ジンパパ感想15-2-1 フライング・スカイ・ハイ!

15-2-1 フライング・スカイ・ハイ!

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 かっこいい。存在しない架空のレースもの。これまでにも書き出し祭りで何度かこの「架空レース物」ジャンル(と言っても良い気がします)をお見かけしました。そのどれもが素晴らしく面白かったので、ついつい油断してしまいそうになりますが、こうした架空レースものを臨場感たっぷりに面白く描くのって、実は滅茶苦茶難易度が高いと思います。

 架空であるが故に、どんなルールの、どんなスポーツなのかを読者に分かってもらう必要があります。その上で、どんな見どころがあり、どんな駆け引きがあり、どんなテクニックがあり、それをどう駆使して勝利を勝ち取るのか、それを説明臭くならないようにしながら、読者に興奮と臨場感を伝えなければならないのです。

 私はこのジャンルの作品を書いたことがないのですが、それでも相当ハードな試練なのではと推測します。


 そんな「架空レース」を題材にこの「フライング・スカイ・ハイ!」では、いとも簡単に(少なくとも表面的には苦労の後を感じさせずに)、飛び越えて、読者に13歳の少女レーサー、モニカ・シューティングスターの伝説のレースを体験させてくれます。かっこいい。スリルとスピード感に酔いしれます。


 こんなの、主人公じゃなくても興奮しますって。凄いです。


 そんなモニカに憧れる主人公は、なんと部活を創設するところから取り掛かります。てっきり入部するところからだと思っていたので、これは予想外。先が流そう(笑)。相当な大作になりそうです。


 散りばめられた謎もいい感じ。くだんのモニカは13歳にしてどこでそれだけのテクニックを身につけたのか。そして何故、突然表舞台から忽然と消えたのか。


 文句の付けようのない面白さなのですが、一点だけ。

―――――

「お前、ウィングスーツで飛ぶだけで、かなりの条件があるのを知らないのか? だから、あれだけプロレースがあっても、部活は少ないんだぞ」

―――――

 ここだけ、具体的にどんな条件が主人公に立ちふさがることになるのか、書き出し段階でちらっと知りたかったです。


 以上です。感想依頼ありがとうございました。めっちゃ面白かったです!

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