第20話 はじめてのパーティバトル
我等がリーダー赤メッシュ君考案のパーティ編成ですが割りと上手く出来ていました。
「馬場主水と申します、よろしくお願いします。私はスキル【幸運】を持っているので前衛で敵やダンジョンの罠など察知に向いているかもしれないですね」
「風間マコトです。【水魔法】スキルを持っています。魔法を使いながら前衛をするつもりです!」
「京極晶。ウチのスキルは【雷魔法】。魔法で身体強化して前衛で戦いたい…」
魔法持ちの2人が中衛で【投擲】スキルのプリン1号と【敵意察知】スキルのプリン2号が後衛、【剣技】スキルの赤メッシュ君と僕が前衛。
中衛2人が前衛志望ですが魔法での遠距離攻撃に加え、何かあった時の前衛との交代要員と考えれば中衛がベストでしょう。
いつもの装備に今回はバックラーも持って行くとしますか。
担当官の先導に従い森ダンジョンへと入って行きます。
今、歩いているのは優先度の高い採取ポイントへの道のりの1つで、道を均しながら進んで行きます。要所要所で注意点を教えられながらになるので進行速度はそれほど速くはありません。
ゆっくりした歩みに飽きた我等がリーダー赤メッシュ君がマコトと傾国さんを相手にナンパと言うか自分自慢をしています。如何に自分がすごいかを語り、他の受講者と比べてどれだけすごいかを語り、現役の冒険者とも比べて自分ならもっとできると語り、そんなすごい自分と付き合えるのがどれだけ素晴らしいことなのかというようなことを身振り手振りを交えて力説しています。
担当官の説明の時は静かに聞いているからか特に注意されることはありませんでした。モンスターの気配を察知する妨げになるから無駄口を叩くな、くらいは言われるかと思ったのですが大丈夫みたいですね。緊張しすぎないためにもこれくらいの会話はOKということでしょうか?とりあえず、心のメモのあとで担当官にする質問リストに追加しておきましょう。
それにしても、慣れない森歩きをしながら身振り手振りを交えて会話を続けられることから考えて体力は十分以上にあるようです。
話続けることでモチベーションを上げていく赤メッシュ君に対し反比例するかのように背後からは不穏な空気が漂ってきます。付き合いは短いですが、マコトがここまで不機嫌そうな雰囲気になっているところは初めてですね。傾国さんもだいぶうんざりしている様子。
なんとか助け船を出すことはできないでしょうか?と考えている時にふと目に入った場所がガサリと動いた気がしました。
盾を前に突き出し、メイスを構え臨戦態勢をとり先ほどの気配の方へ一歩踏み出します。それに気が付いたマコトと傾国さんはすぐに臨戦態勢に移ります。後衛のプリン1号とプリン2号は少しあたふたしたあとで周囲の警戒、話を中断された赤メッシュ君は舌打ちしつつも剣を構えます。
臨戦態勢になり数十秒たってもなにもおこらず、焦れ始めた頃、
「おい、おっさん!俺の話の邪魔するためにこんな……」
赤メッシュ君がこちらを怒鳴りつけたタイミングで何かが飛び出してきました。その突進の勢いを盾で反らし、たたらを踏んだところにメイスを一撃、モンスターがバランスを崩したところへ僕の背後から魔法の気配がしたので射線から外れるように動こうとした時、赤メッシュ君の一撃が止めを刺しました。鹿のようなモンスターが消えてなくなり魔石が1つ落ちています。
「っしゃぁぁぁっ!!見たか、俺の【剣技】」
魔石を拾って後ろを振り返るとガッツポーズをとる赤メッシュ君とそれを褒め称える2人とそれらを冷めた目で見る2人がいました。
「それじゃあ、先に進むぞ」
いつの間にか僕達から離れていた担当官が現れ言いました。
森での歩き方を学びつつ、モンスターを3匹倒したところで本日の講習は終了しました。
NAME:馬場 主水
LEVEL:2 → 5
STATUS
STR:7 → 10
DEX:9 → 12
VIT:4 → 7
AGI:8 → 11
INT:11 → 14
MND:13 → 16
SKILL
【強運】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます