雪島美春

「優菜ちゃん、少し遅れるって」

 「わかった。先にいこう」


 俺等兄弟チームは、先に調べることにした。


 「今日の帰り道、雪島先輩を追い回していた人物を、捕まえたみたいだね。良かったです」


 俺の妹の雪菜は嬉しそうに、笑顔を見せる。駅に着くと、私服姿の雪島美春と噂の叔父さんの姿があった。


 「悪いけど先にいく」


 俺は雪菜を駅に置いたまま、俺は二人の後ろを追うことにした。


 「あの二人は、どこに行くんだ」

  

 隣にいた叔父さんは、俺に向け問いかける。


 「こそこそせずに、顔見せてくれないかな?」


 俺は二人の前に出る。そして彼女はびっくりするも話しかける。


 「え?山西君がどうしてここにいるの?」

  「雪島さんの姿が見え、話しかけるの悪いかなと。ちなみにこの叔父さんは誰」


 何も知らない振りをし、相手の正体判明しようとする俺に対し、叔父さんは不思議なことを言い出す。


 「少年が一人目として、残り3から、4人くらいは山西君のお友達かな?」

  「俺が知っているのは、二人だな。そういえば今日、捕まえた男の情報聞かされてないな」


 思い出したように、スマホであの二人に返事を待つことにした。


 「叔父さんの名前、教えてくれますか?」

  「青島広雪言います。それからあの二人は、お友達かな?」


 ランニングと、同じくらいのペースで走ってくる二人が見えた。 

 

 「そうです」

  「今から長話なるから、お店や俺の家で話をしないかな?」


 そこに丁度、二人も到着し話に混ざる。


 「いいっすね。先輩達今晩は」

  「可愛らしいお嬢さん達、今晩は青島広雪言う叔父さんです。二人の名前も聞かせてくれますかな?」


 青島は二人に向け、挨拶をする。


 「私は山西雪菜です。そこにいる兄の妹です。よろしくお願いします」

 「私の名前は、加島優菜です。よろしくお願いします。単刀直入に聞きます。青島広雪さん、そこにいる雪島美春さんとどのような関係ですか?」


 すると話を途切らせるように、話に混ざる雪島美春が答える。


 「青島さん言った通り、長話なります。すみませんが移動してから話します。で駄目かな?」


 そうやって彼女の過去や、今から巻き込まれる事件、そして明かされる真実、それが近付いてきてるとは、今の俺等には想像もしなかった。

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