第13話 衝撃のアイテムボックス
生活魔法に加えてアイテムボックスまで手に入れた今の私に不可能はない。だいぶ強気になってきたなぁ。
アイテムボックスの登場でにわかにざわめき出す宮子の脳内ギャラリーだったけれど、よくスキル内容を見てみたらもっとやべーことが書いてある気がする。
『あらゆるものを
そう。"あらゆるもの"である。
通常、アイテムボックスというチートスキルは「生物は入れられない」または「生物を入れると死んでしまう」という制約が科せられていることが多い。じゃないと敵もアイテムボックスに入れて高所からポイすれば倒せちゃうからね。
なのでこのスキルもそうなのかと思ってたけれど……。
ええい、試さずにはいられないッ!!
君がッ!! 消えるまで 入れるのをやめないッ!
「【
その辺をのしのしと歩いていた1cmほどの謎虫くんを【
すると謎虫くんはいつもの光になって消えた。
しまった、ステータスも確認しながらやって
失敗したと反省しながら【
……うん……"いる"ね……。
リストにはしっかり謎虫くんが存在していた。
"あった"ではない。"いた"のだ。しっかり生きていることがわかる。
このスキルは文字などの形態ではないので感覚的なイメージでしか把握できないけれど、確かに生きている気がする。
ただ、どうやら今の状態でほぼ容量がいっぱいになったのもわかった。
これまでの計測からするとこの謎虫くんは大体30
なのに300ほどの
とりあえず謎虫くんを解放してあげよう。
手近な地面にポイっ! するイメージを浮かべると、そこに光が集まって謎虫くんが変わらない姿で……いや本来の姿をしっかり覚えてるわけじゃないからちょっと変わっててもわからないな……まぁ無事に五体満足なまま地面へと帰還した。
そして慌てるでもなくそのまま【
ふーむ。
仮説を立てるなら、生物も生きたまま入れられて、出し入れしても欠損なんかはない。
時間経過はわからないけれど、入れられたという感覚はなさそう。まぁあの謎虫くん鈍感そうだからまだ判断はできないけど。
で、一番の謎の容量の差。
これは「生きたモノを入れると容量として扱われる
検証を繰り返したいけれどまだ最大容量が心許ない。容量不足のせいで検証を度々中断させられるのはストレスだし、しばらく生きているモノに使わなければいいだけだ。
戦闘になった時に敵を閉じ込めるなどのスキルの応用はもっと余裕を持ってからにしよう。
モンスターの
とにかくまた一つチートスキルが増えた。しかもチート中のチートの可能性すらあるヤツが。
困難だった立ち上がりを乗り越えた私には、やはりバラ色の異世界ライフが待っているようだ。うふふ、楽しみ。
【
この辺がクリッカーの向き不向きを分ける所以だね。
プレイ内容がほぼほぼ単純作業なので向いてない人はとことん向いてない。そしてこの単純作業の先にあるインフレを楽しめる人は中毒にハマるというわけだ。
そういえば可食テストをしていた木の実は色々と驚いて叫んだせいでどこかに吹っ飛んでいた。
が、一応口にも入っていたみたいだ。いや多分食べてないよ。口に入って出てったんだと思う。はいそこ汚いとか言わないの!!
――――――――
オーランツの実
オーランツに実る果実。年中取れるため庶民のおやつとして人気。
油分を多く蓄えているので油も抽出できる。
価値:8ソール
――――――――
普通にナッツだった。庶民のおやつだって。
加工して油ができるみたいだけれど、どれだけ必要なんだ……? 地面に落ちている分ではとても量が取れそうにないけど……。
オーランツの実がいっぱい落ちていたあたりの上を見上げて見ると、同じような実が結構ぶら下がっていた。
ふーん、食料の幅が増えたじゃん。この手当たり次第突くこととレベルアップすること以外に娯楽がない環境で、食の豊かさというのは結構ウェイトがでかい。
美味しく頂ける自然の恵みは経験値と同じくらいありがたいものなのだ。
次はやけに
ちょっとずつだけれど、生活レベルが充実してきててヨシ!!
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