第19話 鳥もつ定食

道の駅を出た蓮と彩葉は、国道141号線清里ラインを国道20号方面に向かってバイクを走らせる。

国道20号に出ると甲府方面に向かって走り、甲斐市にある定食屋に到着した。

店の雰囲気は、和の感じで落ち着いた印象だ。


「ここの鳥もつがよぉ、めちゃくちゃうめぇんだ」


蓮はそう言うと鳥もつ定食を2つ頼んだ。

しばらくすると定食が2つ運ばれてくる、ご飯はおかわり無料らしい。

甲府鳥もつ煮と呼ばれる山梨の地元料理で鶏などのモツを醤油と砂糖で照り煮したもの。

もつ煮込みとは違い、甘辛く味付けされている。

レバー、ハツ、砂肝、きんかんがタレが染みててかなり気に入った様子の彩葉。

味は、わかりやすく言えばうな重のタレの味っぽく感じる人もいるそうだ。

2人はあっという間にご飯を食べ終えると、食べ始めて10分も経たずに2杯目のおかわりを頼んだ。

久々に兄妹で食事をしたので、2人は現状の話で盛り上がった。

彩葉はバイクに乗るようになってバイク好きのクラスメイトの女の子と仲良くなったこと、その子が免許を取れたらツーリングをすることになってることなどを楽しそうに話す彩葉を見て、蓮はこの様子なら俺がいなくても大丈夫そうだと安心した。

蓮は山梨に来てから面白いバイク乗りを見つけたと話してくれた。

旧型のNSR250Rに乗る女性ライダーでたまに見かけるらしく、1度だけバイクから降りてる姿を見たことがあるらしいが金髪で肌が透き通るように白くてかなりの美人なんだとか。

見た目は、日本人ではなさそうな感じで瞳の色がエメラルドグリーンっぽい感じらしい…

なんだそれ…すごい気になるじゃないか…

蓮は明後日までコッチにいるつもりならこの近辺を走ってれば会えるんじゃないか?と話すがそう都合よく会えるものでもないだろう漫画やアニメじゃあるまいし…

蓮が出没しやすい場所は昇仙峡のあたりだと言うので、気が向いたら明日あたり昇仙峡グリーンラインでも走りに行ってみるか。

結構、店内で長話をしてしまったのでそろそろ出ることにした2人は会計を済ませて店を後にする。


とりあえず韮崎にある蓮のアパートに戻ってゆっくりすることにした2人は、再び韮崎方面に国道20号を走っていく。

今日は茨城から走ってきたからかなり疲れた…

アパートに着いたら、一気に疲労が襲ってきそう…

バイクは確かに生身なので車より疲労が出るのは当然だが、それを勝る感動と楽しみを味わえるからバイクはやめられない!




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