死神は嫌われている
VAN
第一話 無能な死神
死神の仕事は、生命の終わりを導くこと。生き過ぎた命に終わりを与えること。
死神には手で触れた生命を終わらせる能力を持っている。そしてその手でその命をあるべきところへ導くのだ。
命は巡り、そしてまた還る。それが創造神が作り上げたこの世界のルールだ。誰もがそのルールに従ってきた。
だがあるとき、生命はそれを拒絶した。
人間と呼ばれる生命は寿命を延ばし、いずれは不老不死の力を手に入れようとしている。それにより、新たに生まれるはずだった生命は生まれず、人間だけが数を増やしていく。この世界は人間という生命が過半数を占めるようになってしまった。
人間の技術はついに神をも超える域に達し、神を視覚化すること人類は成功した。
そして愚かなことに人間は人間という枠組みを超えるため、神々に戦争を仕掛けた。
戦争は神々の圧勝かと思われたが、人類は新しいステージに達し、新人類と化した。形勢を見誤った神々は徐々に追い詰められ、やがて人間が勝利し、この戦争が終わった。
神々は人間の作った理不尽な法律にそって裁かれ、処刑された。次の日、また次の日と処刑されていく中、神々はある神を逃した。
唯一、人間が克服できていない『死』を司る神、『死神』。
処刑され尽した神々の中、生き残った『死神』は処刑されていった神々が残した力を使い、長い時を得て人間たちに復讐しようと考えた。
いくつもの実験を重ね、出来上がったのは『神乃 冥』。触れるものすべてを終わらせる、死神の最高傑作だ。
そして今、死神の復讐が幕を開けようとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます