、ありがとうございました。

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