文女あやめ
ヤッキムン
第1話
ロンドンで生まれて、そのあとパリに行った。テムズ川とセーヌ川のほとりに、赤ちゃんの時いたことをなんとなく覚えている。
テムズ川のほとりの建物の2Fの、外階段を少し上がったところ玄関で、中に入って窓際のタンスの上にベビーベッドがあって、そこで寝てたことを覚えている。
セーヌ川沿いの、緑と、白やピンクや黄色の草花のところを歩いていたのも覚えている。
今は中3で、大阪に住んでいる。2Fの自分の勉強部屋に霊がいる。中3で引っ越して来たのだけれど、最初に部屋に入った時から、何か霊がいるのを感じた。
それまで子どもの頃から霊感が強いわけでもなくて、この部屋に来て、初めて霊を感じている。
いや、そうでもなかった。
幼稚園の頃、住みはじめた家の裏庭がまあまあ広くて草がたくさんはえてたんだけど、何か人の霊を感じた。そこで何かあったような気配を。
あと、小学生低学年の頃、家にかけてあった絵を見て、何か怖かったから、いつも「怖いー」って言ってたら、両親が「知り合いの人にプレゼントしてもらったものなのに...」って言いながらも処分したみたいだった。
幼稚園の時の裏庭の怖さは、明らかに何かそこで昔あったような怖さで、
小学生の絵の怖さは、もしかしたら、鬼を追い払う効果のあるものだったのかもしれない。小学生の自分が、見て怖いって思ったように、鬼も家でその絵を見たら怖くて家から逃げ出す効果のあるような絵だったのかも...
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